北海道 道央の先輩経営者からのメッセージ
「料理が美味しいのはもちろん、親切丁寧な接客が大事!」
森田 秀志 氏
イタリアンレストラン2000年 開業
イタリア・トレンティーノ・アルトアディジェを中心に、北の州で修行を積み、日本に戻ってからは、東京の有名店などで10年程活躍した後、子供を北海道で育てたいとの思いから、移住。2002年に、「トレンティーノ」を開業した。中心部ではない郊外立地、地域の人に愛されるお店作りがコンセプトだ。開業当時、郊外店では、珍しい手打ちパスタを提供するお店として、話題となる。その麺のクオリティーは、製麺会社が、教えを乞いに来たというエピソードがある程だったそうだ。お店を10年以上続ける事ができた秘訣を、“料理が美味しいのはもちろんとして、親切丁寧な親しみ深い接客”を重視してきた結果と語る。経営で大事にしている事は、先を行き過ぎず、タイミングを見て、飽きさせず、常に変化・進化させた料理を提供していく事と、コストに対するシビアな管理をあげる。5日毎に、フードコストの見直しを行い、お客様の満足を頂きながら、コストを抑える創意工夫に余念がない。今後は、小さなお店だからこそできる、より丁寧な料理と、明るい人柄で、地域の方々に愛され続ける活動を行っていく。
「真面目に見せずに、大真面目」
宇津木 幸二 氏
イタリアンレストラン2013年 開店
元々、沖縄県宮古島にある飲食店で、長く働いていた。そのお店の尊敬するオーナーから、飲食店のノウハウと、接客サービスの構えを学んだ。ある時、そのお店で、以降ビジネスパートナーとなる人物と出逢い、東京杉並区の飲食店で勤め始める。結婚し、子供が出来たタイミングで、子育てするなら、妻の出身地、北海道で育てたいと考え、平成25年に移住し、お店を開いた。内装のほとんどを自分達で、手づくりし、宮古島時代から扱う自然派ワインと、北海道産素材、有機食材を中心に、日替わりで、身体に優しい、シンプルなイタリア料理を提供する温かみのあるお店だ。仕事のスタンスで大事にしているのは、宮古島で教わった考え方、“真面目に見せずに、大真面目であれ!”だそうで、お客様に本当の意味でリラックスして頂くために、肩の力が抜けているように見せながら、見えない所で、やるべき事はしっかりと行うという高いレベルの仕事を目指している。今後は、安心安全な食材の普及拡大など、日本の現在の食文化を変えるような活動も積極的に行いつつ、若い世代に、飲食業の素晴らしさを伝えていく。
「いかに儲かるかではない、いかに周囲が喜ぶかである」
岡崎 順平 氏
和食2012年 開業
学生時代から、いつか独立したいと考えていた。札幌ススキノの高級店で、約12年にわたり腕を磨いた。半年ほど、周囲の方々のアドバイスをもらいながら、物件探しも含めて、準備に入り、郊外の住宅地で、住居を改装して、平成24年、「すし仁」を開いた。郊外立地の特性を生かし、カウンター7席と、出前、出張握りも行う、地域密着型のお寿司屋さんだ。ネタは、一等地で勝負できる良質なモノだけを厳選して仕入れているが、販売価格は、街場では考えられない程の低価格で提供しているとの事。家族連れに楽しみに来てもらいたいとの思いからだ。開業1年程は、年末のOPEN景気はあったものの認知度が低く、思うように売り上げが上がらない事もあったが、諦めず努力した結果、地域の人達に支えられ、少しずつ口コミが広がっていった。出張握りも、徐々に受け入れられ、法事や、祝い事の席へ呼んで頂ける機会が増えてきた。経営で大事にしている事は、身の丈に合った経営を行う事と、“いかに儲かるかではない、いかに周囲が喜ぶかである”という言葉を大事にしている。今後は、現店舗をしっかり守り、より地域に愛されるお店を続けていく。
「固定観念を持たず、果敢にチャレンジ!」
林 尚子 氏
パン屋2013年 開業
元々、料理人であり、パン職人として、長年勤めて来た。いつかカフェを開きたいとの志を持ちつつ、子育てをしていたが、東日本大震災の影響により、ご主人の実家であり、食の宝庫である北海道への移住をきっかけに、好きな料理と、パン作りを生業とする取り組みにチャレンジ!平成25年に、自宅を改装し、小さなお店を構えた。商品作りのコンセプトは、子供たちが安心して食べられ、地域の方に愛される、目指せ北海道産100%のお店だそうだ。外はしっかり、甘みが強く、中はモチモチ、ミルク感たっぷりの“食パン”が一番人気で、他にも、エゾ鹿の煮込み入りのパンなど、お客様のリクエストにも極力応えて商品化しており、人気が高いモノは、そのまま定番メニュー化する事もあるそうだ。そんな柔軟さから、地域の人に受け入れられ、徐々に、口コミで販売を増やしてきた。これから開業される方には、“固定観念を持たず、どんな形でも出来る、と思うので、是非チャレンジして欲しい”とエールを贈る。今後は、作り手であり、売り子として、直接お客様の声を聞き、また、パン作りの志を伝える事ができる強みを生かし、良き理解者であり、アドバイザーであるご主人と共に、楽しみながら、地域に愛されるパンを焼き続ける。
「現場をしっかり見る事!(現場は気づきの山)」
土肥 聡一 氏
カフェ、洋菓子、その他1989年 開店
元々、明治39年創業の4代目で、先代は、“和装・はきもの業”を営んでいた。代替わりし、昭和57年頃から、婦人アパレルや、雑貨、化粧品などの業種に参入した経緯を辿る。飲食店を始めたきっかけは、元々“美味しい事、楽しい事”が好きだったのと、商売としての魅力を感じていたからだそうだ。飲食事業進出を会社として展開する機運を徐々に高め、遂に平成元年、中央区で、1店舗目となる、炭火焼きのお店「すみぐら」を開店。現在は、10店舗を展開するに至った。社長自身が、出逢った良きお店・良き食材・良き人などがきっかけとなり、“こんな店が出来たらいいなぁ・楽しそうだなぁ”と思える業種・業態のお店を作ってきたそうだ。ただ流行に乗っていくのではなく、あくまで感性が求めるものだけを扱っているそうだ。これから開業を考えている方には、「とにかく多くのお店を見て歩く、本で勉強する、市場を歩いてみるなど方法は幾つもあるので、まずは恐れず行動して欲しい。」とエールを贈る。店作りで大事にしているのは、“固定概念にとらわれない考え方”を重要視している。経営面では、“現場をしっかり見る事!”として、データだけに全ての応えを求めず、“気づきの山”である現場を見る事を特に大事にしている。今後は、今あるモノを、常に進化させ、変化させながら、新たな業態を開発しつつ、楽しい、美味しいお店を増やしていく。