「器用になりすぎない事、嘘をつかない事」
川畑 智裕 氏
鉄板焼き2005年 開業
祖父が家業で魚屋を営んでおり、いつも食卓には、魚料理が並び、“お肉”がごちそうだった。高校生の時、いつか飲食店で開業しよう!と志を持ち、札幌市内の有名ホテルに就職し、サービスの現場を学ぶ。その後、理想像を模索し、いくつかの飲食店で修行したが、やはり、どのお店でも、“お肉”需要の高さを再確認した。平成17年当時は、大手食肉会社や、乳業メーカーの不祥事が次々と発覚し、よりトレーサビリティーへの意識が高まっていた時期だった。産地表示が難しい現実を理解しながらも、安心安全で、出所が明確なお肉で、元来好きだったハンバーグを作り、鉄板焼きのスタイルで提供するお店「ノースコンチネント」を開店。お店のコンセプトは、“お肉の個性で北海道を旅するハンバーグ専門店”で、道内各地の氏素性のはっきりした、お肉を、自らの足で、探し歩き、納得した素材だけを厳選した。開業間もなく、全国版TV放送のゴールデンタイム枠で、立て続けに取り上げられた事をきっかけに、一躍大繁盛店となる。不眠不休の営業が続き、精神的にも、体力的にも限界の状態を経験しながらも、当初の志を忘れず、現在は、2店舗と、食肉製品加工製造所を展開している。経営面では、何より、“器用になりすぎない事”と“嘘をつかない事”を大事にしながら、飲食店ならではの“付加価値の高い、ストーリーがスパイス”となるような新たな取り組みを行っていく。
「ヘルシー・美味しい・元気・長生き」
風間 明子 氏
カフェ2007年 開業
以前OLをしていた時、人生を考え、オーストラリアと、ニュージーランドへの留学経験を持つ。帰国後、派遣などの仕事に就いたが、元々パン講師の資格を持つ母親が、長年料理教室を開いていた経験と実績を頼りに、家族で力を合わせて、カフェを出店する決意した。何の伝手もなかったが、仲介業者さんから、紹介を頂きながら、平成19年に、母の味をベースにした家庭料理と、アットホームさがコンセプトの「おうちごはん風和」を開いた。平成24年、マクロビオティックを学び、ベースにした店作りにリニューアルし、店名も「風和カフェ」と改めた。知り合ったお客様に、“より健康になってもらいたい”との思いから、“ヘルシー・美味しい・元気・長生き”をキーワードに、お肉や、白砂糖、卵、バターを含む乳製品などを使用しない、健康的料理が基本だ。運営面で大事にしている事は、自然体の家族経営で、お客様はもちろんの事、スタッフとのコミュニケーションを重視している。今後は、料理教室を開きながら、地域の人が、健康になるお店を続ける。
「安心感とくつろぎが何よりのごちそう。」
岩渕 亨 氏
居酒屋1986年 開業
「特にかっこいい理由は何一つないよ。時代も良かったし、居酒屋なら、長くやれるんじゃないかなと思ったし、経験もあったから」と静かに語る。元々、ススキノで、6店舗を運営する外食企業に8年程勤めていた頃、自然の流れの中から、独立に至った。28年続けてこられた秘訣は、“頑固に、自分のリズムで、自分のスタイルのお店作りをする事で、周りの人の話や、時代や流行に流されない事かな?”と決して傲慢ではなく、飾らず、あくまでも自然体で、好きなお客様と共有できる時間を何よりも大切しているそうで、その人柄に惹かれ、28年間通い続けるお客様もいるそうだ。人気メニューに、創業当時から、変わらず続く“和風スペアリブ”があるが、何よりも、“安心感とくつろぎが何よりのごちそう”なのではないかと考えているそうだ。盆正月以外は、毎日お店を開け続け、敢えて目標は持たず、今まで通りに自然体で店に立ち続ける。
「ただいま!おかえりなさい!」という存在」
小室 千春 氏
定食屋1997年 開業
ルーツは、“大家族で育った事”いつも、大勢の中での食事が、身近にあり、自然の流れの中で、飲食店の開業に至った。初めは、円山地区で、姉と共に、お洒落で、美味しい珈琲を提供する、女性だけで運営する定食屋さんから始めた。当時は、カフェブームが訪れる少し前だったが、今までにない店作りから、周辺のクリエイティブビジネス関係の方々に支持されて、17年程の長きにわたり愛され続けた。区切りとして一旦閉店したが、ご縁からお声掛け頂いた案件があり、一年弱、様々活動をしつつ、リフレッシュ期間をおいた後、新たな自分のスペースを作る為と、自分の理想を感じさせるコンセプトに当てはまり、現店舗での開店を決意したそうだ。1世代下の若い世代が運営する宿泊施設の一階の立地条件で、行き交う人間達の台所として、「ただいま!おかえりなさい!」という存在・スペースになれれば嬉しい、と考え、いつかやってみたかった、“理想の下宿”に近い感覚で、今後、宿泊施設との交流が進む事を楽しみにしている。今後も、働いている人達が、家に帰る前に立ち寄って、ほっと安心して頂ける家庭のような場所として、有り続ける。
「沖縄県の魅力を発信!」
赤澤 正 氏
居酒屋、食堂2009年 開業
元々、沖縄県の特産物を販売する会社に13年程勤務し、北海道店の店長を任されていた。結婚を期に、一旦沖縄に戻る。この時期に、奥様が母の味を伝授してもらい、沖縄料理に磨きをかけた。2006年イーアス札幌のOPENを期に、FC店舗として、開業する。施設自体の集客力の問題と、FC店故の制約が多かった為、熟慮の末、完全に独立、「沖縄市場」として、リニューアルOPENした。契約期間満了と共に、施設内から離れ、築58年の古民家を改装し、“なんくる食堂”として再出発した。昼は食堂、夜は、居酒屋で、沖縄料理以外にも、多くのメニューを取り揃えている。中でも一番人気は、「ゴーヤチャンプル定食」で、それ以外にも、沖縄から、直送される、沖縄素材を活用した料理が看板のお店だ。町内会の方々をはじめとする、地域の方々のご支援のもと、週末には、家族連れを中心に、賑わいをみせている。今後は、更に、町内の方々と共につくるイベントを積極的に行い、今まで、お世話になってきた地域へのご恩返しをしていく事と、北海道に2人しかいない、那覇市観光大使として、沖縄県の魅力を発信し続ける。