北海道 道央の先輩経営者からのメッセージ
「好きだから」こその想い。
多田 一成 氏
焼肉昭和59年開業
高校卒業後、東京にある韓国料理の専門学校に進み、そのまま修行に入りし経験を積み重ねた。札幌市で23歳の時に故郷である日高の食肉協同組合の直営店を開店することになり、責任者として開店させた。3年後さらに自分のスタイルのお店を追求するために26歳で独立を決意する。目指したのは、当時札幌にもなかった焼肉プラス本格的な韓国料理の両方を楽しめるお店づくりだ。若かったこともあり、資金調達には苦戦した。また、“O157の流行”“BSE問題”“精肉の生食問題”と度重なる難題をたゆまぬ料理への研究開発を行い数々のヒット商品を作りだすことでマイナスをプラスに変え乗り越えてきたそうだ。継続の秘訣は?の問いに「好きだから!」と語り、好きだからこそお客様の苦情を積極的聞き込み、その意見に真摯に向い合い都度改善に結びつけてきたとのこと。経営理念は「時代を読み時代の価値観にあわせついていくこと。」だそうだ。今後は、舌のみならず体が喜ぶ料理の研究を続ける。後輩経営者には「一攫千金を目的に安易に入る業界ではない。信念理念を貫き通す覚悟をもってのぞんで欲しい。」と正直なエールを贈る。
妥協せず当たり前のことを徹底する!
永富 賢司 氏
居酒屋、海鮮平成27年開業
元々40歳までには起業したいと目標を立て、焼鳥業態で5年間修業した後、店長として3年程勤めた居酒屋店での独立開業を決意しオーナーに提案したところ快諾をいただき平成27年2月譲渡を受け、屋号を「山おやじ」に変更して船出した。開業当初で苦労したことは資金調達だったそうだ。右も左もわからない状態で、色々な方のアドバイスを受けながら融資獲得に成功。目指したのは大衆居酒屋だが、各漁港から直送される新鮮な海産品、特に牡蠣をメインに据えながら、創作性を高めたお店づくりだった。継続してこられた秘訣は“妥協しないこと”と語り、良いものはすぐに取り入れ、ダメなものは絶対に提供しないという“当たり前のこと”を徹底してきたことだそうだ。経営者として一番大事にしているのは、「自分が守る!」という強い意志を持つことで、その志をスタッフにDNAとして引き継いでもらいたいと努力を続けている。これから飲食店を始める方には「飲食店は場所選びが何より大事!」と立地選定の重要性をエールとして贈る。今後は、地元石狩に店舗展開することも視野に入れた取り組みを行う予定だ。
この店に来たら何か一つでも良いことがある・・・
奥原 廣文 氏
居酒屋、焼とり平成19年開業
高校卒業後、色々な職種を経験するもお客様と対話する機会がなく物足りなさを感じていたことと、自分で事業を起こしたいとの思いからとある求人誌で“独立希望者募集”と書かれた焼鳥店に就職し、24歳頃から8年間修業を積んだ。運営面・管理面に自信がつき且つ、過去最高売り上げを記録したことである意味での恩返しが出来たと思えるタイミングで当初から希望していた独立を果たした。開業当初は、業者さんを好条件で紹介してもらう等の支援をいただき、尊敬できる師やスタッフの集客努力、勤めていた時の常連さんに支えられながら、順調にスタートを切る事ができたそうだ。常連さんが言ってくれた苦言も真摯に受け止め作り上げたお店のコンセプトは、“他の人から可愛がられる人間力を重視した料理だけ接客だけのどちらかに偏らず程良いバランスを意識した店作り”だ。もちろん自信をもって料理を提供しているが、この店に来たら“何か一つでも良いことがある”と思って喜んでいただけるお店を目指している。継続してこられた秘訣は、お客様へのお礼のメールなど感謝の気持ちを伝え続けてきたことだそうだ。今後は、人を育てスタッフの独立を支援する企業に育てていく。
人と人との輪を尊び、お客様の喜びを自分の喜びとし、一期一会の心を大切にする。
井上 孔二 氏
和食平成7年開業
会社として、東京を中心に飲食事業部を作り、また、ススキノでは、パブなどの展開を行っていた。1995年に、ブームの転換期という事を感じて、ススキノで、業態を、飲食店にシフトした。その当時は、まだまだ、本格的な和の雰囲気と、高級食材を使用した、安心安全素材の食べ放題を提供するお店は少なく、和牛などを含め、握り寿司まで味わえる、盛りだくさんなメニューが、多くの方に支持され、翌年、2号店目を出店し、更に多くのお客様に喜ばれたそうだ。長く続けられた秘訣には、“社内で、週に一度は、議論の場を持ち、皆のアイデアで進化・改良させてきた結果”と話す。企業理念は、“人と人との輪を尊び、お客様の喜びを自分の喜びとし、一期一会の心を大切にする。”事で、今後は、お店が「食」を通じてお客様に安らぎと明日への活力を提供できる場となるように日々創意工夫、練磨、遂行を積み重ねていく。
この町にもう一度チーズの灯をともしたい!
宮本 正典 氏
チーズ屋平成2年開業
生家は和・洋菓子を製造販売する菓子店。兄弟と家業を発展させるかたわら、レストランなど飲食店経営を経て平成2年、“早来は日本で初めてチーズ工場が出来た町”だったが生産拠点が十勝に移り行く様を目の当たりにした時「この歴史を守りたい」「この町にもう一度チーズの灯をともしたい!」との強い想いから夢民舎創設に参加しチーズ製造を開始。試行錯誤を繰り返し遂に、後のグループの代名詞となる「カマンベール」を作り上げた。その品質はオールジャパンナチュラルチーズコンテストでも最上位の評価を得たほどだ。その後も次々と新商品を開発し北海道民なら一度は目にしたことがあるほどの人気と知名度を得た。直営店舗「レストランみやもと」は、いわばアンテナショップの意味合いが強い。このお店で提供される豚肉は、チーズ工場でしか育てられない「究極のホエー豚“夢民豚”」と「世界が認めた早来チーズ」が主力商品のお店である。オリジナル商品、ブランド、高付加価値、差別化をテーマに“他店では食べることのできない”オンリーワンの商品が並び、接客はアットホームで心温まるサービスが魅力のお店となっている。現在は、ホエーを飲ませ育てた鶏の卵をベースとしたスィーツ開発にも力を注ぎ、今後も次世代を託す家族と共に歴史とブランドを守り培っていく。