北海道の先輩経営者からのメッセージ
親切実意
山本 英樹 氏
居酒屋、焼とり平成22年開業
元々1200店舗を展開する東京の外食企業に2010年2月まで勤務。取り組みに対して自由度の高い社風のもと、現場から始め最終的には居酒屋業態15店舗のマネジメントを任される程の経験を積んだ。友人の紹介もあり良い物件との出会いから独立を決意し、帰郷。平成22年に“焼鳥倶楽部ふとっぱらや”を開いた。お店のコンセプトは店名のイメージ通り“商品価格・サービス”に対して、大胆で型破りなスタイルを目指し、お客様のコストに対するパフォーマンスを上げることで“バリュー”を感じていただけるお店作りで他店との差別化を図ってきたそうだ。開業当初は東京の最先端のメニュー構成としたところ、味の嗜好が全く違う土地柄に戸惑う場面もあったが、徹底したお客様への聞き込みを行い味を改良し、地域に合った新メニューを出し続けたそうだ。繁盛継続の秘訣は、20年後継続できる店を目指し、そのために今何をやるべきかを問い続け実行すること。経営理念は「親切実意」で2度とないその日を精一杯のおもてなしでお客様をお迎えすることだそうだ。これから飲食店を始められる方へは“笑顔を大切にして、誰もやらない事を目指して欲しい”とエールを贈る、今後は多店舗化も視野に入れ、食を通じて地域の活性化や、食の安心安全への取り組みにも積極的に参加し、20年後の36街の発展にも貢献していく。
関わってくれた人との縁を大切にすること
柳田 悟 氏
そば平成2年8月開業
高校卒業後「調理」と「インテリア」のいずれかの道に悩む。東京で専門学校を卒業後インテリアデザイン業界で勤務し、23歳の時に家族が経営していた「土木会社」を手伝うため札幌に戻ることになった。32歳の時にもう一度「調理」の道を考え調理学校に入学し、先生の推薦により某そば名店での修業を始める。出会いに恵まれ全ての仕事を習得する機会をあたえれる傍ら「高級そば店」として名の通っている修業先の技術を駆使し、自分は「大衆に喜ばれる そば店」をやりたいと3年の修業を経て開業する。間もなく軌道に乗ったが苦難は何度となく訪れた。社員食堂のように来店していた大企業の事務所が移転した途端、売上は深刻な状況になった。すぐに近隣病院の出前で持ち直すが、その病院も閉院すると、またも深刻な事態になる。さらにワンコインランチの競合出店や景気の変動、何度となく苦難に苛まれるが「与えられた食材をいかに自分の技術で旨いそばをつくるか」「しっかりやりさえすれば上手く行く」と信じ、どんな時も仕事を楽しんでいたそうだ。その頃「チラシ制作の広告」が目にとまり、フリーペーパーへ折り込むことで徐々に売上も戻り開業から26年を迎える。「人との縁を大切にすることで続けてこられた」「これからも仕事を楽しみながら体が動く限り続けていきたい」と、やわらかい笑顔で語る。
情熱を持って、なぜ自分が飲食店をやるか?!の追求
黒木 一哉 氏
そば平成19年開業
元々歯科技工士として活躍するも不慮の事故により怪我を負い歯科技工士を続けられない状況となり、自分の将来を考えた時にそばが好きだから、そば屋をやろうと決意した。資金作りの為飲食店関連会社に勤め、そば屋にも出入りし見て学びながら3年と決めた期間に資金を貯めた。2年間、店に立つが元々料理好きではあったものの、家での料理と商売の料理の差が大きい事と看板メニューの開発に苦しんだそうだ。他社と同じ事をやっても差別化はできないと考え試行錯誤の末“ザンギそば”を開発。提供方法もザンギを別盛りにする事でサクサク感も楽しめ、そばに入れて、かしわそば風に食べる事もできる看板メニューとして育てあげた。継続の理由として自分が思う商品レベルが95点以下の物は提供しないと決め、妥協しない姿勢を貫き通し確実に常連客を作っている。現在は10店舗以上を展開し本当の幌加内そばの美味しさを伝えている。今後は幌加内そばへの情熱をもっているパートナーを見つけさらなる店舗展開をしていく方針だそうだ。なぜ自分が飲食店をやるか!?やったらどうなるか!?の明確な答えをどこまでも追求し続ける。
先代の良さ活かし、新しい風を起こす
佐藤 直樹 氏
焼肉平成19年開業
創業23年の老舗焼肉店を平成18年に引き継ぎ社長就任。先代が大事にしていた事は残しつつも自らの思いを形にしている。就任時は正直売上は芳しくなく回復に自ら先頭に立ちキャンペーンやPOP作成も行い客数・売上の増加を成し遂げる。常に自店や業界を客観視しており、ただの良い肉を並べても差別化は計れない事からオリジナル商品である“さとうの牛たん”を販売。当時、焼肉は赤みが良く、霜降りなどが良しとされていたが“さとうの牛たん”は漬け込みを行う為色味は正直良くない。否定的な意見もあったが味は格別な為現在では必ず注文される看板メニューに育った。継続の秘訣は“無理はしない”ことで、無理はトラブルしか生まない為、店舗オペレーションにも反映させ従業員同士のコンビネーションが良くなり結果お客様の事をしっかり見れる接客ができており離職率も低い。今後は足場固めを目標に改めて人財育成に力を入れていく考えだそうだ。常に次も来店したくなる仕掛けを行い、お客様を飽きさせない店作りに励んでいる。
自分本位ではなくお客様本位
田嶋 悠介 氏
居酒屋、焼とり平成24年開業
元々、娯楽施設の運営会社に12年間勤務し、接客を通じて人を喜ばせるのが自分の性に合っている事に気づいた。お客様との距離が一番近く、ダイレクトな反応をいただけることにやりがいを感じて飲食業での起業を決意した。焼鳥店を選んだのは商圏を調べた時、近隣には老舗は多いが焼鳥店があまりなく、深夜に食事ができるお店が少ないことに気づき、若い方のデートや、女性同士でこられるお店作りを目指した。凝り性な性格から食材にもこだわり、“冷凍物は一切使わない”“たれ調味料に至るまで一から手作り”“旭川近隣の食材”を貫いている。継続の秘訣は“自分本位ではなくお客様本位”を常に意識し、主義主張ではなくお客様のニーズのキャッチに集中したことだそうだ。当初は人脈の無い地域での出店ということもあり人事採用には苦労をしたが、今後は地域連携を軸にフットワーク軽く足を使った出逢いを求め地域に貢献し人材との出会いで更なる多店舗化も視野に入れている。これから始められるかに対しては“利己的でなければ成り立つ商売なので真面目に取り組めば魅力あるビジネスなので挑戦して欲しい!”とエールを贈る。