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飲食店先輩経営者からのメッセージ

すでに飲食店経営者として活躍されている先輩経営者から後輩経営者に向けてのメッセージです。
これから共に飲食業界を引っ張っていく後輩経営者へたくさんのメッセージが寄せられています。

麺匠酒場 日勝軒 笹塚店

身体は食べ物からつくられる!人を大事に健康と食をテーマに今後も事業を続けていきたい!

オーナー翁雄 氏

ラーメン
2016年9月開業

 1998年中国から日本に留学に来た翁氏。中国では、大学を卒業後ヨットやボートの製造メーカーで働いていたという。日本に留学に来てからは、日本語学校に通いながら、様々なビジネスに取り組んだという。中国語の教室や食材を扱う中国物産の販売店など、その中で事業の柱として、漢方養生会館の6店舗と飲食店2店舗の直営店を経営している。

「飲食店の開業を考えはじめたのは、健康をテーマに漢方養生会館を展開していく中で、健康の基本は食からつくられているのではと考えたからです。中国に古くからある言葉で“医食同源”という言葉があります。またトップクラスの医者は、未病を防ぐのが優秀な医者といわれています。普段の生活習慣を整え、健康を保ち病気にならない生活改善ができるということです。」新たに飲食事業に参入する際に、飲食のノウハウは持ち合わせていなかったため、FCチェーンに加入して開業をする方法を選んだとのこと。

「飲食店の立ち上げには、FCという方法で商品やブランドを提供してもらう方法を選択しました。ただ開業してしばらくはオープン景気はありましたが、その後やはり重要なのは店舗の運営でした。」開業後しばらくは、オープン景気があったが、3~4ヶ月経過すると売り上げが伸び悩み、苦しい時期もあったという。

開業して数年後に大幅なリニューアルも行い、商品や店舗の空間のてこ入れも行い、徐々に売り上げも安定して伸びるようになってきたとのこと。
「飲食店の経営において大事なのは、やはり人を大事にし、育てることが必要だと感じました。私自身が現場に常にいるわけではないので、店長も経営者と同じ視点を持って、人・モノ・金をどう活用していくのか。そういった店長をいかに育てることができるかだと考えています。そのために気を付けていることは、人の良いところを見つけて、伸ばすことです。」
そう翁氏は語る。

 「まだまだ自分自身の考えている経営理念や方針に沿った事業の展開はできていませんが、今後も健康と食をテーマにした事業展開を進めていきたいと考えています。漢方養生会館事業はFC展開を視野に進めていく予定です。飲食事業もあと1~2年は既存店を十分に収益の採れる体制まで持っていくために、人を育てていきたいと考えています。」
 「今後、食と漢方養生での健康テーマに集中して、人の心身とも健康と思いやりのある社会に、少しでも役に立つように展開していくつもりです。」とのことだ。

自然野菜レストラン 駒込 ナーリッシュ

地球にも身体にも優しい、自然食を提供し続け、人と地球が調和し、輝き続ける世界をつくりたい!

兼松賢一 氏

レストラン
2011年開業

 兼松氏は、もともと映像関連の専門学校に通ったあとADとして働いていたという。転機となったのはADとして過酷な職場で働いていた頃、交通事故に会ったことだったとのこと。その時に改めて自分の生活や今後の人生を考えはじめ、営業職や飲食業にも関わるようになり、社会に役立つことができる社会起業家を志したのだという。
 
「飲食業で働いたのは、大手の飲食チェーン企業数社でしたが、経営理念に日本一ありがとうを集めるという理念や感動創造という理念があり、そこに素晴らしさと共感を感じました。」勤めた企業では、想いを共有した人を育てることを各店舗で行っていくことで、何度も目標を達成し、売上を改善した実績をもつ兼松氏。

 「開業を考えたのは、身内がガンかもしれないという時期があり、その時に何とかしなければいけないという強烈な思いで、自分自身で栄養学を学んだり、本当に健康に良い質の良いものを食べているのか改めて考えるようになったことがきっかけでした。幸いにもガンではないということが判明してよかったのですが。本物の身体によい食をつくり伝えていきたい。環境から食がつくられ、人がつくられるということを感じ。それをテーマとした飲食店をつくりたいと開業を決意しました。」

「開業を考え始めたころから、食のセミナーやイベントなどに積極的に参加したり、SNSでグループを作り同じ想いに共感してくれる仲間を集めて、自分自身でもイベントを企画し、開業するための準備を進めました。」開業する際に自己資金はほぼなかったとのことだが、およそ1年前からイベントなどを積極的に行い仲間を増やし、ネットワークを作ったことにより、資金援助してくれる人も現れ2011年開業をすることができたとのこと。

「開業して数年は、メニューの内容なども試行錯誤する時期が続きました、売り上げも店長にまかせっきりにしてしまい、落ち込むこともありましたが、もう一度見直して現場のメニューや運営を作り直し、今は過去最高売り上げを更新できるようになりました。」

「2018年1月からは、開業当時からの自然食材や調味料、特に自然栽培(無肥料・無農薬)のお野菜を中心とした食材のこだわりは変えずに、肉・魚・乳・卵・はちみつまでも使わないビーガンメニューに切り替えることで、更に特徴を際立たせたスタイルに変えました。また運営も自分自身が改めて現場に立ち、スタッフを指導し、採用も理念を共有できるスタッフをまず採用するという方法をとることで、人が育ち合わせて売り上げも伸びる体制を作ることができました。」そう兼松氏は語る。

 今後は理念を共有できる仲間(スタッフ)とともに一人一人が生き生きと生きられる社会づくりを目指し、飲食業界を通して食の大切さを伝え、人が成長できる場を作っていきたいとのことだ。

CoCo Craft

人の成長は店の成長!信頼し人を育てることを大切に店を続けていきたい!

高橋玲子 氏

ビアバー
2016年開業

 学生の頃から漠然と、飲食店をいつかはじめたいという想いを持っていたという高橋氏。
卒業後は会社員として働き続けてきたが、昔から考えていた夢を実現したいと強く思うようになり開業を決意したとのこと。

 自身でも食べ歩いたり、飲んだりすることが好きだったこともあり、開業前にお店のコンセプトとして手作りの餃子(点心)をメニューに入れたいと考え、点心がウリの飲食店や中華料理の名店でアルバイトしながら調理を学んだとのこと。

 「店舗のコンセプトは、自分自身が好きなクラフトビールと点心を中心にしたバル業態としました。クラフトビールは自分自身でネット情報の検索やビアフェスなどにも積極的に参加し、現在では30のブルワリーとの取引で、新商品なども取り入れながら入れ替えています。また点心は皮から手作りで、無化調・無添加にこだわり、美味しさと安全・安心な商品を届けたいと思っています。」そう高橋氏は語る。

 「開業して1年目は、ただただ必死に運営をしていました、どのように利益を残せばよいのか、集客をしていけばよいのか考えながら工夫してきました。」「開業時の取引業者を改めて見直したり、地域性に合わせて会社帰りの方向けに晩酌セットでクラフトビールと点心とおつまみのセットを導入したり、チラシ配布なども試しました。」色々な運営に関しての工夫をする中で、定期的に取引先のブルワリーのイベント企画開催や点心作りを中心とした料理教室なども行い、徐々にお店に訪れる常連客も増えてきたという。

「業態のめずらしさや当初からホームページを作っていたこともあるかもしれませんが、開業1年目からメディアの取材も入り、お店を知って頂くことが出来たのも良かったと思います。」「今、お店に来て頂けるお客様の多くは、近隣の会社帰りのサラリーマンやOLさんです。一人でご来店されたお客様も、グループや同僚と利用されるお客様もそれぞれに居心地の良い場所を提供していきたいと考えています。」とのこと。

 店舗を運営していく中では、常連のお客様だけでなく、新規来店のお客様にもしっかりと満足して頂けるように気を配ることを気を付けているとのことだ。

「初めて来てくれたお客様には、ご満足頂けるように、必ずお声かけをするようにしていますが、自分一人の力でできるわけではなく、やはり働いてくれているスタッフの力が欠かせません。」

「スタッフのモチベーション次第でお店の雰囲気も売り上げも変わります。評価するところはしっかりと評価して、興味があればブルワリーの試飲会・イベントなどにも行ってもらったりして、新たな視点や社会との接点を持ってもらうことで、モチベーションを上げてもらう環境づくりも必要と考えています。」そう高橋氏は語る。

 “人の成長は店の成長につながる”今後も働いてくれるスタッフと共に成長し続けて行きたいとのことだ。

HALE海’S(ハレカイズ)

1人1人のお客様に支えられてきた結果

宮島 孝信 氏

SASHIMI & GRILL
2002年開業

 元々実家が寿司店を営んでいたこともあり飲食がいつも身近にあった。17歳から和食店に修業入りし、世界中の食を食べ歩いてきた経験から料理には限りない可能性があることを感じていたそうだ。26歳の時にハワイ料理の名店に移り、料理長迄勤め上げた。そこで作り出した独自の料理の世界観や周りの先輩たちからも刺激を受け、オリジナルな業態での独立を模索していった。遂に34歳の時に刺身あり、パスタあり、スィーツあり、「刺身=醤油」という固定概念を打ち破るような、飲める人も飲めない人も満足してもらえるお店として西麻布に1店舗目をOPENした。開業当初は客足が伸びず2ヶ月程は精神的にも徐々に追い詰められていたが半年を過ぎる頃には口コミでお客様が増え軌道に乗ったと確信したそうだ、それからは10年以上も右肩上がりの成長を続けてきたそうだ。目玉となった商品は「元祖!石焼きリゾット」で、窮地の中から試行錯誤の末に生み出され後に大人気となるオリジナル料理だ。繁盛継続の秘訣は「1人1人のお客様に支えられてきた結果」とあくまでも謙虚。そして経営者として一番大事にしていることは「人」で、現代の若者とのジェネレーションギャップは感じつつも人がいなければ何もできないと考えてきたそうだ。今後は人を育て、新たなステージも見据えて日々精進している。これから始められる方には「“覚悟”と“自分の実力の10分の1の力でも勝てる自信”が持てるのであれば挑戦すべきで、自分への過大評価は注意し勤め先の看板(バックボーン)の力も加味することが必要。」と経験からの貴重なエールを贈る。

肉めし かとう

仕事に終わりなし!

加藤 友弥 氏

焼肉
2015年開業

 元々格闘技の世界で生きてきた。警備会社(身辺警護など)の役員として警護現場の仕事をしながら訓練や試合と命がけの毎日の中で先輩や上司が経営する飲食店に興味が湧き、家族が増えるタイミングで真剣に考え始め先輩の経営する都内のステーキ店に6ケ月間、焼き方や捌き方などの修業をつけてもらいに行ったそうだ。開業に向け多くの方々のサポートを受けた、例えばOPEN間近になると「ノック」として実際にお客様が来られたことを想定したロールプレイングを連日開催してくれたり、業者さん関係を紹介してもらったり順調に開店準備を行っていった。目指したのは“自分が行って嬉しい、お肉をテーマにした、安くて早くて美味しくて、高級そうに見えるけど入ったらリーズナブルでがっつり食べられるお店”だ。OPEN前後は本当に寝る時間が取れない体力勝負の毎日でお店の床で仮眠することも良くあったそうだ。1年間休みも取らないような日々を乗り越え、現在は業種の違うお店を3店舗経営するに至った。これまで継続してこられた秘訣は「気合い!」と即答、「どんな仕事であれ仕事には終わりがないので如何にモチベーションを保ち続けられるかが勝負。」と語る。経営者として一番大事にしていることは「全て楽しむこと!」物事は考え方ひとつで全く変わってしまうので、辛いことを楽しむことができるように考え面倒なこと、大変なことから先にすることが大事だと考えているそうだ。今後は下町に現在の業態で多店舗出店し下町のソウルフードとして多くの方に楽しんでいただける場所を提供し、市場規模の莫大な海外出店も視野に入れた展開を行っていくそうだ。これから始められる人には「(飲食業は)辛いよ!だけど楽しいよ!」と熱いエールを贈る。

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