また来い~って思って作る!
中山 健治 氏
ラーメン1999年開業
もともとは中国から来日した祖父が、横須賀で中華料理店『亜細亜楼』をはじめ、その後2代目の父親に継がれ家業として飲食店を代々経営してきたという。「『天竜担担麺』として開業したのは、祖父が作る担担麺が大好きで、これを多くの人に食べて頂きたいという想いがありました。とても濃厚でインパクトのある坦坦麺ですので単品で勝負したいと思い、平塚で担担麺専門店として開業しました。」そう中山氏はいう。天竜担担麺として開業したのは約15年前中山氏が20代半ばの頃、当時は居抜き店舗が非常に少なく物件を探すまでに2年ほど費やしたという。
天竜担担麺のベースは祖父の担担麺の味がベースになっているという。甜(甘味)、辣(辛味)を引き立てる独自のスパイスの調合と圧倒的な胡麻のボリュームが特徴の濃厚で凝縮された味わいだ。また濃厚なスープに合わせて特注平太麺を使用しているのもこだわりのひとつだ。「他にはない印象に残る、また食べたくなる商品を原則として商品を開発しています。今の人気メニューの激辛の地獄の担担麺などもそうした試行錯誤の中誕生しました。」「うちの担担麺は他の一般的なものより少々異なりますが、祖父から伝承された味とその歴史を感じてほしいと思っています。」祖父の味を元に色々な味を開発工夫した結果、多くのお客様に来て頂けるようになったという。
「はじめて来店されたお客様には、『明日もまた来い~』って念じて集中して作ります。そうすると必然的に仕事が丁寧になるんですよね。」「また次の日に来て頂けた時は「やったー」って思います。そしてまた来て頂けるように美味しく作ろう。その繰り返しです。」現在は2店舗目の出店も果たし、さらに今後も出店を加速していきたいとのことだ。
日本を元気に!
相方 芳彦 氏
うどん2013年開業
相方氏は、飲食店をはじめる以前は、経営者として約15年間リサイクル業で会社経営をしてきたという。飲食店をはじめるきっかけは、本業以外のもう一つの柱としての事業を考えた時に飲食店を開業しようと決意したという。
「開業前には焼肉業態の店舗なども検討しましたが、食を扱う仕事でお客様の命を預かる以上、より安全で未経験からでも事業に参入しやすい業態と考えうどん業態を選びました。」「全く飲食は未経験でしたので、うどんの打ち方を教えてくれる学校に習い、その後うどんの本場香川県で約2週間修業をして準備をしました。」その後物件を自宅からアクセスの良い今の場所を見つけ、初開業でも落ち着いて店づくりが出来そうな場所という理由から、2013年新中野に讃岐うどんの店『花は咲く』を開店したという。
こだわりのうどんは、4種類の国産小麦を独自配合でブレンドし、お餅のようなもっちりとした食感と喉越しの良さを出しているのが特徴だ。出汁はいりこを中心に5種類の素材を2日間かけて引いて提供しているという。すべてお客様に「体に良い食材」を食べて頂くため厳選している。「理想のうどんの食感を出すために、商品開発にはこだわりました。安定して作れるように全て分量を数値化したり、温度や湿度なども計算しています。」「それでもやはり毎日毎日微修正が必要になります。そこが難しい所です。」その日に打ったうどんに納得がいかなかったら、その日は店を閉める事もあるという。
「お客様が来た時よりも、帰える時に元気になっていて欲しい。最高のうどんを出せて、最高のサービスが出来る店を常に考えています。」そう相方氏は語る。目の前でお客様の笑顔を見て仕事が出来るのがやりがいだという。「大きなことを言うと思われるかもしれませんが、お店を通して日本を元気にしたい。そう本気で思っています。」今後も一品一品心を込めてより良い商品・より良いサービスをお客様に提供していきたいとのことだ。
北海道札幌のソウルフードスープカレーの美味しさを伝えたい!
西井 里佳 氏
スープカレー2014年開業
スープカレー発祥の地と言われる北海道、札幌出身の西井氏はスープカレーは常に身近にある食べ物だったという。将来的に自分自身で何か事業をしていきたいと漠然と考えていた西井氏が、飲食店をはじめるきっかけとなったのは、東京で仕事をしていた時にラーメン店で働いていた、同じ北海道出身の現在のシェフと知り合った事がきっかけだという。
「自分自身北海道出身で、スープカレーは身近にある食べ物でした。もっと東京でもスープカレーの良さを知ってもらい、楽しんでくれる人が増えたらいいなと考え、今のシェフと相談し開業を決意しました。」開業までは西井氏が物件や内装の手配を行ない、シェフが商品を開発すると開業までの役割分担し進めたという。「実は物件を決めてから商品開発に取り組んだので、物件契約から2~3か月は店を開けずに内装工事と商品の試作を繰り返していました。」「スープカレーを作る技術はお互いに全くありませんでしたので、地元の知り合い聞いたり試食を繰り返し今の形に決めるまでには、時間がかかりました。」そう西井氏は振り返る。
ポニピリカのスープカレーの特徴は、トマト・和風・エビの3種類のスープを好みで選ぶことが出来るという点だ。ベースとなるスープは化学調味料を一切使わず、豚骨・鶏ガラ・たっぷりの野菜で12時間以上かけて仕込むという。もともとラーメン店で働いていたシェフが、ラーメンのスープのとり方を基本とし独自に調理法や提供法を考えたという。スパイスは下北沢のスパイス専門店から15種類の有機スパイスを仕入れ独自配合し使用している。またスープカレー以外にも、北海道の猟師さんから仕入れたエゾシカのサラミなど北海道らしい食材も取り入れている。
開業まもなくメディアにも取り上げられ、スープカレーファンの間で評判が広がり多くのお客様にご来店頂く事が出来ているという。今後はスタッフを育てて行きながら、2店舗目3店舗目の出店を見据えて行きたいとのことだ。
街に愛される個性的で面白い地域一番店をめざす!
茂木 貴彦 氏
ラーメン、アジア2003年開業
茂木氏は、フクモチック有限会社代表として、現在ベトナムフォーの専門店『チョップステックス』・鶏そば専門店『そると』など5店舗を展開している。もともと大学卒業後は、居酒屋や外食チェーン店で社員として働いたり、イギリスで和食店の立ち上げをしたりと幅広く経験を積んできたという。「もともとアジア料理店として、共同経営で高円寺で立ち上げたのがはじまりでした。その後、経営を引き継いでベトナムフォーの専門店に変え店名を『チョップスティックス』として1年ぐらいは一人でフォーやスープを試行錯誤しながら運営していました。」「当時は非常にさびれた市場の一角の店舗だったので、一人でも工夫しながら運営が出来ていました。」そう茂木氏は語る。ベトナムに現地に視察に行ったり、ベトナム料理研究家と仕事を通じて知り合う機会もあり、現地のフォーより日本人に合う美味しいフォーを目指し商品開発したという。
『チョップスティックス』のフォーは、国産の米粉を使用した麺作りから製麺所と取り組み、スープの改良を重ね、日本初の生麺フォーを開発したという。美味しいフォーの食べられる店として評判が広がった頃、同じ区画で商売をしていたラーメン店の店主のつながりから阿佐ヶ谷に麺処『三ッ葉亭』を開業。2012年にベトナムハノイにあるベトナム式焼き鳥の有名店ビンミンを日本に持ち込み開店。2013年に鶏そば専門店『そると』を下北沢に、2014年チョップスティックス2号店目となる吉祥寺店を開業しいずれも好評を博している。
「会社としての理念と言うものを、特に決めているわけではありませんが、今までにない面白い店をつくるという事、そして例えば「高円寺にこの店があって良かった。」と言われるくらい、街の魅力の一つとなる地域一番店を目指しています。」そう茂木氏は語る。美味しいものは提供して当たり前、どう売っていくのかも考えながら、どこにもない面白い街に愛される店舗を今後も作り続けて行きたいとのことだ。
バーはお客様が居心地よい楽しさを求めてくる場所。お客様ひとりひとりとのコミュニケーションを大切に!
鶴田 俊也 氏
バー2014年開業
鶴田氏は、『Ailes Yushima』開業以前はクラブなどで店長業務をしながら、バー経営への強い憧れと想いを持ち続けていたという。「クラブの店長時代は満足できるだけの収入は得ていましたが、やはり自分自身で、バー経営をしてみたいという想いは消えず、独立を決意しました。」そう鶴田氏はいう。
「当初は利益率の高いウイスキーやカクテルなどを主力にして、バーにはないおつまみやスイーツも提供出来る女性でも入りやすいバーというコンセプトを立てていましたが、最近の業界の流れや立地にあった業態を再考しクラフトビールを週替わりで提供出来るビアバー業態での出店をしました。」店舗の開業までは、限られた自己資金の中で金融機関からの資金調達や施工業者との打ち合わせなど、はじめての経験が多く苦労した部分もあったというが、2014年念願のビアバー『Ailes Yushima』を開業。国産クラフトビールをはじめ、女性に人気のヒューガルデン生ビール、豊富なカクテルやウイスキーに合わせたつまみやスイーツも気軽に楽しむことが出来る。
「バーですから、お客様に美味しいドリンクを提供するのは当たり前です。もっとも大事にしているのはお客様とのコミュニケーションです。バーはお客様が居心地を求めて来店されると思っていますので、ひとりひとりのお客様の体調やお気持ちを汲めるようお客様との会話を大切にしています。」「また飲食店ですから、『楽しく』なければいけないと思います。すべてのお客様を満足させることは難しいですが、店のルールの中で心地よく楽しんで頂けるように、環境づくりにも気を配っています。」そう鶴田氏は想いを語る。
「やはり飲食店の醍醐味は、お客さんから『また来るね!』の言葉を頂いた時です。また一緒に働いているスタッフの成長を感じられる時も経営者として嬉しいですね。」今後はまた違う業態で、2店舗目の出店も考えていきたいとのことだ。