北海道の先輩経営者からのメッセージ
来てくださるお客様のためにも、休まず営業することが大切
河治 庄三 氏
鉄板焼き平成26年開業
酒屋の2代目として飲食店と関わるうちに、飲食店のロゴやメニューなどを手掛ける広告業を始めた後、色々なご縁があり、家族と過ごす時間を大切にできる飲食店という道を選んだそうだ。
飲食業は未経験だったため、宇井先生の本なども読んで勉強し、初めの2,3カ月は友人に来てもらい、食べてもらってモニターとして意見をもらい、その後に繋げていった。ランチパスポートに掲載したことをきっかけに、来店されたお客様から「唐揚げが美味しい」という声を多くいただき、看板メニューとなり、お客様も一気に増えたそうだ。ランチのお客様が夜のお客様に繋がり、リピーターさんも増えた。また、ご近所の方が来てくださったり、会社の飲み会に使っていただくなど、お客様が増え、近隣には飲み屋さんがないので、2次会に移動せずに長居できるように、実は飲み放題も時間制限なくゆっくりしていただいているそうだ。
ヘビーユーザーが多くリピーターさんに支えられ、様々な仕事をしてきたけれど、飲食業を最後の仕事にしたいと語る。
経営者として大事にしていることは、とにかく休まないこと。いつでも来たらやっていることが大切だと思っている。
地域に根差して、お客様のリクエストにできるだけ応えてアットホームな雰囲気を大切に、今後もずっと続けていきたいと語る。
これから始める方にも、来てくれるお客様がいるのだから休まず、みんなが遊んでいる時が稼ぎ時なので我慢することも大切だと、エールを贈る。
お店の雰囲気や接客サービスを何よりも大切に
岡坂 一兵 氏
寿司屋平成6年開業
高校生の時に飲食店でアルバイトを3年経験し調理学校に進み、8年間旭川のお寿司屋さんで修業を積んだ後、アメリカのお寿司屋さんで1年勤めた。アメリカでは、レストランビジネスマネジメントの勉強をしながらお寿司を握り、アメリカの経営者の考え方を近くで学ぶことができ、それが今に生きているそうだ。
帰国後はご自分のお店を開店し、開店したらお客様はくるものだと思っていたが、初めの半年間は苦労したそうだ。「それがあるから今がある。最初から腹積もりが違う。奥さんと2人で同じ志でお客様のためにできることは何でもがんばろうという気持ち。」と語る。一人一人お客様を大事にしていたら、また来てくれるという気持ちを持ち続けているそうだ。
経営者としては、アメリカで学んできた数字の管理力が大切だと感じている。売り上げと家賃や人件費などかかる経費とのバランスなど、数字を管理して、間違えないようにすることが大切だと語る。
安くすればお客さんが来るのではなく、飲食店は雰囲気や接客サービスが一番大事だと、真心を込めたサービスを重視。箸袋には奥様が折った折り鶴を飾り、おもてなしの心が伝わってくるお店になっている。
これから始める方には、家族を大事にできない人はお客様も大事にできないと思っているので、家族を幸せにすることを根本にがんばってほしいと、エールを贈る。
地域に貢献して、様々な世代の人が集う場所にしたい
江口 美和 氏
カフェ平成28年開業
ウェディングプランナーとして10年経ち移転する際、銀座商店街の一角に皆さんが集う場所を作りたい、とカフェを併設してオープンしたそうだ。
いつもお一人で来店される82歳の常連のお客様は、コーヒーチケットを購入してくださり、スタッフとのおしゃべりを楽しまれたり、旭川の手作り作家さんの雑貨なども取り扱っているため、雑貨を楽しんでくださる若いお客様など、幅広い層の方が集まるカフェになっている。
こだわりのコーヒーは東川の「yoshinori coffee」というスペシャルティコーヒー。ランチは化学調味料を使わないすべて手作りの料理が、人気を呼んでいるそうだ。コンソメも市販品は一切使わずに、手間がかかり、量産もできないけれど、それを気に入ってくださった方に通っていただいている。ウェディングプランナーでありながら、調理師免許を持ち、飲食業も10年携わってきた経験が今に生きていると語る。
苦労したのは、スタッフがそろわなかったこと。だからこそ、人材・人脈を大切に、スタッフみんなでチームでアイディアを出し合って店を作り上げているそうだ。
これから始める方には、色々な手続きや設備などお金もかかり、不安になったりつい焦ってしまうけれど、焦らずに進めていってほしいとエールを贈る。今後はもっと地域に貢献して、商店街の活動にも積極的に参加し、色々なことができる可能性を秘めているカフェの認知度をもっとあげていきたいと語る。
お店を賑わいづくりの拠点にして、街を元気にしたい
代表取締役 今井 絵美 氏
カフェ平成27年創業
長年勤めたOLを退職してから、街づくりに関して半年学び、気持ちを動かされた今井さん。
人が集う街づくりを行いたい。と会社を立ち上げ、旭川の緑道沿いに様々な年代の方が集まる拠点にしたいとカフェをオープンした。健康志向の方にヘルシーな食事を提供したい、と季節の野菜をたっぷり使ったスープと手づくりのパンからスタートしたカフェ。開業時は勝手がわからず手探り状態で、準備に時間がかかってしまったり、手順がうまくつかめず、慣れるまではどっと疲れてしまう毎日だったそうだ。
「緑道は緑が多くて、街中なのに四季がはっきりわかる場所。その雰囲気を愛する方に来ていただき、ゆっくり過ごしていただきたい」と語る。また、「読書をしたりおしゃべりしたり、ゆっくり過ごしていただける場所にしたい。幅広い年代の方に、街中にももっと足を運んでほしい、その拠点になるお店にしたい」と。ボランティア団体の緑道ワークスの事務局としての役割も果たし、商店街の活性化のための活動にも力を入れる。今後の展望としては、緑道界隈を若い方達も集まる場所にしたいそうだ。「お店の2階に旭川大学の街中キャンパスがあるので、学生さんとコラボなどができると嬉しい。若い方にももっとこの界隈に足を運んでほしい」と語る。
これから始める方には、始める前に腹をくくり、自分で決めたからこそがんばるぞ!という思いが大切だとエールを贈る。
強いコンセプトと、人の力で差別化を図り、4店舗目を開業予定
喜多 一 氏
カフェ、バー、ビアホール平成2012年起業 2014年設立
「旭川に無いものを、面白いものを作りたい」と、日本最北端のメイドカフェを4年前に開業。全国的にメイドカフェは、料理にあまり力を入れていないところが多いが、料理も美味しく、ドリンクの種類も豊富で、コーヒーは、ご注文をいただいてから豆を挽いて淹れるなど全体的なクオリティーも高いものにしているそうだ。苦労したのは、スタッフさんの教育だそうだ。お客様のための理想の接客について、オーナーの喜多さんの接客イメージやコンセプトを伝えていくことに苦労した。研修を続けることで、現在はリピーターの方がとても多く、1回来店された方は3分の1の方がリピートされ、毎日来店される方や東京から毎週通っていただいている方もいらっしゃるのが特長だそうだ。居酒屋さんやバーでも、マスターの人柄でお客様が集まることも多いと思うので、それも武器であり、人が大事だと語る。
全国あちこちで食事をしたり飲食店を利用していると、旭川の飲食店のレベルの高さを感じるそうだ。全体的なレベルがちょっと高めで均一化されている部分があると感じるため、食事では差別化しづらく、好みになってしまう分、別の特色を出していくしかないと、「強いコンセプト」と「人」の2つで闘っていると語る。
4店舗目として夏季限定で営業したビアガーデンも、コンセプトを強く打ち出した。オリジナルの制服を自分でデザインし、店内の雰囲気や内装にこだわり、料金設定なども差別化を図り、好調だったことから夏季限定ではなく店舗をオープンさせる予定だそうだ。また、数々のイベントも手掛け、旭川を面白くしたいと、400人規模の街コンを開催し、飲食店を活性化させた。
今後の夢としては、2年以内に札幌か東京にお店を出したいと意気込みを語る。