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飲食店先輩経営者からのメッセージ

すでに飲食店経営者として活躍されている先輩経営者から後輩経営者に向けてのメッセージです。
これから共に飲食業界を引っ張っていく後輩経営者へたくさんのメッセージが寄せられています。

いざか屋 水槽族

辛い時も“平常心”

松本 幸助 氏

居酒屋、海鮮
平成22年開業

2年半店長を務めた店をオーナーからそのまま引き継ぐ形で開業に至る。前オーナーの常連客も多く、引き継いでから1年間近くは精神面で辛い想いをした事もあったそうだが、売上の波が激しい飲食業界で、その度に“平常心”を心掛けてお客様と接し、着々と客数を増加させていった。看板メニューはカウンターに置かれた水槽内の貝類を中心とした新鮮な海産物で、その場でさばいて提供されるのが受け入れられた。継続の理由は何よりも根気よく続け、凹んだ時もポジティブに平常心でやる事である。平常心を保つ為に心がけていることは売上が悪い事を社会情勢や景気のせいにせず、受け止める事だそうだ。落ち着いた感じで話される松本社長の今後の展開は“維持”だそうだ。自分のコンセプトを信じてやり続けている事と平常心を保ち誰かのせいにしないで毎日営業しているからこそ常連客もでき、継続できている。

Cantina suzuki(カンティーナスズキ)

お客様を裏切らない

鈴木 光利 氏

イタリアンレストラン
1980年開業 

創業35年のファンが多い老舗イタリアン。飲食店を開きたいという想いから脱サラし開業に至った。スタート時はテナントの規制があり2年間は紅茶とクレープ専門店として営業する。当時はクレープ自体が珍しく、集客はできていたが、軽食では無く飲食をやりたい想いが強かったことと、その後テナント状況が変わったことによりイタリアンに業態変更を行う。素材にこだわり、道内産の材料や有機野菜を使用している。今までに20回ほどイタリアを訪れ仕入れや勉強には決して手を抜かない。繁盛の理由は“お客様を裏切らない事”で、予約制では無いが約9割のお客様が予約で来店でその信用度が伺える。今後は、仕込みに時間と体力が消費されているので体力作りを行い、継続して営業できる状態を保ち、そこでしか食べられない物を提供し続けたいと熱意を語りつつ、わざわざ来て頂ける店作りをしてきた結果の35年を振り返る。

珈琲淹REFINED

感動と喜びで癒やしの空間を創造

飛渡 幸樹 氏

カフェ
平成10年開業

10年程珈琲メーカー企業に従事、豆の仕入れや焙煎方法を学んでいたが組織環境が変わり、若い頃から心に秘めていた自分の店を持ちたい願望が目覚め退職、過去に住んでいた経験から菊水の地に物件を見つけ、珈琲豆の焙煎小売を行い資金を貯め2年後に店舗を併設した。当初からの計画で徐々に店舗内装・間取りを変えていき、今ではプロジェクターを設置してあるコミュニティールームなる会議や打ち合わせもできる部屋を完備し多くのお客様に利用されている。コンセプトが“癒やしの空間”で落ち着いた雰囲気の店でゆっくりと時間が過ぎていくような感覚である。看板メニューとして珈琲はもちろんだがカフェライスなる珈琲で炊いたライスがあり、それに合うデミグラスソース・ホワイトソース・カレーを研究開発し珈琲とのコーディネートが出来上がっている。今後は現在の珈琲ブームに乗るのでは無く、ブーム中は何をやっても目立たない!という考えから、ブームが去った後に仕掛けていくとの考えだそうだ。流行り廃りで始める業界ではないので自分が本気になれ、お客様とのコミュニケーションが好きではないと続かないと語る。

魚まる

素材が100%、それを活かしきれるように提供する

柴田 裕之 氏

レストラン、海鮮
平成26年6月開業

学生時代からずっと「円山」という街の変化を見てきた。28〜39歳まで魚屋で磨いた「目利き」で「一流の食材」を中間マージンなしで自ら仕入れ、それを価格に還元させて提供する。「一流の食材を高く提供する」ことは誰でもできるが、そうではなく「一流の食材を値頃で提供する」ことをコンセプトにしているという。一方で、目利きをもっていても調理はまだまだ無知だと「学ぶ姿勢」は貪欲そのものだ。もともと向上心の強い性格だったそうだが、未だに「進化を求め」積極的に勉強を欠かさず、他のお店に行けば必ず「自分のお店にないもの」を探し、美味しいと思う料理があれば「知りたい、聞きたい」と恥ずかし気もなく聞くという。向上心だけでなく謙虚な気持ちを持ち合わせるからこそできる学び方だと感じた。「とにかく素材は100%で、加工しすぎても美味しくならない」と明言している通り、これからも長年見続ける円山で「一流の素材を100%活かしきれる」ように貪欲に「仕入れ」「調理」に邁進する。

musica hall café(ムジカホールカフェ)

面白いと思うことなら、やりますね

田所 裕一郎 氏

カフェ
平成20年8月開業

26歳の時、純粋な飲食店ではなく「音楽イベントありき」でお店をつくることを決めた。28歳までサラリーマン勤めをし関東で過ごす。独立は札幌と決めていたが北海道の飲食事情も音楽事情もわからないまま札幌に戻り、カフェとダイニングバーで初めて飲食業の経験を積む。しかし物件選びは困難を極め、ある程度の広さがなければ音楽イベントはできないが、一人でも運営できる広さと予算のバランスに苦労したという。飲食業は甘いものじゃないと様々なことを準備してから開業したが、それでも想定外のことが起きたそうだ。しかし全てが悪い誤算だけでなく、音楽イベントを目的で来
店した方がカフェ営業時に来店していただいたり、口コミで徐々にお客様も増え、さらに音楽アーティスト間の口コミで北海道に留まらず全国からアーティストが集まるようになった。8年目を迎えた今に至るまで一度も有料告知をしたことがないが、いまでは月の半分はイベントで埋まる程になった。一方で月の半分しか通常営業をしていないからこそ”カフェとしての水準は絶対に下げない”と努力を惜しまない。イベントでもカフェでも「いつ来ても」「どんな使い方」でも飲み物も食べ物も美味しく提供する理念があったからこそ、人が人を呼び相乗効果を生んだと考え、今後も絶対に不可能なことでなければ自分が「面白いと思うこと」をやり続ける。

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