「お客様との約束をしっかり守る」
土江田 太郎 氏
ダイニングバー平成16年 開店
元々料理人で、長年東京で、腕を磨いていた。実妹も、イタリアで修行しており、妹の帰国を機に、故郷である札幌で、2004年に「アローラ」を開いた。お店のコンセプトは、お食事とワインがメインの、楽しくゆったりとした空間で、アットホームな雰囲気のお店を目指した。イタリア料理が、主体で、お酒にピッタリと合う様な前菜が、一番のウリで、中でも、北海道産のジャガイモを使用したニョッキが、人気だそうだ。自分に会いに来てくれるお客様(ファン)に支えられ、また、いつも教えられながら、今に至るとの事。1年に何回か贈る、DMには、いつも丁寧な手書きで、心のこもったメッセージを添えているそうで、その小さな心配りの積み重ねこそが、長年続けて来られた秘訣と話す。経営で最も大事にしているのは、“お客様との約束をしっかり守る”事だそうだ。今後は、支えてくれる家族と共に、全く新しい業態も視野に入れ、お店を守りながら、準備に入る。
「細く、長く、遠くても来てくれるお客様を思い、信じる」
若山 一哉 氏
レストラン平成21年 開業
東京の製菓専門学校を卒業後、渡仏し、本場フランスにて修行を積む。帰国後、ホテルなどに務めながら腕を磨き、2009年には、さっぽろスィーツコンテストにおいて、“ハスカップフロマージュ”で見事グランプリを獲得した経歴を持つ。スィーツ作りへの思いは熱く、師事したい!と尊敬するパティシェのもとに、会社を辞めて門を叩きに行く程の情熱的行動力の持ち主だ。2009年の冬、札幌観光の拠点であり、競合が少なく、土地勘ある福住の地で「パティスリージョネス」をOPENする。住宅地域に密着したお店を目指した。開業後1年は、順調な滑り出しだったが、2年目に急激な落ち込みを経験し、その時に、支えとなったのが、先輩経営者の皆さんからの温かい助言だったそうだ。“細く、長く、遠くても来てくれるお客様を思い、信じる”気持ちで、スィーツ作りに邁進し、経営者としては、まだまだ発展途上と謙虚な心で、学び続けている。今後は、培ってきたノウハウを、人材育成に注ぎ、海外を含めたプロデュースも行っていく。
「遠くから来てくれるお客様に恥じない味とサービスを提供する」
堀 圭子 氏
カレー昭和58年 開業
若い頃からレストランに携わり、シンガポールでも、接客・サービス業で“売り上げを伸ばす手法”に磨きをかけ、トレーナーを務めるなど、豊富な経験を積んだ。夫の忠明氏は、会社員時代に多くの飲食店開業を手掛けてきた。その一つに、フレンチ・イタリアンの専門店もまだ多くはなかった時代に、インド料理店立上げ経験を持ち、インド人シェフとの強いパイプもあった事から、互いに2人で強みを活かしたインドカレー専門店を開業する事を決意し、昭和58年、円山の地で開業を迎える。真剣であるがゆえに、忌憚なく意見をぶつけ合い、本当に良いと思える事を追求し続け、今年で34年の歴史を刻む数少ない“老舗”である。“札幌の一番星”を目指し、開業当初より、地域の方々から「自分のキッチン」として利用して頂き、瞬く間に話題の行列店となった。独自の野菜ペーストを使用したオリジナルソースが魅力で、多い時は、36席10回転という盛況ぶりだったそうだ。経営理念は、“家庭の食卓とお客様の食卓の違いを常に念頭におく事”で、いつも顧客を重視し、店舗展開は一切しないポリシーを貫いてきた。今後は、親子3世代が通う老舗店を守りつつ、“今風”に翻弄されず、“ミルチらしさ”を大切にし、人を育てながら、新しい事にもチャレンジしていく。
「お客様の要望に対する、“出来ない”を無くしたい!」
長谷部 玲緒奈 氏
カフェ平成25年 開業
前職で勤めていた会社が、教育にとても力を注いでおり、会社経営等の知識を学ぶうちに、経営の楽しさを知り、いつか独立起業したいという願望が強くなっていった。そんな折、実妹が、カフェという業態でお店を始めたいと考えていたので、姉妹で力を合わせて、お店を始める事を決意する。2人とも、出産、子育ての経験を持ち、世のお母さんたちが、落ち着いて、気兼ねなく子供と食事ができるお店を目指した。主力商品は、自分が好きな土鍋で炊き上げたご飯と、妹が好きなスィーツ、中でも、パンケーキ全盛時代に、ワッフルの専門店はあまり無いと考え、「土鍋ご飯とワッフル」が主力商品のお店とした。他のお店と同じ事をしていても、勝ち残れない!差別化のアイデアの一つでもあったそうだ。開業当時から、友人知人に応援して頂き、また、キッズ需要が予想以上に多く、予約が取れない程だったそうだ。お店作りで大事にしているのは、感動・気配りを重視し、要望に対する“出来ないを無くしたい!”という思いで、運営している。今後は、志ある方々の応援サポートをする取り組みの他に、夜の営業が出来るお店作りも視野に、更に親子が居心地良く過ごして頂けるお店に磨きをかけていく。
「味・技術は超えられても、お客様の為に作る心は、味以上…」
伊藤 一夫 氏
焼肉平成23年 開業
約20年間にわたり、大手を含む焼肉店に勤めていた。セントラルキッチン化が進み、本当に提供したい料理を作る事が難しくなり、職人として、見失いがちになった自分自身を取り戻す為に、独立を決意する。自身ラストチャンスと言う50歳での再出発だ。本来の料理は、“自分が褒められる為に作るモノではなく、あくまでも、お客様の為に作るモノであるべき”との想いで、焼肉だけではない、海鮮や、季節の韓国料理を、心を込めて提供するお店作りだ。店名のグルマンズは、“心に通ずる道は胃に通る”の名言を残した敬愛する開高健氏の“くいしんぼう”という意味の言葉から引用したそうだ。「味・技術は超えられても、お客様の為に作る心は、味以上の価値があり、その心がお店の雰囲気になる。」と考え、温かなお店の雰囲気を作り上げた。開業当初1年位は、苦戦した時期もあるが、同業者の方々が、応援してくれて、紹介が紹介を呼び、軌道に乗る事が出来たそうだ。今後は、共に働き、想いを共有できる仲間と先々を考え過ぎずに、何のために仕事をしているのか?という心を見つめながら正直な商いを続けていく。