北海道 道北の先輩経営者からのメッセージ
来てくださるお客様や手伝ってくれた周囲の方への感謝を常に忘れない温かいお店に
ABEYDEERA SUSANNTHA 氏
カレー平成18年開業
大阪に住んでいた時に、知り合いがいる東川に遊びに来てカレーパーティーを開いた際、たくさんの方から絶賛されて、こんなに美味しいカレーを作れるなら旭川でカレー屋さんを開いたらどうか、とリクエストされたことがきっかけで、移住されたそうだ。7年空き家だった家を自分で見つけて、リフォームしてお店にしたため、草刈りから始めて壁紙の張替えから天井や照明器具の交換なども、友人達に手伝っていただきながら自分たちで準備した。だからこそ、周囲の方に助けていただきオープンすることができたと感謝の気持ちを忘れない。
オーナーご夫婦のお人柄が素敵なお客様を呼んでいるように、お客様にも恵まれて、素敵なお客様が多いと常に感謝しながら、ホッと安まる雰囲気のお店を作り出している。
移住した際、とにかく北海道は野菜が美味しいことに驚き、これを使ってカレーを作りたい!と惚れ込んで、夏は自分たちが作った野菜を使ってカレーを作っている。
スリランカカレーはルーがないので50種類のスパイスを厳選していて種類も豊富なため、毎日食べても飽きないカレーなので、週に2回通ってくださるお客様もいらっしゃるそうだ。
これから始められる方には、絶対にダメな時はあるけれど、その悪い時をいかに耐え抜くか、続けられるように持っていくこと、そして何事も3年やるとできてくるので、波を乗り越えることが大切だとエールを贈る。
飲食店はお腹を満たすだけではないからこそ、真心こめたサービスを心がける。
備中 保 氏
そば平成24年開業
東京の蕎麦屋さんでの修行を経て、旭川では色々な方に支えてもらい素晴らしいご縁があったおかげで開店することができた、と語るオーナーの備中さん。大阪出身の備中さんは、旭川はそばの作付面積1位の幌加内・2位の深川、3位の江丹別と蕎麦の生産地に囲まれているので、もっと蕎麦が気軽に食べられるようになってほしい。との思いで、気軽に入れてゆっくりしていただけるお店にしたい、とご夫婦で始められたそうだ。
東京で学んだ二八並蕎麦と十割太打蕎麦、 更科蕎麦の3種類があり、蕎麦専門店として毎日早朝から丁寧に蕎麦打ちをして、手間暇かけて煮だしたかつおだしのつゆなど、味が変わらないように、毎日同じことを同じように続けることはとても大変だけれど、最も大切にしていると語る。
飲食店はお腹を満たすだけではなく、貴重な時間をかけてお越しいただいているのだから、常に感謝の気持ちで、食べるだけではない付随するサービスが大切だという思いがご夫婦に共通している。来てくれたお客様へのおもてなしの心を常に大切にして、真心のこもったサービスを心がけているそうだ。
だからこそ、お客様がリピーターさんとしてまたお顔を見れた時が一番励みになると語る。
これから始められる方には、思っていた形にならないなど辛抱の時もあるけれど、信じて続けていって、人となりが出るようなお店にしていってほしいとエールを贈る。
旭川で人生が変わったからこそ、旭川のお客様に恩返ししたい。と走り続けた10年
森内 巧二 氏
ラーメン平成18年開業
東京で生まれ育ち、大学進学で旭川に初めて来て食べたラーメンの美味しさに衝撃を受け、大学を辞めてラーメンの修行の道に入ったオーナーの森内さん。
東京ではラーメンの激戦区と呼ばれる環七の近くに住んでいて、元々ラーメンは大好きだったが、旭川の某有名店の味に衝撃を受けて、13年そこで修業してから現在のお店をオープンさせたそうだ。
13年人気店で店長を務めた経験から、オープンすればお客様はくると思い、広告はフリーペーパーに一度載せただけ、お店の場所も人通り車通りが少ない場所だったため、開業時はお客様が少なく本当に苦労したと振り返る。だからこそ、お越しいただいたお客様が一週間以内に来店していただくには何ができるか、と必死に考えて、お客様お一人お一人とラーメントークを繰り広げたり、周りがしないようなこともがんばったそうだ。
その後口コミを呼び、5,6年経った頃、全国の人気TV番組から取材の依頼があったものの、初めに苦労した分、本当に旭川の方々に感謝の気持ちしかなく、旭川の人が並ばなければ食べられないお店にしたくないという思いで、取材は全てお断りされたそうだ。
東京から旭川に来て、色々な経験をさせてもらい、旭川に来て人生が変わったからこそ、恩返ししたい気持ちでいっぱいで、お客様が笑顔で帰ってくれることが喜びだと語る。
これから始められる方には、「商売は楽しいことも沢山あるが、耐えなければいけない事も沢山。心配や不安に潰されそうになっても、前向きに考える体力が最後にあるか?無いか?馬車馬のように休まず働いても、笑顔で乗り切ろう。多分経営者はみんなそんな日常を送っていると思います。」とエールを贈る。
妥協せずにこだわり抜いて走り続けた22年。
加藤 隆仁 氏
ラーメン平成6年開業
お父様が老舗の製麺会社をされていたため、その麺を使用して22年前にラーメン店を始めた加藤さん。
スープは有名店2か所から教えてもらい、自分でアレンジしたが、現在の味になるまでは本当に苦労したそうだ。お父様には何度もスープを投げられ、何度も作り直し、何年もかけて作り上げたのが現在のスープ。
ラーメンを気軽に食べてもらえるようにと、当時から小さなお子さんのために小上がりを作り、バリアフリーにすることでグループホームなどから団体で食べに来ていただいたり、幅広い層の方が食べに来てくれているそうだ。こだわりは、冷凍肉を一切使わないこと。大人気のラーメンとぶた丼のセットも、ぶた丼の豚もチャーシューもどちらも生肉を使い続けている。
テーブルは全くべた付かないようにこだわり、サラリーマンの方がワイシャツを触れても安心できるよう特に気を使っているそうだ。
全国のラーメンを食べてきたけれど、ここのラーメンが一番美味しいからと、この味を教えてほしいと修行に来られる方も多いそうだ。フランチャイズ形式で6店舗あるため、これからも全店舗が安定していくことを望んでいる。
これから始められる方には、一から本気になってやることが大切だと語る。これで満足ということはないので常に開発したり、季節のメニューを取り入れるなど、現状に満足せずに前を向き続けている。
来てくださるお客様のためにも、休まず営業することが大切
河治 庄三 氏
鉄板焼き平成26年開業
酒屋の2代目として飲食店と関わるうちに、飲食店のロゴやメニューなどを手掛ける広告業を始めた後、色々なご縁があり、家族と過ごす時間を大切にできる飲食店という道を選んだそうだ。
飲食業は未経験だったため、宇井先生の本なども読んで勉強し、初めの2,3カ月は友人に来てもらい、食べてもらってモニターとして意見をもらい、その後に繋げていった。ランチパスポートに掲載したことをきっかけに、来店されたお客様から「唐揚げが美味しい」という声を多くいただき、看板メニューとなり、お客様も一気に増えたそうだ。ランチのお客様が夜のお客様に繋がり、リピーターさんも増えた。また、ご近所の方が来てくださったり、会社の飲み会に使っていただくなど、お客様が増え、近隣には飲み屋さんがないので、2次会に移動せずに長居できるように、実は飲み放題も時間制限なくゆっくりしていただいているそうだ。
ヘビーユーザーが多くリピーターさんに支えられ、様々な仕事をしてきたけれど、飲食業を最後の仕事にしたいと語る。
経営者として大事にしていることは、とにかく休まないこと。いつでも来たらやっていることが大切だと思っている。
地域に根差して、お客様のリクエストにできるだけ応えてアットホームな雰囲気を大切に、今後もずっと続けていきたいと語る。
これから始める方にも、来てくれるお客様がいるのだから休まず、みんなが遊んでいる時が稼ぎ時なので我慢することも大切だと、エールを贈る。