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飲食店先輩経営者からのメッセージ

すでに飲食店経営者として活躍されている先輩経営者から後輩経営者に向けてのメッセージです。
これから共に飲食業界を引っ張っていく後輩経営者へたくさんのメッセージが寄せられています。

東京都 文京区の先輩経営者からのメッセージ

くんぺい

地元の方にくつろいでもらえるような店づくり

蒲生 健 氏

居酒屋
2014年1月開業

大学卒業後、大手チェーン店に入社。居酒屋業態で店長など、約10年間の経験を積んだ。当初より将来は独立開業を考え、計画を立てていた。接客から調理まで携わり、本部での管理業務も一通り経験したタイミングで、これまで培ってきた経験を活かし居酒屋業態で独立を決意した。

独立する際にまず考えたことは、信頼の置ける人材を集めること。チェーン店時代の料理長に声をかけ、2014年共に開業を実現した。「自分はラッキーです、人に恵まれ運がよい。真面目にやっている人には運も付いてくる。」と蒲生氏は言う。

オープン当初は試行錯誤しながら、地域に愛される店にするにはどうしたらよいか、日々考え続けた。地元に住んでいる舌の肥えたお客様に満足していただけるように、日本酒は40種以上を常時メニューに置き、季節ごとにおすすめを5~6種類入れ替え日本酒の美味しさを伝えはじめた。

また料理や素材にこだわり、都内の農園から直接新鮮な野菜を仕入れ、調理に使う出汁も手間をかけてとっている。家族の故郷から産地直送の食材や米を送ってもらいメニューにも取り入れている。接客はチェーン店の時にはできなかった細やかな気配りを心がけ徹底するようにした。

「オープンして半年が経ち、ようやく地域の方に喜んで頂け、くつろいで頂ける店の形になってきました。」と蒲生氏は語る。まずは足場を固め、堅実に地域に愛される繁盛店になることが当面の目標だ。

Bar うなばら

もっと多くの人に本物のカクテルの美味しさを広めたい

中野文博氏 氏

ダイニングバー
1974年開業

中野氏は日本のバーの歴史を語る上で、避けては通れない一人である。

当時世間の憧れであったアメリカの生活を体験したい、という思いを胸に中野氏は大学卒業後単身一人で船に乗り込み、アメリカ・サンフランシスコへ上陸。想いは、「本場アメリカのカクテルを学びたい!」ただそれだけだった。

その後、カクテルの本場ニューヨークへ。当時日系の有名レストランだった「サイトーレストラン」でバーテンダーとして勤務。ある時は1日に700-800杯ものカクテルを作る。今にして思うと、この時の経験が今に役立っていると、中野氏は語る。

そうこうしている間にビザが切れ、中野氏はヨーロッパの各地を巡り、本場のバーの魅力を体に吸収していく。

そうして、日本に帰国後開店させたのが、湯島の当時は「ワイン洋(うなばら)」という店だった。

中野氏の温厚な人柄に惹かれた多くの常連客は、現在でも夜になると中野氏の笑顔と全国バーテンダー技能コンクールで1位に選ばれたオリジナルカクテル「白梅」を楽しみにお店を訪れる。中野氏は「本物のカクテルをもっと多くの方にリーズナブルで提供したい。それが想いなんです」と語る。

2015年2月。バーテンダーとして52年。新たに「Bar うなばら」としてリニューアルオープン。「80歳までは現役で頑張りたい」という中野氏の言葉に、新たな熱い想いと夢を
感じた。

井泉 本店

お箸できれるやわらかいとんかつ!お店の歴史と味をつないでいく!

石坂 淳子(三代目) 氏

とんかつ
1930年開業

創業は昭和5年、初代の画号の『井泉(セイセン)』が店の名前の由来だという。創業当時は、西洋から入ってきたカツレツを日本人好みに改良し油で揚げた『とんかつ』を出す店が流行りはじめた時代だった。井泉は「お座敷洋食の店」として地域に愛されるようになったのだという。創業当時に初代が当時のかたい肉を何とかお客様に美味しく食べてもらえるように工夫し考案したのが、『お箸できれるやわらかいとんかつ』だったという。

肉質を柔らかくするための独自の工夫された調理法と最高級の油を使い、パン粉も店の特注で業者から仕入れているという。こだわりの店の味に惚れ込み親子の代に渡って常連となってくれているお客様も多いという。

名物のカツサンドが誕生したのは、初代女将がトーストと紅茶の朝食という、当時時代の最先端を取り入れた生活をしていた時、ふと身近にあるパンでこのとんかつを挟み、お稲荷さんや海苔巻のように手軽に食べれるようにしたらどうかと考えたのがはじまりという。カツサンド発祥の店となった由来だ。手軽に食べられる、カツサンドは当時お客様の中心だった下谷花柳界の芸者衆に大好評となり広まったという。

初代が考案した「お箸できれるやわらかいとんかつ」と「カツサンド」は代々その味が受け継がれ、現在は三代目石坂氏とその娘にあたる四代目が店の味を守っている。

「毎日一生懸命、仕事をきちんとやる。それが大事です。お店には若い人からご高齢の方まで幅広く来て頂いている。家族で来ても楽しんで食べて頂けるように、受け継いできた味はもちろん価格や店の雰囲気も変えずに残して行きたい。」「井泉の味を求めて来て頂いているお客様の期待に添う事が出来るように、今後もこの味を受け継いで守っていきたい。それが私の使命と感じています。」そう四代目は語る。今後も老舗の味は代々受け継がれていく。

Ailes Yushima

バーはお客様が居心地よい楽しさを求めてくる場所。お客様ひとりひとりとのコミュニケーションを大切に!

鶴田 俊也 氏

バー
2014年開業

鶴田氏は、『Ailes Yushima』開業以前はクラブなどで店長業務をしながら、バー経営への強い憧れと想いを持ち続けていたという。「クラブの店長時代は満足できるだけの収入は得ていましたが、やはり自分自身で、バー経営をしてみたいという想いは消えず、独立を決意しました。」そう鶴田氏はいう。

「当初は利益率の高いウイスキーやカクテルなどを主力にして、バーにはないおつまみやスイーツも提供出来る女性でも入りやすいバーというコンセプトを立てていましたが、最近の業界の流れや立地にあった業態を再考しクラフトビールを週替わりで提供出来るビアバー業態での出店をしました。」店舗の開業までは、限られた自己資金の中で金融機関からの資金調達や施工業者との打ち合わせなど、はじめての経験が多く苦労した部分もあったというが、2014年念願のビアバー『Ailes Yushima』を開業。国産クラフトビールをはじめ、女性に人気のヒューガルデン生ビール、豊富なカクテルやウイスキーに合わせたつまみやスイーツも気軽に楽しむことが出来る。

「バーですから、お客様に美味しいドリンクを提供するのは当たり前です。もっとも大事にしているのはお客様とのコミュニケーションです。バーはお客様が居心地を求めて来店されると思っていますので、ひとりひとりのお客様の体調やお気持ちを汲めるようお客様との会話を大切にしています。」「また飲食店ですから、『楽しく』なければいけないと思います。すべてのお客様を満足させることは難しいですが、店のルールの中で心地よく楽しんで頂けるように、環境づくりにも気を配っています。」そう鶴田氏は想いを語る。

「やはり飲食店の醍醐味は、お客さんから『また来るね!』の言葉を頂いた時です。また一緒に働いているスタッフの成長を感じられる時も経営者として嬉しいですね。」今後はまた違う業態で、2店舗目の出店も考えていきたいとのことだ。

スパイス&スマイル

Spice×Smile カレーを食べて笑顔に!

黒川 真緒 氏

スープカレー
2012年開業

もともとは実業団のバドミントンチームに選手として所属していたという黒川氏。まだ実業団チームに所属し北海道に住んでいた頃スープカレーにはまり、約80店舗ほどのスープカレー店を食べ歩いていたという。開業のきっかけはバドミントン選手を引退した後、自分の好きな事を自分で目標を立ててやりたいと思った事が始まりだったという。飲食店でアルバイトしながらスープカレーを学び、2012年「Spice&Smile」 を開業した。

「開業時は資金的な限りもあり、一人でも営業可能な小規模店を探し、今の店舗を居抜きで見つけました。開業当初は厳しい時期もありました、限定メニューを増やしたり、スープも開業後も改良を繰り返し徐々に常連のお客様もついてくれるようになりました。」そう黒川氏は振り返る。

スパイス&スマイルのスープカレーは、鶏ガラ・豚ガラ・国産野菜でとった脂っぽくなく飽きのこないスープをベースに、辛さやトッピングを選べ自分好みの味を作る事が出来る。

野菜は一つ一つ大き目にカットされ、小麦粉などは使わず胃にもたれない。「自家製のアボカドコロッケ」などトッピング食材も、手作りで工夫をしている。「約10種類のスパイスを独自配合し、限定メニューはスパイスを変え違いを出しています。」スープやスパイスの配合など限定メニューを入れ替えながら、より美味しい味を追求し改良を重ねてきているという。

「スパイス&スマイルと店名にした通り、やはりお客様にスープカレーを食べて頂き、「美味しかったよ!」といってくれたり笑顔になって頂ける事が一番の励みになります。」「毎日来て頂いているお客様を大切に思いながら、店では息抜きして頂いて午後も頑張って欲しいそんな想いで毎日準備しています。」そう黒川氏は語る。

実業団の選手時代と店の経営者と共通する点は、毎日の地道な積み重ねの部分だという。「店の営業中はバトミントンでいえば試合のような感じです。力を発揮する為(お客様に満足して頂くため)に毎日の積み重ね(仕込みや準備)を大切にしています。」今後もお客様の笑顔のために店に立ち続けて行きたいとのことだ。

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