プレッシャーを感じすぎず、うまく肩の力を抜くこと
瀬尾 茂子 氏
そば平成23年開業
両親が蕎麦屋をやっていたため、何十年も手伝ってきた後、両親の引退を機に独立。
そば粉屋さんの勧めで条件が良い物件を紹介され、「とにかくやってみないと何も始まらない」とチャレンジしたそうだ。「自分が大好きなおそばを食べていただきたい」という、その思いをとにかく大切にやってきた。
開業時は何が何だかわからない中、全部一人でどんどん進めていき、ものすごく波に乗っていると感じながら、毎日があっという間だったそうだ。
夏はぶっかけそばが人気で、色々な食材をトッピングして見た目も楽しめる、オリジナリティー溢れるメニューが好評。冬は温泉玉子をトッピングしたとろ玉カレーや、体が温まる鴨せいろは、ごま油でこげ目を付け、鴨の濃厚な出汁が出て美味しいと人気だそうだ。お客様が「美味しかった」と言って、また来てくれることが励みになって続けられている、と語る。
経営者としては、重圧を感じすぎてしまわないことを大切にしているそうだ。思いつめていた時に、お客様の一言で、ふっと心が軽くなり、どうせやるなら笑いながらやっていたほうがいいと気づかせてもらった。
これから始められる方には、計画的にやることはもちろん大切だけれど、経営にプレッシャーを感じすぎず、あまり周りに左右されすぎずに「自分が本当にいいな」と思うことをやっていってほしいと、エールを贈る。
このお店を気にってくださっているお客様のためにも、守り続けた味と雰囲気
島影 和代 氏
喫茶店平成14年開業
30年前にオープンした昔ながらの喫茶店を、15年やってきたオーナーさんからやらないかと声をかけていただき、引き継ぐことになった現オーナーの島影さん。人気店であったため、いかに変えずにこの雰囲気や味を守っていくか、ということのために、引き継ぐ前の2か月間は、店が開いていている朝8時半~夜の24時までびっちり修業して猛特訓したそうだ。その後、従業員さんも全員引き継いだため、新人スタッフからオーナーに変わり、やりにくさの中でもお店を守るために強い気持ちで乗り越えたそうだ。
前のオーナーさんが根室出身だったため、看板メニューは根室のご当地料理のエスカロップで、この味を15年守り、コーヒーはサイフォン式で店内にいい香りが広がる。広い店内は一人で来ていただく方も多く、2階席は昔ながらの雰囲気でBOX席が6つあり、その懐かしい雰囲気を好んで来てくださるお客様もたくさんいらっしゃるので、とにかくお客様のためにも続けていくことを常に一番に考えている、と語る。
朝から晩までお店で勉強していた学生さんが、合格してクッキーを持ってきてくれるなど、お客様がリラックスしていただける空間作りも大切にしているそうだ。
これから始められる方には、やっと持てた自分のお店は好きな気持ちを大切に、雰囲気を大切にして、気に入ってくださっているお客様のためにも、続けていくことの大切さも忘れないでほしいと、エールを贈る。
来てくださるお客様や手伝ってくれた周囲の方への感謝を常に忘れない温かいお店に
ABEYDEERA SUSANNTHA 氏
カレー平成18年開業
大阪に住んでいた時に、知り合いがいる東川に遊びに来てカレーパーティーを開いた際、たくさんの方から絶賛されて、こんなに美味しいカレーを作れるなら旭川でカレー屋さんを開いたらどうか、とリクエストされたことがきっかけで、移住されたそうだ。7年空き家だった家を自分で見つけて、リフォームしてお店にしたため、草刈りから始めて壁紙の張替えから天井や照明器具の交換なども、友人達に手伝っていただきながら自分たちで準備した。だからこそ、周囲の方に助けていただきオープンすることができたと感謝の気持ちを忘れない。
オーナーご夫婦のお人柄が素敵なお客様を呼んでいるように、お客様にも恵まれて、素敵なお客様が多いと常に感謝しながら、ホッと安まる雰囲気のお店を作り出している。
移住した際、とにかく北海道は野菜が美味しいことに驚き、これを使ってカレーを作りたい!と惚れ込んで、夏は自分たちが作った野菜を使ってカレーを作っている。
スリランカカレーはルーがないので50種類のスパイスを厳選していて種類も豊富なため、毎日食べても飽きないカレーなので、週に2回通ってくださるお客様もいらっしゃるそうだ。
これから始められる方には、絶対にダメな時はあるけれど、その悪い時をいかに耐え抜くか、続けられるように持っていくこと、そして何事も3年やるとできてくるので、波を乗り越えることが大切だとエールを贈る。
飲食店はお腹を満たすだけではないからこそ、真心こめたサービスを心がける。
備中 保 氏
そば平成24年開業
東京の蕎麦屋さんでの修行を経て、旭川では色々な方に支えてもらい素晴らしいご縁があったおかげで開店することができた、と語るオーナーの備中さん。大阪出身の備中さんは、旭川はそばの作付面積1位の幌加内・2位の深川、3位の江丹別と蕎麦の生産地に囲まれているので、もっと蕎麦が気軽に食べられるようになってほしい。との思いで、気軽に入れてゆっくりしていただけるお店にしたい、とご夫婦で始められたそうだ。
東京で学んだ二八並蕎麦と十割太打蕎麦、 更科蕎麦の3種類があり、蕎麦専門店として毎日早朝から丁寧に蕎麦打ちをして、手間暇かけて煮だしたかつおだしのつゆなど、味が変わらないように、毎日同じことを同じように続けることはとても大変だけれど、最も大切にしていると語る。
飲食店はお腹を満たすだけではなく、貴重な時間をかけてお越しいただいているのだから、常に感謝の気持ちで、食べるだけではない付随するサービスが大切だという思いがご夫婦に共通している。来てくれたお客様へのおもてなしの心を常に大切にして、真心のこもったサービスを心がけているそうだ。
だからこそ、お客様がリピーターさんとしてまたお顔を見れた時が一番励みになると語る。
これから始められる方には、思っていた形にならないなど辛抱の時もあるけれど、信じて続けていって、人となりが出るようなお店にしていってほしいとエールを贈る。
旭川で人生が変わったからこそ、旭川のお客様に恩返ししたい。と走り続けた10年
森内 巧二 氏
ラーメン平成18年開業
東京で生まれ育ち、大学進学で旭川に初めて来て食べたラーメンの美味しさに衝撃を受け、大学を辞めてラーメンの修行の道に入ったオーナーの森内さん。
東京ではラーメンの激戦区と呼ばれる環七の近くに住んでいて、元々ラーメンは大好きだったが、旭川の某有名店の味に衝撃を受けて、13年そこで修業してから現在のお店をオープンさせたそうだ。
13年人気店で店長を務めた経験から、オープンすればお客様はくると思い、広告はフリーペーパーに一度載せただけ、お店の場所も人通り車通りが少ない場所だったため、開業時はお客様が少なく本当に苦労したと振り返る。だからこそ、お越しいただいたお客様が一週間以内に来店していただくには何ができるか、と必死に考えて、お客様お一人お一人とラーメントークを繰り広げたり、周りがしないようなこともがんばったそうだ。
その後口コミを呼び、5,6年経った頃、全国の人気TV番組から取材の依頼があったものの、初めに苦労した分、本当に旭川の方々に感謝の気持ちしかなく、旭川の人が並ばなければ食べられないお店にしたくないという思いで、取材は全てお断りされたそうだ。
東京から旭川に来て、色々な経験をさせてもらい、旭川に来て人生が変わったからこそ、恩返ししたい気持ちでいっぱいで、お客様が笑顔で帰ってくれることが喜びだと語る。
これから始められる方には、「商売は楽しいことも沢山あるが、耐えなければいけない事も沢山。心配や不安に潰されそうになっても、前向きに考える体力が最後にあるか?無いか?馬車馬のように休まず働いても、笑顔で乗り切ろう。多分経営者はみんなそんな日常を送っていると思います。」とエールを贈る。