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飲食店先輩経営者からのメッセージ

すでに飲食店経営者として活躍されている先輩経営者から後輩経営者に向けてのメッセージです。
これから共に飲食業界を引っ張っていく後輩経営者へたくさんのメッセージが寄せられています。

パティスリーパック

信用

平川浩治 氏

ケーキ
2014年開業

 19歳の頃からお菓子作りの世界の門を叩いた。広島で3年、大阪で4年ほど修業を積んだ後、東京の有名レストランのパティシエとして12年間第一線で研鑽を積んできた。ある時、ただ好きで続けてきた事だったが、ふと立ち止まると「仕事に目標が見出せない自分がいる」ことに気づき、悩み、仕事をすることの意味から考え直した時に、経営者として独立という形であれば更に高みを目指すことができるのではないかと考えたそうだ。そして独立するのであれば自分の故郷と決めていたので2014年広島で開業を迎えた。お店のコンセプトは「オリジナリティーの追求」で今までの経験を活かし、あくまでも自分スタイルで自分にしか作れないスィーツ開発を目指したそうだ。開業時に苦労したことは、あまりに長い時間を離れた地で生きてきたので、いざ地元に戻った時、土地勘、商圏の特徴、消費行動、人の動きなどが全く分からず、慣れるまでに時間を要したことと、東京で培ってきたものが地元ではなかなかすぐには受け入れてもらえず、味を出来る限り地元の方に愛してもらえるように創意工夫を凝らした結果フランス菓子の良さと、日本の洋菓子を合わせたオリジナルスィーツが徐々に認知されるようになっていた。宮内ロール、宮内チーズタルト、広島スフレサンドなど地元を冠に据え郷土愛溢れたスィーツが看板メニューとのこと。継続してこられた秘訣は徹底して地元の方目線で、常に声を聴きながら改良してきたことではないかと語る。経営者として大事にしていることは「信用。」で、人として、職人として、全てにおいて信用が大事と考えているそうだ。これから始められる方には「覚悟を持ってあきらめず、自分の目標(夢)に向かっていって欲しい。」とエールを贈る。これからはスタッフたちの満足度向上と今までよりも幅を広げた活動を行い商品価値・ブランド力の向上を図っていく。

株式会社くまごり

お客様ひとりひとりにとって「お気に入りの1店」になる

新本 一弘 氏

ラーメン
2010年開業

 2010年理化学機器の営業をしていた。広島から1年間の約束で大阪に単身赴任。父親の死に直面し帰郷への思いが募り苦悩と戦う中、一年延長との約束と違う辞令が下り広島での起業を決意。かねてから大のラーメン好きで日本全国津々浦々ご当地ラーメンを啜る度に想いを募らせていたが、いくら好きでもいきなりは無理、修業も必要、店舗に設備も必要と考えていた矢先、懇意にしていた方から設備譲渡の提案【物事を決めて実行に移せば道は拓ける】と思い設備を引き取り広島に戻る。すぐさま店舗も見つかり「ショットバーを経営しながらラーメン店で修業し、いずれは自分の店を持とう。」と会社からの引止めもあったが独立。想う美味しいラーメン屋の定義は、どうやって全てのお客様に「満足」していただけるかということで、はじめは全く売れないラーメン屋でしたが、お客様が来てくれるありがたさ、お客様に「おいしかったよ」と言葉をかけていただいたときのうれしさが身にしみており、それがラーメン屋を続ける原動力。また「美味しかった」では足りないと思い「あー、くまごりに来て良かった!」が大事。 お客様ひとりひとりにとって、「お気に入りの1店」になる。そのことを肝に銘じて、ラーメンくまごりはこれからも歩み続けると語る。「くまごり力」を掲げ、お客様ひとりひとりの立場に立って「なぜくまごりに足を運んでくれたのか?」「どこから足を運んでくれたのか?」「今何を考えているのか?」「何を欲しているのか?」「今、どのように感じているのか?」「今どういう状況におかれいるのか?」をひとりひとりが考え気配りし「居心地の良い空間を」作り出すこと。超あっさりから濃厚こってりまで、レギュラーメニューで全10種類。年齢・性別・味覚を問わず「好みのラーメン」を見つけることができるお店となった。「くまごり力」と「バリエーション」の2つを妥協することなく継続する事で、お客様にとって本当の意味での「お気に入りの1店となれると私達は確信しています。」と力強く語る。OPEN景気が終わった後厳しい時期が続き廃業も考えたこともあるそうだ、そこでプレスリリース、SNSを学び行動することでお客様に思いを伝えられようになり、また次々と話題性の高い新ラーメンを投入し行列が絶えなくなったそうだ。ビルの住民による出火により店舗を失うという不運にも持ち前の行動力で再開することを心に誓っているそうだ。現在は店舗での営業ができなくなりスープを分けてほしいと他のお店から依頼されたのをきっかけにラーメン店での技術を基にラーメン店向けのスープ製造、タレ類の製造、調味料の製造、広島餃子の製造、鍋用スープの製造、PB製品の開発製造を行い卸ラーメン店・中華料理店・お好み焼店・居酒屋・鍋専門店・ホテル・百貨店・大型ショッピングモール・食品商社などへ自社製品を販売している。これから始められる方に「飲食店は比較的簡単に独立開業できます。他業種のように特殊能力も資格も必要ありません。が故に簡単に閑古鳥が鳴きます。私みたいに開店後に大きな苦労をしなくてよいようにしっかり学んでから開業しましょう。」とエールを贈る。

ウミネコカレー

目の前のことを精一杯やってきた結果

古里 修 氏

カレー
2014年開業

 音楽活動のために上京し食べるために飲食店で勤め始めた。最初は日本料理店、そしてカレー店など働き始めて10年程が経った頃、とてもお世話になった恩師が過労の為、急逝してしまったことが自身でカレー店を営むきっかけの一つになったそうだ。数年間、勤めつつ出張カレーなどを行いながら物件を探し続け、更に理想とする味を求めインド、スリランカ、ネパール、タイなどに渡って探求し準備を続け遂にOPENを迎えることとなった。目指したのは、自分自身が悩んだ時にカレー店に行って元気にしてもらった経験が原風景となり、自分がしてもらったように“来てくださったお客様が元気になって明日も頑張ろうという気持ちで帰っていただけるようなお店”だ。はじめた頃から年配の方々が通ってくれて更に感謝の言葉をくれるその人達に少しでも身体に良いモノを提供したいとの思いが強くなり安心安全それでいて美味しい現在の無添加カレーとなったそうだ。現在も忙しい業務の合間を縫って一度行ってみたかったポルトガルに渡るなど探求の精神を忘れず、より良いカレーを目指して進化を続けている。継続してこられた秘訣は?の問いに「目の前のことを精一杯やってきた結果です。」とあくまでも謙虚に身の丈に合った取り組みをコツコツと自然の流れの中で変化させてきたそうだ。経営者として大事にしていることは“間違ったことをせず正しいことを行い続ければ自分の進む道に悔いはない!”という思いで音楽活動と共に日々自然の流れの中でコツコツと研鑽を続ける。これから始められる方には「好きでないと続けられない仕事なので強い芯を持って始めて欲しい。」と温かなエールを贈る。

鉄板焼き どんとこ

他では味わえない心からの粋なサービス

美野 由人 氏

鉄板焼き
2008年開業

 元々人が好きで飲食店に勤め始めた。介護事業にも興味が湧き3年ほど従事した後、独立も視野に入れつつ飲食業に戻りたいと考えていた時に鉄板焼きの師匠に誘われ新たな店舗の開業から携わった。1年半を過ぎた頃、師匠が交通事故で急逝してしまい運営していた店舗を弔いと思い一念発起、師匠の家族にも承諾得て、借金も含めて引き継ぐこととなった。自分一人で始めるお店のコンセプトは師匠が残してくれた“元祖、焼きポテトサラダ”を武器に“日常に疲れたお客様が元気になって帰っていく美味しくて楽しいお店”を目指した。引き継いだ当初は煩雑な手続きや周りから師匠との差に対する意見などもあり、技術面の未熟さもあって、体力面でもメンタル面でも相当厳しい状態だったそうだ。ただ、そんな中にあっても苦言を呈することなく通い続けてくれた常連さん達の無言の支えもあってここまで来られたと語る。いつか、その方々に「私が育てた!」と言ってもらえることを想像しモチベーションに変えて頑張っているとのこと。継続してこられた秘訣は?の問いに「計数管理」を上げ、特に原価管理を徹底したそうだ。目先の利益ではなく“他では味わえない心からの粋なサービス”と思っていただけるように努めた結果で、嘘をつけない性格のため人を嫌いにならないように努力を続けてきたそうだ。今後はきちんと人を育てられる経営者を目標に10年後20年後ここを巣立った卒業生達に良いお店を作ってもらいたいという目標を掲げ邁進していく。これから始められる方には「開業したいと思ったのであれば始めた方が良いと思いますが、誰に喜んでもらいたいのか、しっかりと設定して欲しい。」また「お金の管理が苦手なのであればプロに依頼したほうが良いと思います。」と自分の経験からのエールを贈る。

(株)小滝アライブ 炭火焼肉 大手門  炭火焼肉 半蔵門

お客様には幸せを与える。そのために何ができるかを常に考えて32年

小滝 英博 氏

焼肉
昭和61年開業  

東京でサラリーマンを6年務めた後、食肉に興味があり食肉加工会社に入るために旭川に来た小滝氏。食肉加工会社ではアドバイザーとして肉のカットの仕方を教えるなど知識も豊富だったことや、業者として色々な飲食業を見てきた経験から、これからは焼き肉だと思い、32年前に炭火焼肉大手門をオープンさせたそうだ。
とにかく肉にこだわって美味しいものを出そう、と食肉加工会社だったプライドを持って営業してきたが、それでも開業後1年半はのれんをあげる度に、今日はお客さんは来てくれるのか、と毎日不安だったと語る。使う肉には自信はあるが、支持してもらえるのか、どうなるかわからない心配な気持ちはずっと持っていたが、数字をきちんと管理しながら、初心を忘れずに「お客さんを裏切らない」気持ちで続けてきたそうだ。
「美味しさは幸せ。一歩前へ」を経営理念に従業員を育てている。お客さんには幸せを与えましょう。
そして常に前を向いていかなければならない。という思いを伝えていると語る。
また小滝氏は常に「与える」ことを大切にしているそうだ。どれだけ自分が与えられるか。美味しいだけじゃない。美味しいは自宅で満足もできるので、従業員の態度や雰囲気が大切で、お客様に何を与えられるか、を常に考え、従業員にも伝え続けているそうだ。
旭川で32年、札幌で2店舗目を出して20年。人を育てることにも力をいれてきた小滝氏。
「関わった人に与えたい」何ができるか常に考えて与え続ける。それはお客様にはもちろん従業員にもその気持ちで接しているそうだ。
これから始められる方にも、「自分は何を与えられるか」「ギブ」の気持ちを忘れなければ成功するでしょう。とエールを贈る。

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