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飲食店先輩経営者からのメッセージ

すでに飲食店経営者として活躍されている先輩経営者から後輩経営者に向けてのメッセージです。
これから共に飲食業界を引っ張っていく後輩経営者へたくさんのメッセージが寄せられています。

北海道の先輩経営者からのメッセージ

株式会社 WOODBELL 

お客様が気持ち良く帰っていくことを最優先に、人と人の繋がりを大切にした17年

代表取締役 鈴木哲也 氏

やきとり
平成12年開業

元々独立願望があったオーナーの鈴木さん。調理が好きだったことから有名店で心構えなどを修業した後、幅広い層の誰もが好きな「焼き鳥」をメインにしたお店を17年前にオープンさせた。当時は、郊外にはお店が少なく、お店をオープンさせることに慎重な大家さんが多かったこと、また、年齢も若かったこともあり、希望の物件を3,4店舗断られ、心が折れかけたそうだ。その後たまたま通りかかった居抜き物件を借りられることになり、無事にオープンしたものの、席数が少なくせっかく来店してくださったお客様が入れないことが多かったため7年で現在の広い店舗に移転。長く勤めてくれていたスタッフさんが、この味を広めたいと、のれんわけして2号店がオープンしたり、道の駅に3年間出店するなど市内での知名度もあがっていったそうだ。
ここまで17年続けられたのは、お客様が気持ち良く帰っていくことを最優先に考え、それをどう伝えていくかを常に考えながらやってきて、お客様に喜んでもらってこそ、お金は後からついてくると思ってやってきたことが大きかったと語る。スタッフさんは長く勤めてくれている人が多く、自分が態度で見せることで同じようにわかってくれているので、助かっている。またやらなければいけないことは手抜きせずにきっちりやる。ごまかさない。ということも大切にしているそうだ。
これから始められる方には、お店にもよるが夏と冬で売り上げが3割違うので、1年で考えてバランスを取っていくことが大切であることを頭に入れて、何よりも人が大切なのでお客様目線をどこまでつらぬけるかを大切にしてほしいとエールを贈る。

めいじ家 大舟

父の教えを引き継ぎ、お客様が喜んでくれることを何よりも大切に

代表 馬場 明治 氏

居酒屋
2012年開業

お父様が経営していた老舗の海鮮お座敷居酒屋を手伝っていた時に、お父様が病に倒れたことがきっかけで、本格的にお店に立つことになったオーナーの馬場さん。
旭山動物園人気で、老舗のお店は観光客の方でいっぱいとなり、昔から通ってくださっていた常連のお客様が入店できない状態が続いたため、地域のお客様のためにと、ビルのテナントで自分のお店をオープンさせたそうだ。
お店は先代の教えを引き継ぎ、新鮮な素材の良い物を仕入れて、一番美味しい状態で提供することを大切に、その日仕入れた旬のものを全席のメニュー表に毎日入れる徹底ぶりを続けている。お店を続けてこれた秘訣は、「儲けようと思ってやってはいけない。そのお客様が喜んでくれたら、また来てくれる。それを繰り返したら自分達も食べていけるだろう。」というお父様から教えられた精神を常に心得てきた、と語る。経営理念としては、先代が親しくしていた三浦綾子さんから直筆で書いていただいた「今日という日には誰もが素人だ」という言葉を大事にしていて、店内の目につくところに飾っている。誰もが素人だ、何十年やった人間も初めてやる気持ちを大切に、その姿勢を忘れない気持ちを先代から引き継いでいるそうだ。これから始められる方には、自分のカラーを上手にださないと生き残れないので、お客さまとのお付き合いも大切に、人間対人間であることを忘れず、美味しければ良いのではなく、お客様への気遣いを大事にしていってほしいと、エールを贈る。

株式会社 NPF・エスペリオ

生産者さんの思いを大切に、本物の北海道を伝えたい。

矢野 竜二郎  氏

レストラン
平成7年開業

18才からずっと横浜で外食産業に携わってきたオーナーの矢野さん。大手飲食チェーンでマニュアル化された調理をしていたが、ふと立ち止まって考えた時に、食に関わる人間としてグローバル路線で良いのか、ローカルのほうがまだ磨かれていない宝がたくさんあるのではないか、と思ったそうだ。
近所に北海道の農場からソーセージやベーコンを取り寄せているお店があり、北海道の工場見学をさせてもらったことがきっかけで、ご縁が重なり現在のレストランで店長として働くことに。
経営者としては、お客様の信用を裏切らないことを特に大切にしているそうだ。紹介のお客様も多いのでがっかりさせないように、また食材はできる限り質の良いものを選ぶことを意識している。肉のステーキは雄武町のアンガス牛を一頭買いし、エサの安全性にこだわり、輸入物の遺伝子組み換えのエサは使わない、ストレスのない生活をしている牛であることも重要視しているそうだ。
肉や野菜は、どんな人が飼っていて、どういう思いで作っているのか、東京にいた時には気づかなかったことを、現在はとても大切に思っている。今後の展開としては、従業員にも生産者さんの思いを感じてもらえるように、現地見学や研修などを行って感動してもらいたい。そして、それをお客様に伝えていけたら良いと考えている。だからこそ、今後の夢として、本物の北海道を輸出したい。という思いがあるそうだ。生産者の顔が見える分、一次産業の方々が安心して生産できる環境を作り、応援したいと語る。
 

カルダモン

自営業は自衛業。嫌になることはあっても嫌いにならない。

梅野 晶 氏

カレー
平成5年開業

大手ファーストフード店のグランドオープンから11年勤め、飲食業に興味を持ったオーナーの梅野さん。東京にいた大学時代からずっと食べ歩きが好きで、様々な味を知る食通だったことも生かし、子どもから大人までみんなが好きで、ファーストフードのようにすぐに提供できるカレーのお店をやりたいと、有名カレー店で3年近く修業し、25年前にカレー店を開業。
開業前は自分のお店のオリジナルの味を作るために、スパイスの配合を変え、何カ月も試行錯誤をして作りあげることに苦労したが、その甲斐あってたくさんのお客様が固定客となり、長年通ってくださっているそうだ。
オープン時は改装して始めたお店は思った通りにはならなかった点もあり、道路から店内が見えない構造だったのが気になっていたが、10周年を前に、大きな窓を増やすことで明るくて店内の様子が外から見えて、入りやすい雰囲気のお店に建て直したそうだ。
元々飲食業が好きで興味があった奥様と2人で作り上げたお店は、自分一人では難しく、レストランをやりたかった奥さまの協力があったからできたと、感謝の気持ちを語る。また、いつも心に留めているのは「自営業は自衛業。いやになる事はあっても嫌いにならない。」ということ。
これから始められる方には、忙しい日と暇な日の差が大きく、はじめは焦ってしまうけれど、手を打ちながら平均をとっていくことが大切で、簡単に始められるからこそ、辛抱することも大切だとエールを贈る。

そば処 庵奈

プレッシャーを感じすぎず、うまく肩の力を抜くこと

瀬尾 茂子 氏

そば
平成23年開業

両親が蕎麦屋をやっていたため、何十年も手伝ってきた後、両親の引退を機に独立。
そば粉屋さんの勧めで条件が良い物件を紹介され、「とにかくやってみないと何も始まらない」とチャレンジしたそうだ。「自分が大好きなおそばを食べていただきたい」という、その思いをとにかく大切にやってきた。
開業時は何が何だかわからない中、全部一人でどんどん進めていき、ものすごく波に乗っていると感じながら、毎日があっという間だったそうだ。
夏はぶっかけそばが人気で、色々な食材をトッピングして見た目も楽しめる、オリジナリティー溢れるメニューが好評。冬は温泉玉子をトッピングしたとろ玉カレーや、体が温まる鴨せいろは、ごま油でこげ目を付け、鴨の濃厚な出汁が出て美味しいと人気だそうだ。お客様が「美味しかった」と言って、また来てくれることが励みになって続けられている、と語る。
経営者としては、重圧を感じすぎてしまわないことを大切にしているそうだ。思いつめていた時に、お客様の一言で、ふっと心が軽くなり、どうせやるなら笑いながらやっていたほうがいいと気づかせてもらった。
これから始められる方には、計画的にやることはもちろん大切だけれど、経営にプレッシャーを感じすぎず、あまり周りに左右されすぎずに「自分が本当にいいな」と思うことをやっていってほしいと、エールを贈る。

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