北海道 道央の先輩経営者からのメッセージ
「ジンギスカン店を開くため羊飼いから始めた男の店」
中島 康晴 氏
ジンギスカン2005年開業
世界であらゆるモノを奪い合っている現代で、子供が夢を語り、未来を作れる社会を実現し、「いただきます」“全ての命”に感謝する言葉を使う世界唯一の国である日本の未来を創る為に、会社を営む。いつか飲食店をやりたいと考えて、試行錯誤を繰り返すうちに、ひつじ肉は、ほぼ大半を輸入に頼っている現実を知ると同時に、とても美味しい北海道産のひつじ肉に出逢った。仕入が叶わないのならば、自分達で生産しようと、2005年に、緬羊飼育事業を開始する。自分達の志は、必ずや、社会に良い影響を与えられると考え、幾度となく訪れる経営資源不足や、難題が起きても、ひつじ達の生き方から学んだ「支え愛」「励まし愛」を胸に、乗り越え、2012年2月、札幌ススキノに、様々な方々の深いご縁と、力強い支援で、唯一の北海道産ひつじ肉専門のジンギスカン店「いただきます。」をOPENした。経営理念は、“みんなで、自ら、創る、造る、作る、食べる、生きる、笑顔、幸せ”だ。愛し愛され必要とされる人財企業として、夢と創造力を発揮・大切にし、生産から販売の全てに安全安心を提供し、日本の自然を活かし、国際流通や輸入に頼らない生産に挑戦し、みんなが、参加できる社会企業を実現する!という5つのビジョンを掲げ、より多くの方に日本の食文化の素晴らしさ・大切さ・未来を伝え続ける。
「北海道にお好み焼きを伝えたい。」
二神 敏郎 氏
お好み焼き1967年開業
大阪商家に生まれ、戦争で焼き出された経験を持つ。北海道に移住し、昭和42年、北海道には「お好み焼き屋」がない!ここでやってみたい!と思い立っての創業だった。1店舗目は、3坪の店からのスタートだった。知識、知人、ノウハウ等、全てが何もない状態で、ただ純粋にやってみたいとの志だけだったと当時を振り返る。生活に追われる毎日の中で、初年度の売り上げは、年間40~50万円程度だった、食べる為に副業をしながらやってきた。今の人達が、足りないと思うのは「汗をかく事」ではないかと思う。情報・知識が先に来て、形にこだわり過ぎる傾向にあるが、実際に行動し、努力し、汗をかく事で、理解する事の方が、大事だと考える、“お金儲けをするにはどうしよう”と悩むのではなく、“お客様に喜んで頂くにはどうしよう”と悩み、世の中や、景気や、他人など自分以外の所に原因を求めず、自分の中に求める事、そして、“1人のお客様に心を尽くす事”に集中し、目に見えない“貯金”を貯める事が大事!“念ずれば花開く”志を持って、見えない縁の繋がりを信じて、本を読んで、夢を持って進んで欲しい、 とエールを送る。今後は、20年後の未来の為の販売促進を今、している思い、従業員、取引先、お客様など全ての人と誠実に付き合い「信用第一」で「人間大事の経営」を行い、現店舗のブランド力向上に向け、次世代の人間を応援していく。
「沖縄のアンテナショップ」
石岡 克敏 氏
居酒屋2004年創業
元々、いずれ経営者になりたいという漠然とした目標があった。24歳の時、上京し、頼れる先輩が務める銀座のお店で働き始めたのが、飲食店にハマるキッカケだった。そこでドリンクに関わるありとあらゆる知識を学び、次に人形町にあるダイニングバーを営む会社に入社。その会社が、当時では珍しい“沖縄料理のお店”を2号店目として出店した際に、中心メンバーとして、開業から携わった。1年後、憧れの初沖縄を体験し、完全に魅せられた。札幌に戻り、2年ほど修業した後、2006年に満を持して、沖縄のアンテナショップ「Aサインバー」を開業した。まだ北海道には、泡盛を扱う店が少なかった事と、焼酎ブームに乗って、開店以来、順調な経営を続ける。その原動力は、何といっても、泡盛の品揃えだ。約1500銘柄が存在すると言われる中、東京以北では最多の約400銘柄、沖縄の醸造所47軒全てのブランドを取扱う“泡盛が主役”のお店だ。その徹底ぶりが、口コミに繋り、支持された。現在は、沖縄県酒造組合連合会認定の「泡盛大使」として、沖縄の魅力を伝える活動をしており、今後も、より泡盛の魅力を北海道に広め、伝え手となる人材を育てていく。
「どこまでもお客様本位!」
山本 貴史 氏
居酒屋2009年創業
飲食店を運営していた経験から、「よりお客様のご要望に応えられるお店を作りたい。」との思いが強くなり、平成21年に開業した。お店作りの根本的な考え方は、“自分がされて嬉しい事をお客様に提供する”事だ。そうすれば、自ずと、「いらっしゃいませ」は、ただの言葉ではなく、心が籠った言葉になる。初めてお店を出したのは、約5坪のお店だったが、お客様の要望に応え続けた結果、手狭となり、12坪のお店に移転、同じく平成26年冬、更に30坪に引っ越した。全ては、お客様の居心地を良くしたいとの一心だ。お客様の長い人生の一部でも、共有し下さる貴重な時間に、何かをして差し上げたい。いつも考えている商品のコンセプトは、「唯一無二」他では味わえない味を提供し続ける事だ。経営で重視しているのは、安売りよりもお値打ち価格。店長として重視しているのは、「後の先(ごのせん)」の接客・会話だ。「会話は原価率のかからない食材」と考え、バランス良く、出しゃばらず、良い加減で会話を楽しむ空間の提供を重要視している。今後も、どさん子気質を理解し、現場に立ち、プレイヤーとして、お客様の機微を敏感に感じ、「どこまでもお客様本位」を崩さず、困地勉行!を胸に、直向きに努力・邁進し部下に背中を見せ続ける。
「“お出迎え”と“お見送り”に心を込める。」
工藤 俊行 氏
居酒屋、海鮮2010年創業
いずれ自分のお店を持ちたいという夢があった。元々、料理は、中華が専門だった。ウインザーホテル時代には、サミットで各国の要人に料理を提供した経験が自信に繋がったのもあり、いざ、出店を決意するも、中華では、昼は強いが、夜が弱くなる傾向にあるので、熟慮の結果、“和食をメインにした中に、美味しい中華も出て、色んな種類のお酒が楽しめる”且つ“北海道産の鮮魚を炭火で提供するお店”をコンセプトとした。そう考えたのは、これからは、世界遺産登録や、高齢化社会においては、最終的には、消費の流れが和食に戻るはず、という分析だった。やはり最初は、居酒屋に来て、「何故、麻婆豆腐?」と思われたが、狙い通り、今では、“居酒屋なのに本格麻婆豆腐が味わえるお店”として、意外性が、口コミで広がり、一番の人気メニューになった。OPENした翌年に、東日本大震災以後のススキノ不況を乗り越え、現在、しゃぶしゃぶがメインのお店「しずく」と2店舗を運営する。自分の中で、必ず決めているのは、「お出迎え」と「お見送り」をする事だ。この心を届ける小さな行動は、どんなに忙しくても欠かした事がない。今後は、海外や、別の業態のお店も視野に入れ、チャンスがあれば展開する。