北海道の先輩経営者からのメッセージ
・・・プラスαの人柄、プラスαの空間
片岡 靖之 氏
和食平成17年開業
大阪の調理師専門学校を卒業後、6年間日本料理店で修業に入る。故郷旭川に戻り3年程勤めていた時に、勤め人としての限界を感じ“自らがお客様に食べていただきたい料理を提供したい”との思いが高じて、開業を決意する。満を持して構えたお店は生け花、掛け軸などの設えを重視した非日常の空間で季節に合った旬の素材をコース料理で提供するお店だ。開業当初は経営初心者で価格設定、スタッフとのコミュニケーション、雰囲気作り、集客など料理以外で常に考えさせられることばかりだったと当時を振り返る。継続してこられた要因は料理だけではないプラスαの人柄やプラスαの空間などにおいて満足していただきたいとの思いを評価していただいた結果ではないかと分析する。経営面で大切にしているのは料理、数字は勿論のことだが来店されるお客様の満足を何よりも重要視し、今後も堅実に現在のお店を守り続ける。これからは始められる方に対しては、「やりたいのであれば是非始めていただきたい!やらないよりやった方がいい!苦労もありますが夢・目標に向かっていくには自分の箱を持ちチャレンジして欲しい。」とエールを贈る。
「 「ちょっといい店」を目指して継続し続ける!
秋山 和也 氏
居酒屋平成26年開業
飲食業を営む家系に生まれ、札幌や旭川などで足かけ10年程修業を積み、行く行くは経営者として引き継ぐ事を前提としたお店で3年半ほど勤めながら経営を学んだ。お店のコンセプトは、年配の方も気軽に訪れるカウンターメインで美味しい料理、お酒と会話を楽しめる和食居酒屋だ。経営者になりたての頃は、雇われの守られている環境とは違い、責任とプレッシャーから大きな精神的負荷がかかっていたそうだが、「崖っぷち」と腹をくくり、家族を支える為に働いた。経営で一番大事にしているのは「意欲と気力」。そして、修業してきた技術を活かし「昔ながらの日常的にある当たり前の料理を最大限美味しく食べていただく」ことを大事に考えているそうだ。継続してこられた理由としては、カウンター商売なので、普段から時事ニュースなどの情報を積極的に吸収し、トーク術を磨いてきたことで、お客様が会話も楽しんでくれているのではないかと語る。これから始められる方には、向上心を持ちながら「いい意味で適当にやる!」ことが大事とエールを贈る。今後は、一度きりの人生をバランスよく、健康・家族を大切にしながら「ちょっといい店」を目指して継続していく。
目配り、気配り、お客様とのコミュニケーションは、すぐに出来る店内セールス
岸井 二郎 氏
居酒屋、焼とり1999年11月25日開業
札幌パークホテルに23年勤務。同ホテルを退社した先輩が経営する焼鳥店に遊びに行っていた際、焼鳥店経営を勧められ、一大決意。
先輩の焼鳥店で10か月間修行しながら開店立地を調査。人の流れをリサーチし、周囲からは創生川東という悪条件の立地ということで反対が多かったが、飲食店も付近に2軒ほどしかなく、同業態店でもないため、現・店舗裏側の中小路で開店を決意(現在の場所は、開店7年目に移転)。当時まだまだ少なかった「美唄焼鳥」を目玉としてサラリーマンの方々が頻繁に来店していただける隠れ家的な店を目指した。商品の前に「人」が重要との考えから、メニューの変更や産地なども直接お客様と対話しながらアピールした。お客様の顔と会社などを覚え、同業種同士や同じ会社員同士のお客様の席を配慮することも。現在は、増築した2階フロアの増客で目標額達成を計画しつつ、目標達成後には次の店舗へのチャレンジも視野に入れている。
これから開業される方には“その時、勢いで開店するよりも、一歩留まってマーケットリサーチ(商圏調査)をすることが大事で、開業したらお客様がどうしたらリピーターになっていただけるのか、店内セールスを大事にすると良いと思う”とエールを贈る。
お客様に納得してもらう仕事
門脇 章氏 氏
うなぎ昭和34年開業
物心がついた小学生の時から父の仕事が楽しそうだと感じていたが年齢を重ねる毎に、一緒に仕事がしたいと強く思うようになった。高校卒業後、東京で修業に入り11年半にわたり腕を磨いた。その修業は決して楽なものではなかったが、改めて父の仕事に対しする尊敬の念が深まったこと、また人付き合いや人脈作りが出来た事が最大の収穫だと感じると共に、外の社会で経験を積ませてくれたことに、とても感謝しているそうだ。平成26年、父親の他界を期に2代目としてお店を経営し始めた。今は先代のものを引き継ぎ、昔から可愛がっていただいたお客様に納得してもらう仕事をすることに集中し、技術を磨く努力を続けている。値ごろ感を追求した「うなぎのみのコース料理」を含めた全てのうなぎが国産で賄われており多い時には60本以上を提供する人気ぶりだそうだ。経営理念は、“料理の質の維持継続”と“(身体・経営)無理をしない仕事”を重視している。今後もまだまだ未熟と謙虚に受け止め精進し続けていく。これから始められる方には、“開業当初、売上が少ない時期にどこまで辛抱できるか、その時期を乗り越えられるかが重要”と尊敬する父親から教わった教訓をエールとして贈る。
心と身体の健康が大事
秋山 浩章 氏
レストラン平成25年開業
元々ほとんどが飲食店を営んでいるという家系に生まれ、自然の流れの中で高校卒業と同時に料理を学ぶためごく親しい友人と共に東京に渡り、料理の修業に入った。尊敬できる経営者に出逢いパスタの技術と飲食店経営をしっかりと学ばせてもらった。絶えずお客様で賑わう本当に忙しいお店だったが、料理に対して何一つ手を抜かない経営姿勢の有名店だったため、存分に腕を磨くことが出来た。23歳の時に旭川に戻り準備を始め、平成25年に満を持して「ノイ・ルオーゴ」を開業した。色々な方の支援を受けながら、それまで旭川にはない本格的なパスタに特化した専門店だ。特にお肉が主役で肉〃しいボリュームたっぷりのオリジナルミートソースが自慢の一品だそうだ。店舗を継続できている要因としては、修業時代に培ったものが糧となり強く生きていることと、毎日同じようなことの繰り返しの中で、自分自身が嫌にならずにコツコツと打込んできた結果であり、何より仲間と共に運営するのが楽しかったそうだ。経営で大事にしていることは「メンタル面」と「身体の健康」で人間でいる以上心と身体の健康が大事と考えている。今後も本当のパスタの味を旭川に伝え続けることが使命と思い努力を続ける。これから始められる方には、「旭川は特に飲食店にキツイ地域であり、生半可な気持ちでは続けられない辛い仕事!と覚悟を持つこと」とエールを贈る。