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飲食店先輩経営者からのメッセージ

すでに飲食店経営者として活躍されている先輩経営者から後輩経営者に向けてのメッセージです。
これから共に飲食業界を引っ張っていく後輩経営者へたくさんのメッセージが寄せられています。

東京都の先輩経営者からのメッセージ

CoCo Craft

人の成長は店の成長!信頼し人を育てることを大切に店を続けていきたい!

高橋玲子 氏

ビアバー
2016年開業

 学生の頃から漠然と、飲食店をいつかはじめたいという想いを持っていたという高橋氏。
卒業後は会社員として働き続けてきたが、昔から考えていた夢を実現したいと強く思うようになり開業を決意したとのこと。

 自身でも食べ歩いたり、飲んだりすることが好きだったこともあり、開業前にお店のコンセプトとして手作りの餃子(点心)をメニューに入れたいと考え、点心がウリの飲食店や中華料理の名店でアルバイトしながら調理を学んだとのこと。

 「店舗のコンセプトは、自分自身が好きなクラフトビールと点心を中心にしたバル業態としました。クラフトビールは自分自身でネット情報の検索やビアフェスなどにも積極的に参加し、現在では30のブルワリーとの取引で、新商品なども取り入れながら入れ替えています。また点心は皮から手作りで、無化調・無添加にこだわり、美味しさと安全・安心な商品を届けたいと思っています。」そう高橋氏は語る。

 「開業して1年目は、ただただ必死に運営をしていました、どのように利益を残せばよいのか、集客をしていけばよいのか考えながら工夫してきました。」「開業時の取引業者を改めて見直したり、地域性に合わせて会社帰りの方向けに晩酌セットでクラフトビールと点心とおつまみのセットを導入したり、チラシ配布なども試しました。」色々な運営に関しての工夫をする中で、定期的に取引先のブルワリーのイベント企画開催や点心作りを中心とした料理教室なども行い、徐々にお店に訪れる常連客も増えてきたという。

「業態のめずらしさや当初からホームページを作っていたこともあるかもしれませんが、開業1年目からメディアの取材も入り、お店を知って頂くことが出来たのも良かったと思います。」「今、お店に来て頂けるお客様の多くは、近隣の会社帰りのサラリーマンやOLさんです。一人でご来店されたお客様も、グループや同僚と利用されるお客様もそれぞれに居心地の良い場所を提供していきたいと考えています。」とのこと。

 店舗を運営していく中では、常連のお客様だけでなく、新規来店のお客様にもしっかりと満足して頂けるように気を配ることを気を付けているとのことだ。

「初めて来てくれたお客様には、ご満足頂けるように、必ずお声かけをするようにしていますが、自分一人の力でできるわけではなく、やはり働いてくれているスタッフの力が欠かせません。」

「スタッフのモチベーション次第でお店の雰囲気も売り上げも変わります。評価するところはしっかりと評価して、興味があればブルワリーの試飲会・イベントなどにも行ってもらったりして、新たな視点や社会との接点を持ってもらうことで、モチベーションを上げてもらう環境づくりも必要と考えています。」そう高橋氏は語る。

 “人の成長は店の成長につながる”今後も働いてくれるスタッフと共に成長し続けて行きたいとのことだ。

HALE海’S(ハレカイズ)

1人1人のお客様に支えられてきた結果

宮島 孝信 氏

SASHIMI & GRILL
2002年開業

 元々実家が寿司店を営んでいたこともあり飲食がいつも身近にあった。17歳から和食店に修業入りし、世界中の食を食べ歩いてきた経験から料理には限りない可能性があることを感じていたそうだ。26歳の時にハワイ料理の名店に移り、料理長迄勤め上げた。そこで作り出した独自の料理の世界観や周りの先輩たちからも刺激を受け、オリジナルな業態での独立を模索していった。遂に34歳の時に刺身あり、パスタあり、スィーツあり、「刺身=醤油」という固定概念を打ち破るような、飲める人も飲めない人も満足してもらえるお店として西麻布に1店舗目をOPENした。開業当初は客足が伸びず2ヶ月程は精神的にも徐々に追い詰められていたが半年を過ぎる頃には口コミでお客様が増え軌道に乗ったと確信したそうだ、それからは10年以上も右肩上がりの成長を続けてきたそうだ。目玉となった商品は「元祖!石焼きリゾット」で、窮地の中から試行錯誤の末に生み出され後に大人気となるオリジナル料理だ。繁盛継続の秘訣は「1人1人のお客様に支えられてきた結果」とあくまでも謙虚。そして経営者として一番大事にしていることは「人」で、現代の若者とのジェネレーションギャップは感じつつも人がいなければ何もできないと考えてきたそうだ。今後は人を育て、新たなステージも見据えて日々精進している。これから始められる方には「“覚悟”と“自分の実力の10分の1の力でも勝てる自信”が持てるのであれば挑戦すべきで、自分への過大評価は注意し勤め先の看板(バックボーン)の力も加味することが必要。」と経験からの貴重なエールを贈る。

肉めし かとう

仕事に終わりなし!

加藤 友弥 氏

焼肉
2015年開業

 元々格闘技の世界で生きてきた。警備会社(身辺警護など)の役員として警護現場の仕事をしながら訓練や試合と命がけの毎日の中で先輩や上司が経営する飲食店に興味が湧き、家族が増えるタイミングで真剣に考え始め先輩の経営する都内のステーキ店に6ケ月間、焼き方や捌き方などの修業をつけてもらいに行ったそうだ。開業に向け多くの方々のサポートを受けた、例えばOPEN間近になると「ノック」として実際にお客様が来られたことを想定したロールプレイングを連日開催してくれたり、業者さん関係を紹介してもらったり順調に開店準備を行っていった。目指したのは“自分が行って嬉しい、お肉をテーマにした、安くて早くて美味しくて、高級そうに見えるけど入ったらリーズナブルでがっつり食べられるお店”だ。OPEN前後は本当に寝る時間が取れない体力勝負の毎日でお店の床で仮眠することも良くあったそうだ。1年間休みも取らないような日々を乗り越え、現在は業種の違うお店を3店舗経営するに至った。これまで継続してこられた秘訣は「気合い!」と即答、「どんな仕事であれ仕事には終わりがないので如何にモチベーションを保ち続けられるかが勝負。」と語る。経営者として一番大事にしていることは「全て楽しむこと!」物事は考え方ひとつで全く変わってしまうので、辛いことを楽しむことができるように考え面倒なこと、大変なことから先にすることが大事だと考えているそうだ。今後は下町に現在の業態で多店舗出店し下町のソウルフードとして多くの方に楽しんでいただける場所を提供し、市場規模の莫大な海外出店も視野に入れた展開を行っていくそうだ。これから始められる人には「(飲食業は)辛いよ!だけど楽しいよ!」と熱いエールを贈る。

かっぱの宿

変わらないこと

山根 直之 氏

和食
1950年創業

現在お店を切り盛りしているは3代目の直之氏。創業は1950年。開店当初は居酒屋からスタートしたのだそうだ。看板メニューの“牛肉煮込み”が大変な人気で仕込みが追いつかなくなり他のメニューを少しずつ減らしていき2代目が引き継ぐ頃には現在の形態である“煮込み専門”となっていたのだとか。3代目直之氏はいつもお店を手伝っていたが高校卒業時に家業を継ぐことを決意する、ただ外の世界も知らなければならないと、5年ほどで勤めに出て修業を積んだ後、2代目である父親の体調も考え家業を引き継ぐことになった。経営で一番大事にしているのは“変わらないこと”と語る。味はもちろんのこと、食材なども極力変えずに同じ味に仕上がるように神経を使う、素材は生き物だけに個体によっては変化が当然起きる特に個体差の大きい牛肉は国産のものだけを1頭買いで仕入れ捌き方から熟練の技術を駆使して微調整しながら一定の味に保っている。また改装をしたときも以前からの常連さんの為に、ほとんど見た目に変わらないように改装したほどの徹底ぶりだ。おかげさまで、50年通い続けてくれるお客様や30年ぶりに懐かしんで再来店してくれるお客様などに変わらず愛され続けている。2代目曰く「最高時は1日500人ほどのお客様が来てくれた日もあり、その時は1俵のお米を炊いた。」と語る。これから始められる方には「コンビニに行けば美味しいものが、いつでもどこでも買える厳しい時代、専門性こだわりを持って臨んで欲しい。」と老舗だからこその温かいエールを贈りつつ、今後も“変わらないもの”を守り続けていく。

ウミネコカレー

目の前のことを精一杯やってきた結果

古里 修 氏

カレー
2014年開業

 音楽活動のために上京し食べるために飲食店で勤め始めた。最初は日本料理店、そしてカレー店など働き始めて10年程が経った頃、とてもお世話になった恩師が過労の為、急逝してしまったことが自身でカレー店を営むきっかけの一つになったそうだ。数年間、勤めつつ出張カレーなどを行いながら物件を探し続け、更に理想とする味を求めインド、スリランカ、ネパール、タイなどに渡って探求し準備を続け遂にOPENを迎えることとなった。目指したのは、自分自身が悩んだ時にカレー店に行って元気にしてもらった経験が原風景となり、自分がしてもらったように“来てくださったお客様が元気になって明日も頑張ろうという気持ちで帰っていただけるようなお店”だ。はじめた頃から年配の方々が通ってくれて更に感謝の言葉をくれるその人達に少しでも身体に良いモノを提供したいとの思いが強くなり安心安全それでいて美味しい現在の無添加カレーとなったそうだ。現在も忙しい業務の合間を縫って一度行ってみたかったポルトガルに渡るなど探求の精神を忘れず、より良いカレーを目指して進化を続けている。継続してこられた秘訣は?の問いに「目の前のことを精一杯やってきた結果です。」とあくまでも謙虚に身の丈に合った取り組みをコツコツと自然の流れの中で変化させてきたそうだ。経営者として大事にしていることは“間違ったことをせず正しいことを行い続ければ自分の進む道に悔いはない!”という思いで音楽活動と共に日々自然の流れの中でコツコツと研鑽を続ける。これから始められる方には「好きでないと続けられない仕事なので強い芯を持って始めて欲しい。」と温かなエールを贈る。

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