地域に愛されるお店一番を目指しています!
加藤 寛之 氏
ビストロ2015年3月
学生時代のアルバイトでカフェや、イタリアンを経験。大学卒業後は自動車関連の企業に入社し、8年間勤務。その後、もともとやりたかったカフェ開業を目指すために退職し、カフェスクールに学んだのだそうだ。
カフェの物件を探していたところ、今のお店の物件が見つかったのだが、カフェには向いていない立地と判断。しかし、人通りも多く、駅に近い場所なので、あきらめるにはもったいない物件。ビストロやバル業態ならあっていると判断し、目指していたカフェではなく、そちらの業態での開業を目指すことにしたのだという。
ターゲットは、名駅や栄に比べ、ここに飲みに行こうという需要がない場所なので、
近隣に勤めているor住んでいるor乗り換えで利用する方達と想定。
立地調査や競合調査は綿密にやり、どの時間にどういう人がいるかをできるだけ詳しく調査したそうだ。また、この地域で繁盛しているお店をベンチマークしてその店より選ばれるためにはどうすればいいかを意識したとの事。
選ばれるためにまず、名物メニューをつくることを考えたという。
「和牛ひまわりステーキ」おかげさまで、これのために来店してくださるお客様も多い。30代40代のお勤めの方中心に大人気になった。
原価率が高いが広告効果も高い。味にも自信があるが、見た目も工夫し、SNSで拡散していただくことを狙ったのだそうだ。
もうひとつは店前の通りは名古屋でも有数の交通量の多い通りなので、フリーの来店も狙えると思い、イタリア色に染めた提灯に「赤ワインどて煮」のメッセージ。洋風の店構えに、提灯(しかも三色の)、しかも赤ワインのどて煮?何だろうと思っていただけるはず。狙いは当たり、フリーの来店客が増加したという
今では、この二品が、お店の二大看板。
想定外だったのは、1年の中で5月とか8月が売上げが大きくへこんだ事。長期休暇に思った以上に弱い地域だった。そこで、2階の宴会席にビアサーバーを置いて、夏場限定のビアホールをつくったり、そういった、季節ごとのプランを考えて、へこみを少なくする取り組みをしたのだそうだ。
これまで継続してこれた秘訣は、
まずは、開業までに時間をかけたことが一番とのお考え。元々カフェがやりたかったが、とにかくこの場所なら見込めると考えたので、なんとかこの場所で成功したかった。場所がかなりいいので、今後も強敵が出てくるリスクは結構あると思うが、ここで頑張りたいという。
それと、仕込み手順、調理手順など、運営を全部マニュアル化して、アルバイトスタッフも含め皆がホールも調理もできる体制づくりをしたこともよかったとの事。最初は大変だったが、今は強い店になった。
大切にしているのは、地域に愛される、根付いたお店にしたいという思い。3年たってお客様が定着してきて、売り上げの大半は既存客。そういったお客様に、スタッフ一人一人がおぼえてもらう事が大事と考えているそうだ。
今後は、社員が自己実現できる環境をつくりたい。明確な目標をもってもらい、それを課題にしてもらっている。将来の独立を考えて、あるいは上に立って人を育てることを覚えて、いずれは自分のお店を持つなど、明確にイメージできるようにして欲しい。とオーナーは語る。
これから始められる方へ、
好きを具現化する仲間(パートナー)をみつけることが大事。一人より大きなパワーを発揮できるし、軌道修正もできる。自分も親友と一緒にこの店をはじめた。彼がいなかったら、今のこの店はないと思うので、皆さんもぜひ仲間をみつけて欲しい、とエールを贈る。
お客様の日常を、豊かに!楽しく!
岡田 紳吾 氏
パスタ2008年6月
子供の頃から、弟と二人でお店をやりたいと思っていたそうだ。
父親が結婚式場で働いていた影響を受け、サービス業、おもてなし業を身近に感じていたとの事。
だんだん大きくなるにつれ、その思いは強くなり、二人で飲食店をやろうと決意。お互い様々な飲食店で10年ほど修業を続け、その後独立したのだという。
麺の種類、具材、ソースの組み合わせは、無限といってもいいほどバリエーション豊かで、多くの人が好きなパスタに可能性を感じ、パスタでいこうと考えたそうだ。
郊外に元気なお店が多かったので、名古屋市外、なかでも当時人口の伸びが大きく所得も比較的高い、日進市に出店。
開業時は、美味しいものを出せばお客様は来るに違いないと思っていたが、それでは全然ダメだったという。しかし、地道に続けることで、徐々にお客さんが定着し、気が付けばオープン当初の倍以上の売り上げが作れるようになったのだそうだ。
そこで、開業から3年ほどで、当時人気があった、食べ放題の店に業態転換。お店も全面改装したのだという。狙いは当たって、売り上げはさらにアップ、と絶好調。しかし、ほどなくして、売り上げは頭打ち、そして徐々に下がっていった。食べ放題の業態は大手の得意なフィールドであることに気づき、撤退。
原点に帰って、個人店ならではのこだわりのパスタのお店に再度業態転換したのだそうだ。
お店の売りは、昆布だしで茹であげる、高級パスタと、旬のフルーツをふんだんに使ったパフェの店。
これまで続けてこられた秘訣は、
「バランス」を心掛けているからだという。もちろん、何かで秀でるのはすごく大事だが、料理だけ、マーケティング力だけ、接客力だけ・・・では、どれも成功しない。すべての要素が必要。もちろん、全部最高点を取るのは難しいが、バランスが大事。その効果はかけ算なので、何か一つでもすごく悪かったり、抜けていたり0点となり、他店との差は大変大きなものになってしまう。と社長は語る。また、SNSや毎月のニューレターで、こまめな情報発信を心掛けて、お客様といい距離感を保ってきたのもよかったのだという。
お客様の日常を、豊かに、楽しくする事が私たちのミッション。
食事は、日常における一番の楽しみ、エンタテインメントと位置づけ、そこに感動を提供する事に全力を注ぐ。
今後は、自分が蓄積してきたノウハウを提供していくコミュニティができたらいい。とのお考え。また、もっと田舎に出店して、例えば畑をやりながら1日数組限定のレストラン、みたいなスタイルもやってみたいとの事。
これから始める方へ、
自分のいいところを消さないで欲しい。常識にとらわれず、自分の中にある熱い思いを大切に、それを磨いていく、伸ばしていく事に力を注いでほしい!とエールを贈る。
本格料理を気軽に楽しんでいただきたい
中村 文洋 氏
イタリアンレストラン2011年1月
実家が肉屋を経営していて、わりと小さいころから、自分が会社に就職するイメージはなかったのだそうだ。
料理が好きで高校卒業後、大阪の調理師学校へ。元々はイタリアンをやろうと思っていたが、すごくいい方との出会いがあり、日本料理を1年学ぶ。その後、地元の名古屋に戻り、イタリアンやフレンチの店で腕を磨いたのだという。その後イタリアに渡って、本物を知る。帰国後は、日本の最先端を知ろうと、東京のレストランで腕を磨いて、その後名古屋に戻り開業したのである。
「本格料理を気軽に楽しんでいただきたい」がコンセプト。
仰々しい接客や、堅苦しい雰囲気の中で食べても美味しくないし、楽しくない。ワインも自分で注いで自由に飲んでほしい。プライベートな記念日にぴったりのお店を目指しているとの事。気軽に楽しんでいただくため、価格帯も他の本格レストランに比べ、リーズナブルに設定しているという。
開業時にはお客様に予想以上に来ていただけたのだそうだ。その仕掛けはオープン前に三日間開催したレセプション。初日は親しい方だけで、パーティ形式で開催(130人ほど来ていただいた)、二日目と三日目は、あらゆるつてを使って、雑誌を始めとした、マスコミ関係や、パワーブロガーの方達を招待。広告宣伝の一環として3日間とも無料で提供!お酒や食材などで色々ご協力いただいた取引先には心から感謝しているとの事。
あと、このお店がこの土地にぴったり合っていたことも順調なスタートを切れた要因。
とシェフは語る。出店した土地と出したい料理が合うことは非常に大事なことを実感したのだそうだ。
人気のメニューは「トマトたっぷり冷製アマトリチャーナ」秋冬にも提供している。
季節によってトマトの味や風味が変わるので、通年楽しめるメニューになっているという。美味しいトマトを探したのがきっかけで、多くの農家さんと知り合いになり、今では、野菜が売りの店になった。
これまで継続してこれた理由は、
まずは料理に絶対に手を抜かない事。どんなに忙しい時でも妥協しない事。を徹底してきたのがまず第一。慣れは怖い、とシェフ。
そして、もっと大事なのは、接客サービス(おもてなし力)だと考えているという。
また、資金力も大事。特に運転資金。売上げや集客は本当に波があるので、自分自身やってきた中で身に染みた事なのだそうだ。
経営理念は、
” 心”を大切に。心で接すれば、人の心を動かせる。あと、価値の提供を常に意識している。価値のあるものを提供して、その対価をきちんといただく事が大切との事だ。
これから始められる方へ、
決して独りよがりにならない事。また、お客様はもちろん、スタッフも大切にする事が大事。
あと、自分に負けない事。自分が最大の壁だし敵だと思う。自分に厳しく、しかし、エゴにならないよう心掛けてほしい。とエールを贈る。
家族3世代で楽しめる、地域一番のハンバーグを目指しています!
中野 博章 氏
洋食2017年5月
高校卒業後は、料理に興味があったので、普通に進学するのではなく、料理の専門学校に進んだ。その後アルバイトで実際にお店で働くうちに飲食業の魅力にひかれるようになったのだそうだ。
シェフ自身、お米好きで、ご飯と洋食の組み合わせが理想だったので、専門学校卒業後、名古屋の老舗キッチンに勤める事に。そこで12年ほど腕を磨いた。勤めていたキッチンの社長も独立を後押ししてくれ、32歳で独立。
お店は、小さいお子様からお年寄りまで広く愛されているハンバーグのお店。
家族3世代で来て欲しいとのお考えだ。
しかし、ハンバーグは競合も多いので、名古屋で美味しいといわれるお店はほぼ事前にチェックし、自分たちの目指すハンバーグの参考にした。奇をてらわず、オーソドックスなスタイルで、名古屋で一番を目指したいとの事。
開業前は、メニューづくりと価格設定に苦労した。オープンして気づくことやお客様からのご指摘も多く、もっと練っておかないといけなかったと反省。
コンセプトがイマイチ明確になっていなかったこともあり、内装についてもかなり苦労したのだそうだ。
オープン直後は、中々計画通りに売り上げが上がらず苦戦。まずは近所の方に知ってもらおうと、ポスティングを実践して、じわじわとお客様が定着してきたとの事。
一番人気はやはり「デミグラスソースハンバーグ」だが、シェフのおすすめは「バター醤油ハンバーグ」。最近はリピーターも増え、毎回これしか頼まないお客様もいらっしゃるほどで、常連さんを中心に人気が出てきたという。
「お客様もスタッフも経営者も、楽しめるお店、幸せになれるお店づくり」を心掛けているとのお考えだ。
これから始められる方へ、
物件探しやメニュー開発も、もちろん欠かせないが、経営の勉強も必ずしておいて欲しい(自分の反省から)。とアドバイスをいただく。
キーワードは感謝!
井上 茂幸 氏
あんかけパスタ2013年7月
学生時代に居酒屋でアルバイト。そのまま社員になって1年間勤めた後、あんかけパスタ店に転職。そのころから自分のお店を持ちたいと思うようになったのだそうだ。もっと料理の幅を広げたいと思い、洋食店や定食屋なども経験し、35歳の時に、兄の援助もあって、今のお店を開業。
あんかけパスタのお店はすでにたくさんあったが、ラーメンなどに比べ、メニューが、昔とあまり変わっていなかったので、自分の経験を活かして、あんかけパスタと洋食をドッキングさせた、進化形のあんかけパスタ屋で行こうと考えた。ターゲットは30代40代の男性サラリーマン。ラーメン専門店では当たり前になっている、券売機の導入なども取り入れたのだそうだ。
開業時は色々苦労もあったが、なかでも、あんかけパスタ好きの方から、洋食メニューとの組み合わせに『あんかけパスタはこんなんじゃない。』とクレーム的なことを言われて悩んだりもしたという。試行錯誤しながらオリジナル性を追求して、半年ほどでやっと味も落ち着き、お客さんも定着してきたとの事。
オープン販促はほとんどやらなかったが、人通りの多いエリアなので、お店の看板や外観には力を入れて、目立つ工夫をした。当初はお客様の数が読めず、12時半ぐらいで麺をきらしてしまった事もあったという。
人気メニューは「ハンバーグプレート」あんかけパスタと、洋食屋のハンバーグ・ライス・サラダがコラボしたワンプレートである。
これまで継続してこられたのは、お客様に恵まれた事が第一。足繁く通って、何かと声をかけてくださり、色々な面で応援してくださったから頑張れた。つくづく運が良かったと思っているとの事。
また、ついてきてくれたスタッフや、取引先にも助けられ、続けて来られた。言葉にすると月並みに聞こえてしまうが、すべてに心から感謝している。と社長は語る。
これから始められる方へ、
今時の飲食店経営はなかなか難しい。でもその中でやると決めたら、あきらめないでやりきる事が大事。そうすれば必ず望ましい形になっていくので、やりきって欲しい。とエールを贈る。