「お客様が先生となって多くの事を教えてくれた」
伊藤 哲啓 氏
イタリアンレストラン平成19年 開業
30歳になるまでに、自分のお店を持ちたい!と考え、札幌市内のイタリア料理店に入り、10年程修行を積むうちに、お客様の喜びの声が嬉しく、ますます自分自身で築き上げていきたいとの思いが強くなった。平成19年、働いている自分達も、お客様と一緒に楽しめるお店「ガルバンゾ」をOPENした。中途半端が一番良くないと考え、開業資金を極力抑え、再来店して頂く為の徹底した努力を行った。開業後、広告を打つも、なかなか効果が上がらなかったが、ご縁のある方々が、お客様となって支えてくれたそうだ。その後も、顧問の公認会計士や、可愛がって頂いている会社経営者のお客様方が先生となり、多くの事を教わり、とても親身になって相談に乗ってくれたおかげで、継続してこられたと話す。今後は、家族と共に暮らしながら運営する、一軒家店舗の出店も視野に入れ、より多くのお客様との出会いを増やす取り組みを行っていく。
「売り手良し!買い手良し!世間良し!の三方良し!」
松村 泰年 氏
洋菓子平成3年 開業
元々、食を通じて、留萌地域の発展に寄与できないか!という事について、いつも考えていた。この地の美しい情景をお菓子に込め、伝えていきたいとの志を持った父親が、“夕日のまちのお菓子屋さんルモンド”を設立したのは、1976年の事だ。その志を、1991年に引き継いだ。地域の素材を活かし、地域の方々に、出来立てを提供するお店として、日々精進している。人気メニューは、地元増毛産のはちみつをたっぷり使った、「みつばちリング・みつばちロール」だそうだ。2代の長きにわたり愛され続ける秘訣は、“決して素材の質を落とさない事”で、「売り手良し!買い手良し!世間良し!の三方良し!」でなければならないという思いからだ。商売として、経営コストは、もちろん大事にするが、“全てはお客様のために!”という意識で、作り続けている。これから開業される方へは、「誰か一人でも、そのプランを認めてくれる人がいるのなら、実行すべき!」と一歩を踏み出すきっかけを大事にして欲しい、とエールを贈る。今後は、ここでしか食べられないモノを提供し、留萌の風景ごと提供できるCafeを作る事も視野に入れ、今日もお菓子を作り続ける。
「繁盛の秘訣を一言で言えば“思いやり”」
杉山 智公 氏
居酒屋平成22年 開業
元々、アパレル関係の会社に勤めており、いつか独立したいという願望は持っていた。ある時、先輩が経営するお店に行った時に“飲食店は、人と人とを繋ぎ、明日への活力を得られる場所”だと感じ、色々な人脈の広がりや、交流、仲間との憩いを提供できる場所を作る事を決意した。5年程、修業を積みながら資金を貯め、仲間からのアドバイスを参考に平成22年中央区で「卵焼きマルイチ商店」を開店する。サラリーマンを元気にすれば、経済が盛り上がると考え、商談の場として、ビジネスチャンスを掴める場所作りを念頭に、オフィス街で、数十種類の出汁にこだわる“卵焼き”を主力商品とする居酒屋での船出だった。開業後1年程は、厳しい状況もあったが、“ここがダメでも次のチャレンジ!”と腹をくくり、常に明るく前向きな姿勢を崩さなかった。1年が過ぎた頃、急に客足が伸び続け、軌道に乗せる事ができた。ひとえに元気なスタッフが、お客様を盛り上げ、元気にしてお返しする、心のこもった接客の賜物とあくまで謙虚だ。今後は、3K仕事と言われる業界イメージを打破し、働く人が豊かになれる仕組みを作り上げ、新業態の出店も視野に入れ、思いやり溢れるお店を続けていく。
「笑顔を大切にするサービス」
新津 賢二 氏
カフェ平成21年 開業
元々アウトドアが趣味で、人に料理を提供する事が大好きだった。26年間務めたサラリーマン時代に、夜間の調理師専門学校に通い、免許を取得、また、札幌農学校に通い、農業の基礎を修得し、自家菜園を持つ。退職後、1年間カフェビジネスの専門学校に通い、平成21年に満を持して、「OutdoorCafe野菜香房」をOPENした。隣接して美容院を営む奥様との2人3脚だ。お店のコンセプトは、近隣のご家族、仲間、美容院のお客様などに、アウトドアスタイルの鉄鍋料理を提供するお店作りだ。人気メニューは、ご当地バーガーの「石狩バーガー」や、煮込み料理で、自家菜園で獲れたての野菜や、石狩市原産の望来豚などを使用しているそうだ。開業後1~2年は、我慢の時期だったが、飲食店組合の役員や、市のイベントに積極的に参加する事で、地域に貢献してきた事が、継続してこられた要因だそうだ。企業ミッションは、“「美・食・遊」のサービスを通して、お客様との信頼関係を大切にし、期待以上の地域NO.1サービスを目指すと共に、より豊かなライフスタイルを創造する“で、今後は、地域の高齢者の方々への配食・ケータリング、訪問美容なども積極的に行い、”笑顔を大切にするサービス“を展開していく。
「真面目にコツコツ・丁寧に・お客様の要望に応える」
室 利明 氏
和菓子、洋菓子昭和45年 開業
元々、祖父が炭鉱町で和菓子店を営んでおり、2代目となる父が、東京での修行期間中に、廃坑が決まり、町ごと無くなるという事で、止む無く、一家で札幌市に移住。購入済だった土地が、北区新琴似で、当時は、家屋もポツンポツンと数軒しかなかったそうだ。そこで東京から呼び戻された父が、店を任され、東京のモダンスタイルな和洋菓子を、人里離れた場所で製造販売するという“挑戦”が始まった。店舗は、構えてはいたものの、もっぱら、市場の中にあった販売所や、配達で売上を上げていたそうだ。3代目となる自分は、父と同じ東京のお店に修業に入り、さらに、いくつかのお店で腕を磨き、25歳で実家に戻り、そこから父との2人3脚が始まった。主に、自分が洋菓子を担当し、父が、和菓子を作っている。長く継続できた理由を、父・征雄さんは、“真面目にコツコツ・丁寧に・お客様の要望に応えてきた結果”と静かに話す。今後も、モノ作りに集中し、柔らかいモノは柔らかく、温かいモノは温かく、出来る限り、出来立ての甘さを控えた和洋菓子を、目の届く範囲で、直接手渡しでお客様に提供し続けていく。3代続くお菓子屋さんの物語は、まだまだ続いていく。