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飲食店先輩経営者からのメッセージ

すでに飲食店経営者として活躍されている先輩経営者から後輩経営者に向けてのメッセージです。
これから共に飲食業界を引っ張っていく後輩経営者へたくさんのメッセージが寄せられています。

大阪の先輩経営者からのメッセージ

粋なおつまみとお酒 にこ

足元を見て行動する。

東村 奈緒美 氏

居酒屋
2009年開業

いずれ独立する考えで和食の道に入った。10年修業した後、開業を決意した。物件は決まったが、当初考えていた業態が“立ち飲み”。そもそも当時主流とされていた「飲食店は顧客ターゲットの絞り込みを行わなければ成功できない。」という風潮に対して時代に合わないのではないか、と懐疑的な部分があったこともあり、出店立地を考えた時、地域の特性が“立ち飲み”には合わないと判断し、業態を修正した。お店の形を考慮して店舗設計を自ら行い、地域に合った、地域に根差すお店作りを目指したそうだ。事業計画も最低予測で立案し堅実に経営を行い2年目以降の出店を視野に入れていたとのこと、人が増えると本当に自分がやりたいことがやれているのか悩むことはあったが順調な船出だったそうだ。業態の考え方の中心に“日本酒を少ポーションで楽しめるお店”として当時焼酎ブームが続く中、ずっと気になっていた日本酒はどこに行っても1合単位、この仕組みを変え少しの量でも飲めるお店があるとお客様にとって嬉しいのではないかとの考え方だった。経営者として一番大事にしていることは「足元を見て行動すること!」で新たなチャレンジに対しては期日を設けて間に合わなければ即あきらめるそうで、常に自分を律している。継続してこられた秘訣は?の問いに「数字を見失わなかったこと!」と語り、どんなに忙しくても自分で帳簿をつけ、それを会計士さんに診てもらう姿勢を続けてきたそうだ。これから始められる方には「継続を目標にした計画を立てて開業して欲しい。」とエールを贈る。今後も足元を見失わず、現在の店舗を目標数値にすることを当面の目標として日々現場に立ち続ける。

大阪まんぷく堂

「ここで生きるしかない!」という強い気持ちと「自分の作る料理を食べてもらいたい!」という純粋な気持ち・・・

芦田 哲夫 氏

和食
2003年開業

 20歳位の頃、これからの人生を考えた時に、ごく一般的な道筋で生きることに価値を見出せず、大学の友人と共に飲食店を開業した。お弁当屋さんの居抜き物件だったこともあり昼間は弁当屋、夜は立ち飲み的なバーという一風変わった業態だったそうだ。ただ2人とも若く、知識が浅く“安く売れば買ってもらえるはず”という安易な考えでいたため上手く行かず約1年程で閉店を余儀なくされた。ただ、この時、料理を作る楽しさに目覚め調理人として勤め始めた。数軒の居酒屋で修業を積み、さらに当時勢いのあった大手外食チェーンに移り数多くの“店舗立上げ”に関わり研鑽を積み重ねる。その後2003年に現在の地に再出発店となる「大阪まんぷく堂」を開業した。自己資金が乏しく内装の一部は自分達の手作りで開店の直前までかかってしまうという波乱のスタートとなった。OPEN当初は原価率を比較的低く抑えることができる中華料理メインの業態で商圏に合わせて「客単価が低く手作りで美味しいお店」をテーマに18時~27時まで営業するお店とした。運転資金ゼロという、いきなり崖っぷちからのスタートだったが店づくりをしている時から近隣の住民の方とコミュニケーションをとっていたことが功を奏して開店日から順調に客足が伸びたそうだ。深夜帯の営業を行っていた為多くの同業他店の方が来店してくれて様々な情報交換が出来たことも継続してこられた要因の一つと語る。現在はワインや日本酒を楽しんでいただきたくて和食業態(月替り、野菜と魚のコース料を提供するお店)で進化を遂げ、ミシュランガイドのビブグルマン掲載店となった。15年以上継続してこられた秘訣は?の問いに「ここで生きるしかない!」という強い気持ちと「自分の作る料理を食べてもらいたい!」という純粋な気持ちを持ち続けたことと語る。今後は“経営”に力を注ぎ後輩を育て自身は新たなチャレンジを模索しいくそうだ。これから始められる方には「作ること(メーカー)と売ること(販売店)を同時に行わなければならないのが飲食店の定めで大変な事ですが逆にお客様の反応を直に感じられるやりがいのある業種なので覚悟を決めて臨んで欲しい!」と経験を踏まえた温かなエールを贈る。

ピッツェリア オッジ     PIZZERIA Oggi

自分のお店と思って働いてくれるスタッフがいてくれたから・・・

甲斐 寛秀 氏

イタリアン
2013年開業

元々、姉妹と共に取締役としてダイニングカフェを運営していた経験を持ち、そこから独立し新たな店舗を経営者として2013年に立ち上げた。業態は、当時、流行り始めた“釜焼きPIZZA”のお店で地域では先駆けとなった。店名の“Oggi(オッジ)”とは「今日」という意味のイタリア語で、スタッフにとっては「今日一日を大切に過ごして欲しい」、お客様にとっては「今日一日を楽しく素敵な一日にして欲しい」との思いが込められているそうだ。開業時に苦労したことは、OPEN直後の混乱を避けるために意図的にサイレントオープンとし徐々に慣れていく方針だったが、予想以上に客足が遅く半年ほど集客に苦戦を強いられたそうだ。その間は友人、知人達に支えられたと語り感謝を忘れない。看板メニューは、独自のブレンドにこだわった女性に大人気のモッチリ生地が特徴の本格的釜焼きPIZZA(特にマルゲリータ)とのこと。廃業率の高い業界の中で継続してこられた秘訣は?の問いに“自分のお店と思って働いてくれるスタッフがいてくれたから・・・”。経営理念は、「スタッフの心・体・物の充実を目指し今日も一日お客様に喜んでいただけることを考えて営業します!」で従業員満足がなければ顧客の満足なしとの方針で経営しているとのこと。現在イタリアン業態で2店舗を運営しているが、今後は地域に求められる新たな業態への挑戦を模索していくそうだ。これから飲食店を始めたいと考えている方には「(厳しい業界なので)中途半端な気持ちであれば始めないことも考えられた方が良いのではないでしょうか。」とご自身の経験を踏まえた温かなメッセージを贈る。

Felice café & PIZZA

飲食店で地元に貢献し恩返しをしたい。

寺前 洋喜 氏

洋食
2013年開業

 元々、飲食店を経営したいと考えていた。イタリア料理店で勤めていた時に今でも尊敬してやまない社長はじめ経営陣の方々から本当にたくさんのことを教わった。ある時、その会社で地元の一大イベントに物販店舗として出店した際“食”で地域に貢献することができるかもしれないとの実感を得たことと、尊敬する上司の独立開業を機に、より深く、しっかりと人生を考えた結果、“飲食店を出店することで地元の、良き街づくりへの貢献や活性化に繋げ、恩返しをしたい!”との強い気持ちで、やるなら30代前半の今しかない!と開業を決意した。お店作りで大切にしたのは、まず「家族で食卓を囲み時間を共有する大事さを認識してもらえるお店」。2つ目は「非日常の幸せを感じていただくと共に毎日の暮らしの中にある幸せに気づいてもらえるお店」。3つ目は「本格的ナポリピッツアを地元の人に親しんでもらえるお店」とした。開業時に想定外だったことは本格的ピッツアよりも大手ナショナルチェーンの宅配ピザに慣れていたお客様が焼きたてを店内で食べるよりもお持ち帰りされる方が多いことに驚き、ナポリピッツアの知名度がこんなにも低いということに初めて気づかされた。また内装に関して図面上で構想したものと実際に出来上がったものとのイメージの違いや、オペレーション導線づくりの難しさを実感した。また近隣の幼稚園や小学校生のために作った座敷席よりもテーブル席需要が意外に高かったりと実践してみて初めて分かることも多かったそうだ。継続してこられた秘訣は地域の人達、家族、家族の友人知人、友人達に支えられてきたからこそ今があり、一人では決してやってこられなかったと振り返る。経営者として大事にしていることはスタッフを含めた「人」に尽きる。今後はOPENキッチンでピッツアを焼くところを見てもらえ、よりお客様とコミュニケーションが取れる1フロアーのお店を作りたいと意欲的だ。これから始められる方には「事業を始めるのは大変なこと!だからこそ相当な覚悟が必要です。心が折れそうな時に創業の思いを大事にして初心を忘れずにいて欲しいということと、企業は存続することが使命なので諦めずにピンチをチャンスとする方法を探し続けて欲しい。」とエールを贈る。

株式会社Bravery

信じて、そして感謝を忘れない・・・

しらの あや 氏

居酒屋
2010年開業

  元々30歳までに飲食店経営で独立したいと考え、20歳から色々な飲食店でアルバイトを始めた。23歳の時、後に師と仰ぐことになる尊敬できる経営者と出逢い、その方の元で働き始め店長や統括責任者、人材教育、新店舗プロデュースなど様々な役割を与えてもらい貴重な経験を積んでいった。またその会社で独立に向けた開業資金を財形貯蓄の形で貯めることを提案してもらい着実に準備していった。6年ほど勤めた時にチャンスが訪れる。以前、店長を務めたことがある、もつ鍋業態のお店を閉店する機会に、その店を引き継がせてもらい経営者として独立を決意。女性の飲食店経営は色々な人達から偏見の目で見られるという理由で親からも反対される中、押し切る形で独立を果した。お店のコンセプトは当時起きた野菜ブームにのりスタッフ全員が女性の野菜鍋と野菜料理を中心としたもつ鍋店で女性をターゲットとし“内側から綺麗に!”をテーマとした女性のための女性が喜ぶお店とした。新装開店の際に苦労したことは家主との間で業態・店名の調整が難航したことと、雇用していた店長と価値観を共有するのに時間がかかったと語る。ただ経営は、以前のお客様をそのまま引き継げたことと、お店のコンセプトが時代をとらえ、メディアにも紹介されるなど新規客も獲得することが出来たのでスムーズに軌道に乗せることが出来たそうだ。現在は立地を移し業態の違う、もつ鍋、爆裂トマト鍋、串カツ、骨付き唐揚げが看板メニューの居酒屋経営に転換し順調に売り上げを伸ばしているとのこと。継続してこられた秘訣は?の問いに「スタッフを信じ自分の感性を信じ師匠の教えを信じて、いつも感謝の気持ちを忘れずに来たからでは」と話す。その一つとして今だに来て下さった客様への、お礼状は欠かさず書いているそうだ。経営者として一番大事にしていることは“関わってくださる全ての人” で特にスタッフに対しては、お給料を渡す際には必ず一人一人に感謝の手紙を添えているそうだ。今後は人材を育て益々関わった全ての人に愛される店づくり、また飲食業界全体の地位向上の活動なども継続していくとのこと。これから始める方に「自分は経営者になって本当に良かったと思うのでやりたいと思ったのであれば是非やって欲しい!ただし常に努力を怠らないことと、どんなことがあっても、一人になっても、やり続ける覚悟が出来ないのであれば無理はしない方が良いと思う。」とエールを贈る。

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