愛知の先輩経営者からのメッセージ
お客様に笑顔になっていただきたい!
尾関 雄一朗 氏
フレンチ2013年11月
はっきりこの道に進もうと思ったのは、高校で進路を決める時だったそうだ。進学か?料理の道か?興味のある方に進もうと思い、調理師学校を選択。卒業後は、結婚式場や、レストランなどで10年ほど修業し、その後、お店を任される立場にもなったのだという。いずれは独立と考えていたので、シェフや店長を経験した後、独立。
お店のコンセプトは、日常のちょっとした贅沢を提供する、気軽なお店。
客層は30代以上がメインの、いわゆる大人店。女性客が中心なのだという。
開業時は、当然知名度が低いので、お客様が定着するまでは大変だったそうだ。最初は友人や知り合いに声をかけ、その後徐々に地元の方(住んでいる方や働いている方)にアプローチしていったのだという。
人気メニューは、野菜を使った料理。何軒かの契約農家から直接仕入れている。サラダは女性に大人気だそうだ。
「お客様に笑顔になっていただく」事が当店のミッション。お客様の明日への活力になって欲しい。と、シェフ。
今後は、テイクアウトに取り組んでいきたい。お店はキャパが限られているので、
より多くのお客様を笑顔にするために、時期を見て取り組みたいとのお考えだ。
現在トライアルで、自家製のドレッシングを数量限定で販売している。
これから始められる方へ、
人とのつながりを大切にして欲しいとの事。お客様、同業の仲間、スタッフ、地域の仲間、取引先 etc. 開業してしまうと中々広げる機会が少ないので、ぜひその前にいろんな人脈を広げ、そして大切にして欲しい。とエールを贈る。
フランスの下町の美味いもの屋へようこそ!
天羽 景 氏
ビストロ2009年10月
小学生の頃からフランス料理の料理人になりたいと思っていたのだという。高校卒業後迷わず料理学校に進み、フランス留学も含めて、丸3年学んだ。帰国後5年ほど有名フレンチレストランで働き、その後はイタリアンはじめ、様々な業種を経験したのち開業。
コンセプトは「下町の美味いもの屋」フレンチレストランというと敷居が高い感じなので、気軽なビストロという業態にして、さらにイタリアンの要素も入れている。その象徴として、店の入り口には、フランスとイタリアの国旗が並んでいる。
人気メニューは、開業当初から力を入れている「豚肉の炭火焼き」。今ではだいぶ多くのお客様に浸透してきているとの事。
すべてが失敗から始まったといってもいいぐらい、色々な面で大変だった。とシェフ。当初はまず、お店づくりで苦労したのだそうだ。店舗デザイナーの方と全然話が通じなくて、結局途中で代える事になり、時間も費用も大きくロス。あと、人もなかなか定着しなくて苦労したという。売り上げも全然思った通りに行かなかった。一発逆転はないので、地道にコツコツやるしかなかった。
しかし、失敗してみて気付くことがあるし、失敗してみないと分からない事もある。当初の失敗がこれまで頑張ってきた原動力になっているのだそうだ。
また、続けてこられたのは、すべて周りの人に助けられたおかげでもあるとの事。お客様に助けられ、スタッフに助けられ、奥様にも助けられたという。
座右の銘は「横着しない事。手を抜かない事。」要は、どこまで緊張感をもってやれるか。
今後は、まずはこのお店を強いお店にする事が第一。このお店を改装したり、移転したり、という考えはあるが、多店舗展開は考えていないのだそうだ。
これから始められる方へ、
まずは、何を置いても人を大切にすること。お客様はもちろん、スタッフも、取引先も。人と人の接触で成り立っている飲食業だからこそ、人をまず第一に考えて行動してほしい。とエールを贈る。
常連様に感謝!初めてのお客様に感謝!
長谷川 毅 氏
ダイニングバー2007年1月
学生時代に演劇に没頭。かなり真剣にやっていたとの事。卒業後の進路についてどうにも迷いがあり、一年留年。この機会に、もう一度進路をじっくり考えたという。その結果、料理を作ったり、接客する事が好きだという事に改めて気づき、卒業後は地元に帰って飲食店に就職。イタリアンがメインのダイニングバーで6年間働いた。その後名古屋に出て、さらに5年ほど違う業態のお店に勤めた後に開業したのだそうだ。
物件探しは、新規開業という事と、地元じゃない(名古屋じゃない)という事で、断られることも少なくなく、かなり苦労したのだという。
当時としては少ない、ギネスの樽生を飲ませるお店として、オープン時は比較的早くから認知され、まずまずのスタートが切れたとの事。
しかし、まだお客様の絶対数は少なかったので、日記を2年間つけた。その日来てくださったお客様のお名前や特徴や話した内容などを毎日詳しく書き続けた。それが貴重なデータになり、徐々にお客様が増えていったのだそうだ。
人気のメニューは、日替わりの「口取り3種盛り」。これを楽しみに週に4回5回来てくださる常連さんもいるほど。
これまで続けてこられたのは、本当にお客様のおかげだとつくづく思う。とマスター。お店をお客様が育ててくださったと思っている。また、協力して支えてくれている家族にも心から感謝しているとの事。
今後は、人を育てていきたい。人が育たなければお店の発展はないと思っているとのお考えだ。
これから始められる方へ、
まず動く事が大切。なんでも100%はないので、7割がたよさそうなら、動いてから修正していくのがいいと思う。慎重になりすぎず、まずは動いてほしい。とエールを贈る。
食を通じて人を磨き、お客様の感動を実現する!
長縄 賢司 氏
鉄板ダイニング2000年7月
実家が飲食店だったこともあり、飲食店は子供のころから身近な存在だったという。その後、高校卒業後、ホテルのフロント係や、ドリンクの自動販売機の補充の仕事などを経験したそうだ。この業界に入るきっかけになったのは、就職してしばらくたった20代前半の頃、たまたま入ったお店で、お客様もスタッフも一緒になって凄く楽しそうに盛り上がっているのを体験し、こういう仕事がしたいと思い、ある焼き鳥チェーンのFCに加盟して飲食店を始めたのだという。
当時、勢いのあったチェーンという事もあり、最初は順調だったが、2002年の道交法改正で、売り上げが大幅ダウン。ロードサイド店だったので、お酒を飲ませる店は非常に厳しいと判断。悩んだ末にFCを脱退し、食をメインにした、鉄板焼き業態に転換し、独自の業態で新たなスタートをしたのだそうだ。
看板メニューは「お好み焼き」「鉄板で焼くだしまき玉子」。
狙いは当たり、ファミリーを中心にお客様にきていただけたのだという。しかし、計画では翌年に2軒目を出店する予定だったが、なかなか、任せられる人が育たず、2号店出店までに5年かかったそうだ。1号店の業績は安定していて、経営的には順調だったが、この間の5年間は精神的に辛かったとの事。
その後は順調に人も育ってきて、駅前に飲み屋業態なども出店。
これまで継続してこられたのは、人に尽きるとのお考え。支えてくれたスタッフがいたから続けてこられた。本当に感謝している。この”人の力”がウチの強みだと思う。と、社長は語る。
経営理念は「食を通じて人を磨き、お客様の感動を実現する!」
スタッフには目標意識と目的意識を伝えているという。目標は売上、利益といったいわゆる”お金”だが、これだけを追いかけるといい結果にならない。目的とは(当社の場合)お客様に満足以上の感動を与える事。これがまず大事。そこに意識が集中していれば、おのずと目標も達成できるのだという。
今後は、現在展開している3業態を中規模程度の駅に近いところに3店舗セットで出していきたい。ターゲットが競合しないし、近ければスタッフの融通もできる(今後の人手不足に対応)。またお客さんも紹介しあえるとの事。
今後出店が拡大していけば、なかなか自分の目が届かなくなる。近いところに3店舗あれば3人の店長が顔を合わせて、コミュニケーションをとっていけるし、力を合わせられるのだという。
そしてこのパッケージがうまくいったら、海外(アジア)にそのパッケージを出したい。
とのお考えだ。
社長のモットーは「守り攻める」という考え方。隙を見せず、守りも固めながら攻める事が大事なのだという。
これから始められる方へ、
一つでも迷いがあったらやめた方がいい。不安は誰しもある。不安はあってもいいが、迷ってしまったらいい結果は出ない。例えば出店でも、迷いがあると本当に次々と問題が出てくる。迷わない物件だと気づけばオープン、というぐらいスムーズに事が運ぶ。どんな局面においても” 迷ったらやめる”を貫いてほしい、とエールを贈る。
お客様の健康を第一に考えています!
内田 幸一 氏
定食1996年4月
もともと何かで起業したいという思いはあったが、まずは会社(食品スーパー)に就職し、約20年勤務。各生鮮部門の店長やチーフバイヤーなど、様々な立場で食に関わってきたのだそうだ。食材の発掘で、北海道から沖縄まで全国各地に出向いたのはいい経験になったという。
収入は良かったが、40歳の時にこれからの人生を考え、今までの経験を生かせないかと、自分でお店をやることを決断。
食材に詳しくなり、若い時に調理師免許もとっていたので、飲食店をやろうと考えたそうだ。
店舗は、なるべくランニングコストがかからない物件を探したが、なかなか希望の物件が見つからず苦労したとの事。悩んだ末に、今の場所(住宅や商店が混在している。駅から遠い)に出店。周りからは、なんでこんな所でと結構言われたそうだ。
地域の人に知られていき、少しづつお客さんも増え、借入金の返済が終わったころ、リーマンショックがおこり、日常的な定食屋にもその影響は少なからずあったという。スタッフを雇わず、家族だけでやる体制にして、なんとか切り抜けたのだそうだ。
今時(特に若者)の食生活が偏っているので、健康によく、毎日来てもらってもあきなくて、さらに美味しく食べてもらえる定食屋を目指した。
メニューの中で、おススメで、また人気なのは「魚定食」。しかし、お客さんの要望を長年聞いているうちにメニューが増え、今ではラーメンや日本蕎麦もある。それだけを、ずっと食べに来てくれる常連さんがいるので、やめるわけにもいかない。
家族で来られて、あれこれ頼んでいただくと厨房は大変な事に。しかし、お客様が楽しそうにメニュー選びをしてくれているのは嬉しい事だという。
これまで継続してこられたのは、売上げと経費のバランスを常にチェックしてきたから。サラリーマン時代に数字にシビアな社長に鍛えられたおかげ、とご主人は語る。
モットーは「お客様の健康第一。」魚をメインに季節の食材を使った手づくりメニューでお客様を健康に!
これから始められる方へ、
とにかく、お客様を飽きさせない事が大事。それにはお客様に知恵をもらう事が大切なので、常にその姿勢を忘れずにいて欲しい。とエールを贈る。