東京都の先輩経営者からのメッセージ
信頼という暖簾を大切に、親しみとくつろぎのおもてなし
中江 白志 氏
馬肉料理1905年3月
老舗桜なべ屋の4代目として生まれ、小さい頃からお店は自分が継ぐものと思っていたという。
桜なべとはそもそも、文明開化で日本人の四足動物食が解禁され、横浜で「牛鍋」が流行っていたことから「牛が美味しいなら馬も美味しいかも」と、馬で鍋を作ったのが受け、桜なべは吉原の「流行グルメ」になったとの事。最盛期には吉原大門前の通りに20軒以上のお店が並んでいたそうだ。
純国産の極上桜肉を使用した東京の郷土料理である桜なべを、国の有形文化財に登録された大正建築の店舗で食していただけるのがお店の魅力。看板メニューはもちろん「桜なべ」。
開業から6年後の明治44年には吉原大火に見舞われ、さらに再建後約10年経った大正12年には関東大震災によって店舗が消失。20年の間に3回店舗を新築しなければならなかったことは大変な苦労だったという。
ご主人(4代目)は、バブル崩壊後に跡を継いだのだそうだ。老舗の伝統や格式を守る事と、節約・緊縮経済の流れとのぶつかり合いで、舵取りの難しい時期だったとの事。しかし、早くから先代よりお店の全権を任されていたので、プレッシャーはあったが、比較的スムーズに経営を引き継ぐことができたという。
長きにわたり、お店を継続してこられた秘訣は、その時代時代の、お客様の求める価値観に合わせた情報の提供をしてきたからではないか、とご主人は語る。
経営理念は、
「信頼という暖簾を大切にし、親しみとくつろぎのおもてなしと感謝の心でお客様に接する桜肉料理の専門店であり続ける事。」
今後の展開としては、食用に最適な肉質の食用馬の開発と安定供給だという。
これから始められる方へは、
自分のこと、今のことだけで精一杯にならず、周囲のこと、将来のことまで考えられる余裕を持った運営をして欲しい。とエールを贈る。
地域密着で、地域の人が集える”場”を提供しています!
加藤 輝幸 氏
もんじゃ焼き・お好み焼き1995年4月
元々実家は個人経営の食肉店であったが、継続が厳しくなったため、付加価値を提供できる飲食店へと転換したのだという。
コンセプトは、地域密着で、地域の人が集える場所を提供する「ファミリーもんじゃリゾート」。小さい頃親に連れてきてもらった子が大きくなり、今度は友達同士でも来店するようになり、そして恋人とも来店するようになり、いずれ結婚して自分の子供を連れてきてくれるようになる、そんな地域の人たちのライフサイクルに寄り添ったお店を目指したのだそうだ。
また、地方から移り住んでくる人も多い街なので、この街のことをよく知ってもらい楽しんでもらい、この街を第二の故郷と感じてもらえるような、「観光案内所」的な役割を果たすことも目指したのだという。
しかし、開業時は初めての飲食店ということで、スタッフもみんな素人で、見切り発車のような開店だったため、注文を受けてから、「これどうやるんだ??」というようなこともあったり、お客様にはかなりご迷惑をかけたとの事。
看板メニューは、もんじゃ焼き、お好み焼きは当然として、元肉屋という利点を活かした、肉系の焼き物メニューが売り。
これまで続けてこられた秘訣は、大きなメニュー変更は一度も行わず、お客様の思い出創りを大切に、「変わらない、変えない」ことを大切にしてきたことではないか、とご主人は語る。
「お客様は、来るものではなく、帰ってくるものだ」と考え、いつ帰ってきても、「あー変わってないね」と思っていただきたいとのお考えだ。
地域を大切にし、お客様の思い出を大切にして、地域に恩返しをし、地域貢献に努める。というのが経営理念。
今後は、一日でも長く経営をつづけることを目標にしているのだという。
儲けることよりも、続けること。「継続は才能を超える。」続けることによって、街の中で、無くてはならない、「必要必需店」を目指すのだそうだ。
これから始められる方へは、
「何をやるかが重要ではない、どうゆう気持ちでやるかが重要。」自分が始めようとする仕事を通じて、自分だけでなく、世のため人のためになるためにはどうしたらいいかを常に考えていけば、必ず求められる店になる、とアドバイスをいただく。
感謝を忘れずに
上田 民夫 氏
居酒屋平成18年開業
40年以上携わってきた建設業の経営継承を無事に済ます目途がたち、現場の第一線から退くにあ
たって、かねてよりの夢であった飲食店経営をはじめたのが「いざかや酒楽」だという。
より良い物を、お客様が「安い!」と思っていただける価格・サービスで提供する“をコンセプトとし、看
板メニューである「本マグロの刺身」は原価で提供している。
会社経営は熟知していたが、飲食店経営は初めてで、色々努力したそうだ。
駅からは徒歩30分、利便性が悪い分だけ地域密着に専念し、町内の仕事や季節でのイベントなどを
積極的に開催し、今の「いざかや酒楽」を完成させた。
しかし、今でもお客様の満足度・また来たいな、といかに思っていただけるかを常に意識しているとい
う。
今後も、お客様がとにかく満足していただける様なお店を展開する予定の上田氏。
飲食店は容易に始められますが、容易に閉店の危機にも陥る危険性があります。
多面的に入念な準備し、開店後は良くも悪くもお客様が育ててくれます。
常に「感謝を忘れずに」と語る。
あきらめるな!
中尾 伸一 氏
ダイニングバー平成27年開業
フレンチの修行を得て、様々な飲食店を渡り歩いてきた中尾伸一氏。若い時から独立心が強く、20代で六本木にBARを開業した。
しかし、経営の勉強不足から数年で閉店してしまった!しかし、諦めず数年後同じ志を持った知人と二人で新たな店を銀座で開業した。最初は順調だったが、何時しか共同経営の壁にぶつかりこの店もまた閉店してしまった。料理・サービス、十分なくらい修行してからの独立だったが、経営の難しさに本当に悩んでいたという。一時は、もう飲食業を辞めようかと悩んでいたが「あきらめるな!」という言葉が脳裏に聞こえ、無心で働き、そして現在の「With」を開業した。現在は過去の経験を生かし、銀座の方々から絶大な支持を頂けるお店となった。自分の想像していた事とは異なる事が沢山起きる!辛く苦しい時も沢山ある!しかし、絶対に「あきらめるな!」あきらめないで毎日を全力で過ごせば、必ず最後は自分の想像通りの道が出来ますとエールを贈る。
笑顔・癒し そして安心感
井上 万里 氏
バー平成25年開業
スポーツに没頭した学生時代を終え、次なるステップの為上京を決意。座右の銘“素直な人間でいろ!”と、学生時代スポーツを通じて得た根性で、銀座という最高峰の繁華街で結果と様々な人脈を築いてきたという。そして、次なるステップを思考していた時、何気ない会話にチャンスを感じた。しかし、自分の感じた直感が外れれば、今迄得た物は無くなるとも思った。“素直な人間でいろ!”それは他人にだけでなく、自分に対しても同じ、自分の気持ちを考え素直に行動し、そして出来たのが『銀座 凛』だ。『笑顔・癒し そして安心感』をコンセプトとし、常にお客様の気持ちを考え居心地の良さを追求した結果、現在の著名人も集まるお店になったという。現在は、地元熊本の名産品や店長の地元築地を融合させた他業種も考案している。一日、一日を無駄にせず、素直な人間で居続けたい、そしてこれからどんな業種に進む方にも“素直な人間で居て欲しいそしたら必ずチャンスは来ます”とエールを贈る。