東京都の先輩経営者からのメッセージ
手作りの安心で健康的なおいしさを家族(お客様)に感じてもらいたい!
上村 信一郎 氏
洋食1999年開業
1999年上村氏は35歳の時、武蔵小山に「がぶ」を開業した。家は母親が美容院を経営し父親はカイロプラクティックを経営しており、
小さい頃は自分で食事をよく作って食べていたという。飲食の道に進んだのは、17歳のころ喫茶店のウェイターからはじめ、以降いくつかの飲食店で働きながら独立開業に向けて準備をしてきたという。
今の場所で開業を決めた理由は、店舗が小規模で賃料条件も手ごろであり、地元も近く土地勘があったため、夫婦2人で運営するには良いのではと考えたからだという。
がぶの名物『がぶ丼』は、オーストラリア産の牛もも肉ステーキを塩と秘伝のしょうゆだれで味付け、どんぶりご飯の上にスライスしたステーキ肉がはみ出すくらいに盛られた丼である。当初はサービスメニューとして考えていたが、常連のお客様からの要望が非常に多く、また味や見た目のインパクトから口コミで評判となったこともあり、名物メニューとなったのだという。
「赤身肉なので、脂がしつこすぎずに食べられ、塩胡椒と化学調味料を使わず自家製の醤油だれで美味しく食べて頂けるように考えています。」「人の手でつくった安心で健康的な商品をお客様にも食べて頂きたい。」と上村氏はこだわりを語る。
名物の『がぶ丼』がメディアにも取り上げられるようになり、評判となって今では他のメニューも数種類あるが,8割~9割のお客様は『がぶ丼』を注文されるという。
「ただ調理したものを提供するだけではなく、+αの想いを伝えられたら良いと思っています。」「自分が食べたい物を自分の子供たちや家族(お客様)に食べてもらいたい。」「普段食べている家庭料理よりちょっと上質な日常食を楽しんでもらいたい。そう思っています。」
1度しかないその時の食事を、楽しみに来てくれるお客様のために、毎回が真剣勝負だという。今後も原点の想いを忘れずに、食事ともに心もいっぱいになる店をつくって行きたいとのことだ。
本場讃岐のうどんの美味しさを伝えたい
中村 誠一 氏
うどん2014年開業
中村氏が飲食店開業を志したのは、もともと父親が飲食店を経営していたということもあり自然と飲食の道に進み独立も考えたのだという。開業するまでは、都内のうどん店や居酒屋での仕事で経験を積みうどんの本場香川県でも修業を積んだ。讃岐うどんの店を開業したいと思ったきっかけは、都内の飲食店で働いていた当時の職場の上司に、本場の讃岐うどんの美味しさを聞き、会社の休みを利用して香川に食べに行った際に、いりこの出汁の美味しさや本場の手打ちうどんの美味しさに衝撃をうけたのがきっかけだったという。
「やるなら手打ちの本格讃岐うどんにしよう。そうその時に決めました。」「すぐ次の年に修業先を探しに出かけました。何軒か店を回りながら『ここで働かせて下さい。』とお願いしたりしました。お店の人はびっくりしていましたけどね(笑)」と中村氏は当時を振り返る。
なかなかすぐに受け入れてくれる修業先は見つからなかったようだが、あきらめずに次の年には都内から香川に住む場所を移し、修業を開始したのだという。その後約6年間うどんの本場香川でお店を回りながら手打ちうどんの修行を積んだ。
その後東京に戻り2014年『本格讃岐手打ちうどん なかむら家』を開業した。「本場の讃岐うどんの美味しさをお客様には感じて頂きたい。そのために材料は本場と同じものを取り寄せています。」「香川の製粉所から取り寄せた粉は、ブレンドの仕方や粉の引き方が関東で仕入れる材料と違うため、どうしても香川から取り寄せて使わないと味が変わってしまうんです。」「そのほか出汁に使ういりこは瀬戸内海の伊吹島産を使い、かまぼこやちくわ、たこ天なども香川の老舗蒲鉾店から取り寄せて、本場の味を楽しんで頂けるようにしています。」と中村氏はこだわりを語る。
開業したばかりだが、手打ちで提供される本場香川のうどんの味に、常連客も徐々についてくれているという。まずは地域のお客様に、「本場の讃岐うどんの美味しさ」をもっと知って頂けるように、毎日一歩づつ進んでいきたいとのことだ。
ハンバーガーひとすじ!
黒川 貴史 氏
ハンバーガー2005年開業
調理学校を卒業後、飲食店で4年ほど働いた後は、販売や営業などの仕事をしていたという黒川氏。将来的に続けていける仕事を考え始めた時、飲食店での独立を決意したという。当時グルメバーガーの店が出来始め、流行の兆しを見せていたころ、流れに乗るには今のタイミングしかないと考え、2005年30歳の時にハンバーガー専門店『FELLOWS』を駒沢大学に開業したという。「開業資金が限られていたので、物件も駅から離れた場所で、7坪のスケルトン物件を借りました。水周りやコンクリート部分以外は、カウンターや内装全般全て一人で約2ヶ月くらいかけて作りました。」「ハンバーガーはバンズを作ってくれるところを飛び込みで探したり、パティに使う牛肉の種類や部位を試行錯誤しながら試作試食を繰り返してました。」そう黒川氏は振り返る。
FELLOWSのハンバーガーは、オーストラリアの農場で育った牛肉の肩肉のみを使用。ブロック肉をさばき店舗で挽いて使用している。バンズは全粒粉のオリジナルバンズを仕入れ、ベーコンは1週間かけて仕込み燻製を店舗で行なっている。ソース類も安全なものを提供したいと自家製しているという。また炭火を使って焼く工程で、余分な脂を落とし香り良く焦げも美味しいハンバーガーを提供しているのも特徴だ。開業当初は、集客に苦労したと言うが口コミで評判が広がり徐々にお客様を増やす事が出来たという。2011年に建物の建て替えによって表参道に移転後も変わらず来て頂けるお客様も多いという。
「移転して、地域がら観光客の方も多くいらっしゃるようになりました。以前と比べ店も広くなったこともありますが、もう少しお客様との距離を近くしてコミュニケーションを取るのが今の課題です。」「やはりお客様の反応を直接感じれることがやりがいです。食べた瞬間『ウマッ!』という声を聞いたりすると本当に嬉しいですね。」そう黒川氏は語る。今後もハンバーガーひとすじに安心・安全に食べて頂けるような商品を提供していきたいという。
日本を元気に!
相方 芳彦 氏
うどん2013年開業
相方氏は、飲食店をはじめる以前は、経営者として約15年間リサイクル業で会社経営をしてきたという。飲食店をはじめるきっかけは、本業以外のもう一つの柱としての事業を考えた時に飲食店を開業しようと決意したという。
「開業前には焼肉業態の店舗なども検討しましたが、食を扱う仕事でお客様の命を預かる以上、より安全で未経験からでも事業に参入しやすい業態と考えうどん業態を選びました。」「全く飲食は未経験でしたので、うどんの打ち方を教えてくれる学校に習い、その後うどんの本場香川県で約2週間修業をして準備をしました。」その後物件を自宅からアクセスの良い今の場所を見つけ、初開業でも落ち着いて店づくりが出来そうな場所という理由から、2013年新中野に讃岐うどんの店『花は咲く』を開店したという。
こだわりのうどんは、4種類の国産小麦を独自配合でブレンドし、お餅のようなもっちりとした食感と喉越しの良さを出しているのが特徴だ。出汁はいりこを中心に5種類の素材を2日間かけて引いて提供しているという。すべてお客様に「体に良い食材」を食べて頂くため厳選している。「理想のうどんの食感を出すために、商品開発にはこだわりました。安定して作れるように全て分量を数値化したり、温度や湿度なども計算しています。」「それでもやはり毎日毎日微修正が必要になります。そこが難しい所です。」その日に打ったうどんに納得がいかなかったら、その日は店を閉める事もあるという。
「お客様が来た時よりも、帰える時に元気になっていて欲しい。最高のうどんを出せて、最高のサービスが出来る店を常に考えています。」そう相方氏は語る。目の前でお客様の笑顔を見て仕事が出来るのがやりがいだという。「大きなことを言うと思われるかもしれませんが、お店を通して日本を元気にしたい。そう本気で思っています。」今後も一品一品心を込めてより良い商品・より良いサービスをお客様に提供していきたいとのことだ。
北海道札幌のソウルフードスープカレーの美味しさを伝えたい!
西井 里佳 氏
スープカレー2014年開業
スープカレー発祥の地と言われる北海道、札幌出身の西井氏はスープカレーは常に身近にある食べ物だったという。将来的に自分自身で何か事業をしていきたいと漠然と考えていた西井氏が、飲食店をはじめるきっかけとなったのは、東京で仕事をしていた時にラーメン店で働いていた、同じ北海道出身の現在のシェフと知り合った事がきっかけだという。
「自分自身北海道出身で、スープカレーは身近にある食べ物でした。もっと東京でもスープカレーの良さを知ってもらい、楽しんでくれる人が増えたらいいなと考え、今のシェフと相談し開業を決意しました。」開業までは西井氏が物件や内装の手配を行ない、シェフが商品を開発すると開業までの役割分担し進めたという。「実は物件を決めてから商品開発に取り組んだので、物件契約から2~3か月は店を開けずに内装工事と商品の試作を繰り返していました。」「スープカレーを作る技術はお互いに全くありませんでしたので、地元の知り合い聞いたり試食を繰り返し今の形に決めるまでには、時間がかかりました。」そう西井氏は振り返る。
ポニピリカのスープカレーの特徴は、トマト・和風・エビの3種類のスープを好みで選ぶことが出来るという点だ。ベースとなるスープは化学調味料を一切使わず、豚骨・鶏ガラ・たっぷりの野菜で12時間以上かけて仕込むという。もともとラーメン店で働いていたシェフが、ラーメンのスープのとり方を基本とし独自に調理法や提供法を考えたという。スパイスは下北沢のスパイス専門店から15種類の有機スパイスを仕入れ独自配合し使用している。またスープカレー以外にも、北海道の猟師さんから仕入れたエゾシカのサラミなど北海道らしい食材も取り入れている。
開業まもなくメディアにも取り上げられ、スープカレーファンの間で評判が広がり多くのお客様にご来店頂く事が出来ているという。今後はスタッフを育てて行きながら、2店舗目3店舗目の出店を見据えて行きたいとのことだ。