先代の良さ活かし、新しい風を起こす
佐藤 直樹 氏
焼肉平成19年開業
創業23年の老舗焼肉店を平成18年に引き継ぎ社長就任。先代が大事にしていた事は残しつつも自らの思いを形にしている。就任時は正直売上は芳しくなく回復に自ら先頭に立ちキャンペーンやPOP作成も行い客数・売上の増加を成し遂げる。常に自店や業界を客観視しており、ただの良い肉を並べても差別化は計れない事からオリジナル商品である“さとうの牛たん”を販売。当時、焼肉は赤みが良く、霜降りなどが良しとされていたが“さとうの牛たん”は漬け込みを行う為色味は正直良くない。否定的な意見もあったが味は格別な為現在では必ず注文される看板メニューに育った。継続の秘訣は“無理はしない”ことで、無理はトラブルしか生まない為、店舗オペレーションにも反映させ従業員同士のコンビネーションが良くなり結果お客様の事をしっかり見れる接客ができており離職率も低い。今後は足場固めを目標に改めて人財育成に力を入れていく考えだそうだ。常に次も来店したくなる仕掛けを行い、お客様を飽きさせない店作りに励んでいる。
自分本位ではなくお客様本位
田嶋 悠介 氏
居酒屋、焼とり平成24年開業
元々、娯楽施設の運営会社に12年間勤務し、接客を通じて人を喜ばせるのが自分の性に合っている事に気づいた。お客様との距離が一番近く、ダイレクトな反応をいただけることにやりがいを感じて飲食業での起業を決意した。焼鳥店を選んだのは商圏を調べた時、近隣には老舗は多いが焼鳥店があまりなく、深夜に食事ができるお店が少ないことに気づき、若い方のデートや、女性同士でこられるお店作りを目指した。凝り性な性格から食材にもこだわり、“冷凍物は一切使わない”“たれ調味料に至るまで一から手作り”“旭川近隣の食材”を貫いている。継続の秘訣は“自分本位ではなくお客様本位”を常に意識し、主義主張ではなくお客様のニーズのキャッチに集中したことだそうだ。当初は人脈の無い地域での出店ということもあり人事採用には苦労をしたが、今後は地域連携を軸にフットワーク軽く足を使った出逢いを求め地域に貢献し人材との出会いで更なる多店舗化も視野に入れている。これから始められるかに対しては“利己的でなければ成り立つ商売なので真面目に取り組めば魅力あるビジネスなので挑戦して欲しい!”とエールを贈る。
身の丈にあった商売を心掛ける
木脇 靖浩 氏
ダイニングバー平成15年開業
元々事務機器販売の会社に勤務するサラリーマンだったが、一念発起して開業を決意。大好きだった居酒屋での船出を決め、通っていたお店に約一年間の修業に入った。良き出逢いに恵まれ平成15年に念願の開業を果たす。当初はコンセプトなどはあまり深く考えずに修業したお店を基本に組み立てたそうだ。お客様には常に応援して頂いていたものの、2年間は“悪いなりになんとかやっている”という状態だったが、ある時を境にして転機が訪れた。隣の物件があき“勝負時”と判断、店舗拡張工事を決意し実行、料理人を雇い入れ新体制に一新した結果、団体のお客様に来店していただけるようになり軌道に乗ったそうだ。現在は業態を変えた5店舗を運営している。継続の秘訣は?の問いに対して「スタッフに恵まれた事」「身の丈に合った商売を心掛ける事」と語り、一生懸命努力している姿を誰かが見ていてくれていただけだと、どこまでも謙虚な姿勢を崩さない。経営者として大事にしているのは、自分の技術に頼るのではなく、スタッフに任せ預ける事とバランスを取る事だそうだ。今後は外食にとって安心できる時代ではないと認識し、人材を育てながら地域に根差したお店を長く続けたいと意欲を語り、“お客様の感謝がダイレクトに届く魅力ある業種なので是非挑戦して欲しい”とこれからの方々にエールを贈る。
最善をもとめて最悪に備える
河合 康治 氏
カフェ平成25年開業
海上自衛隊で5年間、船上コックを経験する。その後4年間オーストラリア、アイルラン
ドでレストランやバーで勤めながら海外で過ごす。帰国後も飲食店に勤め札幌に移り住む。ゲストハウスと併設した飲食店として河合珈琲を立ち上げる。古民家をベースにお店作りを計画するが開業までの道のりは険しかった。物件はゴミ屋敷状態での引渡しとなり片付けや解体処分に半年かかる程だった。店内で提供される珈琲豆は丁寧に自家焙煎、テイクアウトもできる。決まったブレンドはなく会話をしながら、その時々のお客様の「好み」や「気分」にあわせ、その場でブレンドして提供する。人とのつながりを大切にしているのは、河合氏の人柄からも伺える。ビジネスとしては100%理想通りのことはないから、理想は追いすぎずバランスを考え判断しているという。「計画」「理念」「現実」があり、その上で「時流」と「運」をどう掴むかを意識しながら、同時に最善を求めて最悪に備える努力を日々続けている。
食べ物に対する「責任」はお客様へも自分にもある!
磯 義司 氏
ラーメン平成17年開業
ラーメンチェーンで6年間、調理からSVなど多岐な業務を勤める。提供しているラーメンについて義理の父親から「缶詰ラーメン」と指摘される。当時、手作りの大切さを考える出来事が重なり転職を決意する。某有名拉麺店で3年修行し「全ての食材から調理に至るまで説明できる1杯を、一から手作りで作りたい」という想いで独立開業する。10周年を迎えた今も「これでいいのか?」「やり残したことはないか?」と常に考えている。食材もこだわっており生産者から直接仕入れもする。直接生産者からいち早い情報を知ることで調理に役立てる。もうひとつ大切にしていることは「こだわりの食材を、いかに集中し調理できるか?」まずその環境を一番に考えている。掃除や包丁の研ぎ方にいたるまで「やり残すことがない」ように日々続けている。それができるのは「家族の支えがあって、好きじゃないとやってられない」という家族への感謝と仕事に対する想いである。これからも好きな事をどこまで全うできるか?を目指す。