北海道 道央の先輩経営者からのメッセージ
本場の「薄生地ピッツァ」を、札幌でも文化にしたい
半田 太一 氏
イタリアンレストラン平成27年7月開業
半田氏の経歴は興味深い。大学を卒業後、以外にもPCインストラクターとして2年勤めたあと「純粋に自分がやりたいこと」を突き詰めていった結果、「料理人の道」を目指すことにした。専門学校に通い、さらに突き詰めていった結果「イタリアン」へと決める。卒業後1年専門学校の調理サポートをすると、すぐにイタリアに渡る。実際に本場で過ごすことで本格ピッツァを中心とした現在のお店のコンセプトが固まったそうだ。イタリアで過ごした半年で感じたことは「時間の使い方」だったという。ランチに2時間、ディナーは3時間、その時間を有意義に使い友人や家族との時間を大切にしている文化の違いだった。帰国後は某有名店をはじめ3店舗で8年間、修業を積み開業する。イタリア製の薪釜を使い、本場の「薄生地ピッツァ」を日常使いできる価格で提供する。それは自身がイタリアで感じた「日常の過ごし方」「時間の使い方」を札幌でも文化として定着したいという情熱からである。今後は1店舗に留まらず「職人の育成」や「釜を積んだ車」で全国を廻り、その土地その土地の「食材」「ワイン(飲み物)」を使って提供したいという。自分の信念と情熱を持って、これからも夢を実現させていく。
小さなカフェが世界を変える
伊藤 めぐ 氏
カフェ平成14年開業
開業は13年前だが伊藤氏が経営を引き継いだのは昨年で前オーナーから“小さなカフェが世界を変える”というコンセプトで営業している。20代では飲食店で勤務しており仕入れや経費コントロールも任されていた。カフェ以外で多岐に渡り活躍するオーナーは常に廻りの人の幸せを願い行動している。店舗にいて接客している時も、ケーキを作っている時もお客様の喜ぶ顔を思い浮かべ取り組んでいる。看板メニューである“ふわふわ卵のオムライス”は本当にふわふわで注文数も多いそうだ。現在は店舗の半分をシェアオフィスとして利用しているがランチタイムは予約でいっぱいになりオフィススペースもカフェに使用する事も度々あるが皆、嫌な顔ひとつせずに進んでスペースを譲ってくれるそうだ。これからもSHIENの心で、みんながいつでも帰って来れる温かな実家のような存在でありたいと語る。これから始める方へのメッセージは今はダイレクトに発信できるツールが多くあるので自分の想っている事を常に発信していく事。コンセプトを相手目線で毎日発信していけば楽しい場には人は集まると独自の経営論でエールを贈る。
無理せず助け合い
南葉 恵理 氏
カフェ、レストラン平成19年開業
飲食店勤務が長く、いつかは独立開業をしたいと漠然と思っていたが旦那様の一言がきっかけとなり開業に至る。現在の看板娘である柴犬の“シバキチ”と暮らしている事でコンセプトは当然“犬と一緒に来れるカフェ”。当初は広告も行っておらず集客できずにいたが店の前を散歩で通る人にチラシを渡したり、もともとやっていた犬繋がりのSNSに投稿したりと知らせる活動を行うことにより徐々に客足を伸ばしていった。看板メニューである牛すじカレーは圧力鍋で煮込み手の込んだ物になっており注文数も多い。カフェ以外にもワークショップやイベントを開催しており常に家族の一員である犬と一緒に楽しめる物ばかりでコンセプト通りに徹底して取り組んでいる。開業当初はムリしがちで2ヶ月休まず営業したが体調を崩し店を営業出来ない期間が出来てしまった。今では同じコンセプトで営業しているカフェ仲間との繋がりもあり相談できる環境がとても大切だと実感すると共に、今後も今のお客様を大事にして犬と一緒に楽しめるような企画を実行して行く。
プロである意識を持つ
杉山 康治 氏
カフェ、レストラン平成24年開業
平成24年に札幌で開業する以前は東京で5年程飲食店を運営していたが2011年3月11日の震災を機に食の安心・安全について意識が高まり、北海道産食材の安全性に惹かれ札幌での開業を決意した。東京での開業では経験やノウハウが少なかったので自力で調べ取り組んだそうだ。飲食店は“お客様の命を預かる職業”なので化学調味料は一切使用していない。現在の店舗での看板メニューは“ビーフシチュー”などの煮込み料理で、ご夫婦で営業しているが、内装はお二人で、ホームページは奥様が作成しており自分達で出来る事は行うようにしているそうだ。経営理念は“お客様を喜ばせるプロである”、料理・接客など手を抜かず簡単にできる調味料は使用していない。今後は東京と北海道の違いをメニューや販売方法で修正していく事。後輩経営者へのメッセージとして初期投資を安くする努力と掛ける所は掛けるメリハリを付け、金利のかかるものは金利分も計算しトータルで考え、国の支援を100%受ける事。ネジ1本から金額を調べる気持ちで取り組む事により意識は高まるとエールを贈る。
自分たちが楽しむ店
行平 久美 氏
カフェ平成24年開業
カフェ店長として勤務していたが閉店を機に同店舗で勤務していた3名で開業した。以前の勤務先でお客様から現在の物件を紹介され、立地は悪いが格安で設備などを譲り受け出店コストをあまり掛けずにOPENできた。工事期間中から知人のアドバイスもあり自作のチラシを1軒1軒自分達の足でポスティングを行い挨拶して歩いた結果、近隣にお住まいの方や町内会が常連客になりいろんな事に協力してくれている。アイヌ語でチセは家、ミナミナはニコニコ笑うという意味でスタッフにとってもお客様にとってもニコニコ笑える家になっているそうで、スタッフが毎日出勤したくない店になるとサービスに影響が出てしまうので、まずは、スタッフが楽しんで、自分も楽しめる店作りを行っている。和寒のかぼちゃを使ったプリンやチーズケーキは和寒から直接仕入れるこだわりの人気商品。今後も美味しい料理・スイーツとニコニコでホッとできる場所を提供し続けていく事が目標である。後輩経営者へのメッセージは自分の直感を信じて、人脈を広げ開業後も横の繋がりは大切にしていくことと語る。